【ブラック企業に勤めていた話 2】
※前回の投稿の続きになります。読んでいない人は前回を読んでみてください。
タイトル《南の風 風力3》
さて、2泊3日の洗脳のための素敵な研修も終わり、いよいよ仕事が始まりました。
僕の職場は入社した社員の半分以上が1ヵ月で辞めるという噂の職場でした。
結果から言うと、半分どころじゃなかったです。
僕の同期は12人いましたが、一ヵ月で4人になりました。
仕事は転職サイトなどのいわゆる求人広告を売る仕事でした。
朝は大声で「朝から元気よく体操行きまーす!」と大声で上司が叫び、屈伸などの体操が始まります。いきなり知らない体操が始まるので戸惑います。周りの人を見て覚えます。
そして怒涛のテレアポが始まります。『アポトーク』という紙が渡され、この通りに話せという事です。だいたいこんな感じ。
自分「初めまして。株式会社〇〇の石神と申します。弊社の方、様々な求人広告媒体を扱っている会社なのですが、採用担当の方はいらっしゃいますでしょうか?」
これで、受付の方が採用担当の方に変わってくれる、という流れでした。
でも1時間掛けても、そもそも採用担当の方に変わってもらえません。受付の方に「どのようなご用件ですか?」と聞かれ詳しく説明すると、「間に合ってますので」と言われ電話を切られます。こんな事をやっていたらムダに時間が過ぎていくだけです。
会社のHPや過去の情報を集めて、採用担当の名前を調べました。
そして勝手にこのようなアポトークに変更しました。
自分「お世話になっております~。○○の石神ですけど○○さんいらっしゃいますか?」
これで採用担当の方に割と繋げてもらえるようになりました。
さも前から知り合いかのように電話しました。中々やるね俺。
で、アポトークの紙通りにやると、
自分「今後採用の予定はありますか?もしあるようでしたら一度訪問して説明させてください」
こんな感じでした。
でもこう言われます。
「しばらく求人は出さないからいいよ」または「取引してるとこあるから」
です。これではアポもらえません。一生会社にいなきゃです。
だからもちろん勝手に変更。
上記のように採用担当に言われたら意味も分からず、
自分「だったらちょうど良かったんですけど・・・」
この魔法の言葉をとりあえず言います。そして、
「いつか新たに弊社から求人出すかもしれない会社さんに、キャンペーンの紹介してるんですよ。で、僕そちらの地区の担当でして簡単にご紹介だけさせてもらってるんですね。来週ですと水曜と金曜にそちらの地区の会社を回る事になってるんですけど、水曜か金曜ならどちらが都合がいいですか?」
もちろんキャンペーンなんかないが、それはどうにでもなります。
もちろんアンタの会社にも行きますよ、というスタンスです。
で、こう言うと、相手は2択から選ぼうとしてくれます。
選んでくれなさそうで悩んでいたら、
自分「素直に言っちゃうと、アポほしいんですよ~」
と正直に言います。そう言うと笑いながらアポくれたりします。
採用担当が男性なら若い女性社員を同行して契約をもらいに行きました。
基本的に僕はお金がたくさん欲しかったので、常に求人を出しているような不動産会社を狙いました。一件契約が取れれば半年から1年契約になり、僕の懐には歩合で60万ぐらい入ります。興奮しますよね。そしてその採用担当の方に気に入られると、系列店を紹介してくれたりして、連続して契約が取れるようになりました。
ただやはり採用担当に気に入られるのも技術がいて、頭を使いました。
ここは僕なりの営業技術になりますが3つだけ紹介します。
1・商談室では採用担当の方が来るまで立って待つ
2・コーヒーを出してもらった時のゴミは持ち帰る
3・訪問後、お礼メールではなく、お礼のお手紙を訪問先の近くで書き、受付の方に「○○さんに渡しておいてください」と言って渡す
この3つをメインでやりました。
1と2は、僕はお客様ではないから当たり前の事だし、3のお礼のお手紙も顔を覚えてもらうためでした。もちろん契約率は格段に上がりました。
契約が取れて会社に戻ると、ワッショイ担当の女性が数人いて「ワッショーイ!!」と大きな声で言ってくれます。薬でもやっているのでしょうか、ノリが気持ち悪かったです。
とまぁこんな感じで営業の仕事をやっていました。
あまりにも契約が取れないと、夜遅くまで仕事をさせられたり、上司に罵声を浴びせられたり、机の下にある寝袋で寝るなんて事もあります。僕はそうはなりたくないので必死でやりました。早く帰ってキャバクラ行きたいですから。
飲み会も定期的にあって上司の自慢話を聞かなければいけないし、その後のカラオケでは上司が唄っている間は立って手拍子や肩を組んで輪になって唄うなどの太鼓持ちもしなければなりませんでした。死ぬ程嫌だったので、嫌われてもいいので断るようにしました。気持ち悪いことをしている自分は嫌いなので。自分を好きでいるのが僕にとっては一番大事なので。
でも、営業の努力のおかげで月30万以上売り上げるという目標は毎月クリアしました。
だいたい毎月100万円ぐらいは収入があったので、ほぼ毎日キャバクラに行き、子猫ちゃんたちに「王子」なんて呼ばれていました。お金はほとんどキャバクラで使いました。今思うと、非常に賢い使い方をしたなと思います。今の僕なら貯金とかいうバカな事をしていたかもしれません。
キャバ譲の、間抜けなゆりちゃん、ただただエロいあおいちゃん、ひたすらエロいましろちゃん、淋しがり屋のさえちゃんの話も書こうと思ったが、長文になってしまうのでそれはまたいつか・・・
何となく今日はこの辺でお開き。
最後まで読むなんて、余程やることがないんですね。
読書でもしましょう。
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