石川県出身の店主が経営するレトロな銭湯~鶴の湯
3連休。遠出はできなくても、せめて近場でバカンスをと、3日間銭湯に通いました。
1日目は天神湯。
2日目はCOCOFURO(ココフロ)ますの湯。
そして最終日は北区滝野川にある鶴の湯へ。
都電荒川線「滝野川一丁目」が近いのですが、あえておばあちゃんの原宿、JR巣鴨へ向かいます。
巣鴨のお目当てはかき氷工房雪菓。
まずは地蔵通り商店街へ向かいます。
さすがはおばあちゃんの原宿(?)、赤いパンツが目玉商品の衣料品店が目を引きます。
商品はこんな感じ。
おばあちゃん向けかと思いましたが、ターゲットは子ども?
巣鴨の可愛らしいキャラクター「すがもん」のポストもあります。
そして、なんと言っても商店街の中心はとげぬき地蔵。
その隣に雪菓はあります。
えっ。
もしやとは思いましたが、やはり暑い夏の盛りに人気のかき氷屋さんでかき氷を食べようと思ったら、こうなりますね。
とりあえず、客待ちリストに名前を書いて、どうしようかな、と迷った結果がここ。
cafe Lumiere presents 焼き氷専門店 御休処 左藤
テレビで見たこともある焼き氷です。
かき氷を待つ間にかき氷を食べるという、なんだか落語のような展開。
私が頼んだのは緑の抹茶とティラミスの焼き氷。
見た目も上品で美しいですね。
これに火が点くと。
こうなって。
こうなる。
目の前で見るとかっこいいですね。
食べてみると、もはやかき氷の範疇を超えています。
メレンゲにクリームチーズとマスカルポーネ、クルミやアーモンドなど味だけでなく触感にもこだわった、かき氷を使ったパフェですね。
多分、吉祥寺に行けばこれが3時間待ちだったでしょうから、巣鴨にあってくれてラッキーでした。
そろそろ雪菓に戻りましょう。
かき氷工房雪菓
更にしばらく待ち、ようやく出てきたかき氷がこちら。頼んだのはピーチです。
先ほどのルミエールとは真逆のシンプルなかき氷。
さっそく頂くと、甘さ控えめで桃を味の引き立たせた絶品です。
なるほどね、これは体験する価値がある。
「美味しい食材と美味しい食材を合わせて、余計なことをしなければ、おいしくなるに決まってるよね」と語りかけてくるようなかき氷に納得しながら頂きました。
店を出る頃には、すっかり暗くなっていました。
さあ、それでは本日のお風呂、鶴の湯へ向かいます。
鶴の湯
Google Mapに導かれるまま、墓地のそば、店のない住宅地を抜けて見えてきたのがこちらの看板。
「ラジューム」……。なんて郷愁をそそるんでしょう。
店の前には異様な植物。これ、見ると葉っぱから花が生えてるんです。
私はこれを見て、妖精のさなぎのようだと思いました。あんまり可愛くない、どっちかというと悪い妖精。(店主さん、ごめんなさい)
これ、調べてみると、名前は分かりませんでしたが、食虫植物だそうです。
多分、蚊取り線香の代わりに置いてあるんでしょうね。
随分、植物に詳しい店主さんだと思われます。
壁にはアメニティの紹介がありました。これはぜひ使ってみたいですね。
それでは、いざ。
中に入ると、小さな待合室には松井のユニフォーム。よほどファンなんでしょうか。貴重なものっぽいです。
やはり、中にも植物。そして柱時計が歴史を伝えています。
こういう銭湯を大事にしたいですね。
では、暑い中歩き回った汗を洗い流すべく、浴室へ。
脱衣所も、もちろん昭和チックです。撮影できないのが残念ですが、体重計はこういうやつ。
感動したのは『DuO』の創刊号が置いてあったこと。
『なかよし』でも『花とゆめ』でもなく『DuO』ですよ!
かなり渋い路線を進む雑誌で、月刊から隔月刊になり、たった25巻でその歴史を閉じましたが、子どもの頃の私はこれを非常に楽しみにしておりました。
そして、脱衣場の壁にはなぜか石川県にある那谷寺の観光ポスターが。
那谷寺は一度行ったことがあって、また行きたいと思っていたところなので、ここ北区滝野川でポスターを見つけて驚きました。
それはさておき、いよいよお風呂へまいります。
白と淡いピンクを基調にした広々とした浴室です。
「花エキスの泡」リンスイン・ボディーソープを試してみると、確かに。
通常の銭湯のリンスインシャンプーは髪がごわごわになってしまうので、置いてあっても使わないのですが、ここのはごわごわになりませんでした。
嬉しいですね。
お風呂は白湯と薬湯。白湯にはジェットバスもあります。
薬湯は熱すぎない42℃ほどでゆっくりと浸かれます。温泉はなくとも薬湯があれば、体を温めてくれたり、肩こりをほぐしてくれたりします。
ジェットバスは肩と腰のほか、ふくらはぎと足の裏もほぐしてくれます。
一日散歩してきた足に気持ちいい。
サウナもあるので、当然水風呂もあります。26℃。これは私にも浸かれる温度。
温かいお風呂と水風呂に交互に浸かる交互浴は、血管の収縮と拡張を促してくれるので、全身マッサージと同じ効果があります。単に湯船が広いというだけでなく、こういうことができるところが銭湯の一つのメリットです。
さっぱりとして着替えていると、先に帰るお客さんが「おやすみなさい」と声を掛けてくれました。私は初めてこの銭湯に来たので、もちろん初めて会う人です。あわてて「おやすみなさい」と返しました。
昔ながらの銭湯には昔ながらの文化が残っています。だから銭湯を守らなくてはいけないと思うんですよね。
脱衣所を出て、番台さんになぜ那谷寺のポスターがあるのか訊いてみました。すると、石川県出身だからとの答え。
銭湯の経営者には北陸の出身者が多いというのは本当だったんですね。
すっかり夜も更けてしまいました。帰りは近くのJR王寺駅からにします。
なんとなく、街灯もレトロ。
今日もいいお風呂をごちそうさまでした。