金魚が泳ぐ銭湯〜滝野川浴場
住所としては北区滝野川ですが、都営三田線の西巣鴨駅が一番近い駅です。
Googleマップを見ながら、すぐそばまで来ているはずなのに、とウロウロしていると、看板を見つけました。
私道を少し入っていくタイプの銭湯って参道のようだと思います。
なんとなく、この先に、少し神聖な異世界が待っている感じ。
夜桜の向こうに、入り口が見えました。
手前には灰皿もあります。最近は銭湯でも灰皿のあるところが減りました。
こういうところは貴重です。
緑が好きなようで、入り口の前には鉢植えが並んでいます。
ここは番台方式。
いざ、と思いましたが、なんだかパチパチという音が気になります。
もしや、と思い、音のするほうへ。
ホントに薪で沸かしてた!
果たしてそこには薪が積み上げられていました。
そして振り返るとそこには炉が。
おお!
「薪でお湯を沸かしています」と謳っている銭湯はありますが、このように炉が見えるところにある銭湯はあまりありません。
思わず近寄っちゃいました。
ハウルの動く城に出てくる火の悪魔”カルシファー”が住んでいそうな炉
いやいや、良いものを見ることができました。
ちょっとこの写真を撮ったときは興奮しちゃいましたねぇ。
もう、これだけで来たかいがありました。
入ります
とはいえ、せっかくなのでお風呂をいただきましょう。
ここは番台方式なので、待合室はなく、扉をあければ脱衣室です。
番台に座っていたおばさんに回数券を渡すと、「ゆっくりしていってくださいね」と声を掛けてくれました。
脱衣室には手作りでしょうか。折り紙で作ったひな飾りが置いてありました。
レトロ体重計に、オカマドライヤーもあります。
オカマドライヤーを体験してみたい人は行ってみてくださいね。
池のある浴室
浴室に入ると、まず目に入るのが池です。
池?と思われるかと思いますが、石灯篭と、本当に岩で囲われた池があるのです。そして水草の間を、金魚が4匹、ゆうゆうと泳いでいます。
タイル絵なら、他の銭湯にもありますし、待合室の水槽に魚を飼っているところもありますが、これは珍しいんじゃないでしょうか。
その他、植木鉢が浴室にもいくつか置いてありました。その棚が木製なのですが、木の香りがしていいんです。
まずは、体を清めて、と思ったら、ボディソープを忘れてきてしまいました。シャンプーやボディソープは置いてないところもあるので、いつもセットで持ってくるのですが、なぜか今日はシャンプーしか持ってきていません。
そして、そういうときに限って、備え付けのボディソープが置いてないんです。人生ってそういうもんですよね。
仕方がないので、シャンプーで体中洗いました(;^_^A
水風呂なしのあつ湯
お風呂は46度。
ぬる湯好きの私にとって、これはかなり熱めです。
お風呂は二つに分かれていて、一方に、「こちらのほうが熱いです」と書かれていましたが、もう一方もそんなに温度は変わりませんでした。
意を決して入り、10秒ぐらいすると、なんだか水の柔らかさが伝わってくるような気がしました。(薪で沸かしている炉を見たせいかしら)
水風呂も無く、数分もつかっていたら限界です。
番台さんと常連さんとの会話
脱衣室にはテレビが置いてあり、ぼーっとテレビを見ながら温まった体を脱衣室で休めていると、番台さんが常連さんに話しかけていました。
番台さんは、男のお客さんとも女のお客さんとも、常連さんにはみんな話しかけているようです。テレビに出ていた人の出身地がどうとか、他愛もないおしゃべりが、家庭的でいいですね。
男のお客さんの声が聞こえます。「きょう、46度もあったよ」
番台さんが答えます。「あら、そうなの?それじゃ、熱いわね」
あら?
普段は何度なんだろう。
まぁ、それは、また来たときに。
今日もごちそうさまでした。
世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。