温泉が人々の信頼を取り戻しますように
今回はちょっとマガジンの趣旨からははずれているかもしれないが、銭湯好き、温泉好きとして、記事を書かせてもらおうと思う。
老舗旅館の温泉から基準値の3700倍ものレジオネラ菌が出た問題で社長が会見を行った。(タイトル画像はYahoo!ニュースより)
「塩素の匂いが嫌いだった」
「レジオネラ菌が大した菌ではないという認識だった」
などの発言が物議を醸し、驚きや怒りの声が湧き上がっている。
この旅館は刑事告発もされるらしい。人の命を危険にさらしたのだからそれは当然だろう。
問題はこの旅館だけではない。コロナが収まってこれからというときに、多くの旅館が出鼻をくじかれることになりはしないか。日帰り温泉や銭湯にまで影響は及ぶかもしれない。そう思うと、なんてことをやってくれたんだと思わざるをえない。
それにしても、と思う。
私としては、説明責任を果たしていかなければならないと考えさえすれば何をやっても許されると考えている政治家や、談合でつかまっても悪いことはやっていないと豪語する社長や幹部らと比べると、この社長がいい人に見えてしまう。(もちろん、通常のちゃんと責任を果たして法令を遵守するよう管理している社長よりいい人だと言っているわけではありませんよ!)
塩素を入れなかったのも虚偽の報告も従業員の指摘を握りつぶしたのもすべて私の指示だった、私の認識が甘かった、私が嫌いだったと説明しており、社長一人に批判が集中する会見になっている。
もちろん、本当にそういう社長だった可能性もあるが、そこに、旅館をなんとか存続させたいという捨て身の願いが込められている可能性もあるのではないかと思うのだ。
人の心の中は分からないが、1865年から続く歴史が幕を閉じるのはもったいないと思う。そしてこの旅館に限らず多くの人に安心して温泉を楽しんでほしい。
3月19日 追記
山田真前社長が12日、自殺したとのニュースが流れてきた。
ご冥福をお祈りいたします。
世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。