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1-5.会社では何をするの?

ユリさんとスミレさんの例を続けましょう。

お母さんの誕生日当日、ユリさんの家にスミレさんが来て、ケーキ作りを手伝います。

まずスポンジケーキを焼きます。
そこで、ユリさんはスミレさんにバターをゴムベラで練るようお願いしました。
するとスミレさんが言いました。「あら、ゴムベラで練る必要なんてないわ。レンジでチンして溶かしちゃえばいいのよ。私、スポンジケーキだったら何度も焼いているから、間違いないわよ。」

レンジを使わず、全て手作業で作りたかったユリさんはバターを練る作業は自分でやることにし、小麦粉をふるいにかける作業をお願いしました。
するとスミレさんが言いました。「ああ、それ、一番嫌いな作業なのよね。服に小麦粉が付いちゃったりするし。それに単調でしょ。飽きちゃうの。」

仕方がないので、ユリさんは、小麦粉をふるう作業も自分でやることにし、卵白を泡立ててメレンゲにするようお願いしました。
すると、スミレさんが言いました。「え?泡立て器でやるの?電動ハンドミキサーがないなんて聞いてないわ。こんなんじゃ、うまくメレンゲにできなくても私のせいじゃないからね。」

なんとかスポンジケーキが焼き上がり、次はチョコレートクリームを泡立てます。
すると、スミレさんが言いました。「バースデーケーキなんでしょ?だったら白い生クリームのほうが絶対いいわよ。誕生日にチョコレートケーキなんておかしいわ。私、生クリーム買ってきてあげる。」そう言うと、買い物に出掛けてしまいました。

さて、あなたはこの話を読んでどう思いましたか?
スミレさんに悪気はありません。
もしこれが、学校の部活動や、友達同士でケーキを作って食べようという集まりならなんの問題もないでしょう。きっと「私のせいじゃない」と言われても、実際に失敗したものが出来上がっても、自分たちが作ったケーキとして楽しく食べられたはずです。チョコレートケーキを作る予定が生クリームの白いショートケーキになっても、楽しいハプニングに過ぎません。

でも今回は違いました。ユリさんにはこういうケーキを作りたいという明確な目的があり、その手伝いをスミレさんにお願いしたのです。もし学校の部活動や、友達同士で楽しむためにケーキを作るのであれば、ユリさんがスミレさんに英語を教える必要はありません。

それでは、スミレさんはどうすべきだったのでしょう。

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