目には見えない人から話しかけられた(霊とか魂の話)
目には見えない人から話しかけられたことがある。
話しかけてきた人はイスラエルの人であったし、その時に居た場所がイスラエルであったにも関わらず、話してくる言葉は何故かそのまま理解できた。
頭の中にハッキリと聞こえたのであるが、それが日本語なんだかヘブライ語(イスラエルの言語)なのか定かではない。途中に訳したりする人が入ったりしないで、相手が話したままに理解できて、会話をしていたというだけだ。その時にいた場所には私の他に人は居なかったので、私は普通に声に出して、その人に向かって話し返した。
私に話しかけて来た”その人”のことを私はほとんど知らない。私は”その人”を一度くらいお見かけして「こんにちは」と遠くから挨拶したぐらいで、顔もチラッと見たくらいで覚えていなかった。
”その人”は私の知り合いということではなく、私と同室でこの宿泊施設で働いている彼女の知り合いというか、命の恩人と言ってもいいような存在であった。
では、なんで”その人”というのがわかったかというと、”その人”がわざわざ私に話しかけてきたのは彼女についてであったからだ。
挨拶したと思ったらすぐに「あの彼女のことなんだけどね」とすぐに彼女の話になった。
声しか聞こえないのであるが、そういうのを私は全く怖がることもなく「まあ、そういうこともあるか」ってくらいに普通に会話をしていた。
姿は見えないのだけれど、その人が優しい人というのはわかって、私は安心した気持ちですべて隠すようなこともなく、話しをしていた。
これからも彼女の力になって欲しい、彼女を支えて欲しいという話であったが、私は「申し訳ないけど、それは私にはできません」と答えた。
もうこの時点で、私と彼女の間ではいくつかトラブルが起きていて、私の中では「どんなことがあっても、できるだけお互いに無理のない形で、彼女からは離れよう」と決めていたからだ。
”その人”はヒドく残念だったようだった。しばらく受け入れるような間があってから「それならしょうがないなあ」とまた笑ってくれた。詳しくはじめから話さなくても、すぐに今まであったことがすべて伝わってるみたいで、すんなりと伝わった感じがした。
”その人”が私にしたかった『彼女についての話』は終わって、”その人”は去っていった。すると停電してたのが終わって電気がついた。
この建物が停電して「あらら、また停電かい」と私は掃除をしている手を止めた。すると、”その人”が私にしゃべりかけてきたのであった。そして、”その人”が去ったら停電が終わった。
テレビもスイッチ入れたらついたので、電気ロックの出入り口も開くようになったであろうということで、とりあえず出入り口の外にある受付に向かった。
受付には重たい空気が流れていた。電話に出ていた支配人が顔を覆うようにした。支配人は上から降りてきた彼女になにか言うと、彼女はその場で泣き出した。
”その人”と支配人は古くからの友人であって、それでここに遊びに来ていた時に彼女とも知り合ったようだ。
ここで、彼女から”その人”が亡くなったというのを聞いた。そして停電してたのは、何故かこの建物だけだったこともわかった。
後から彼女に私が体験したことを伝えた。するとそのまま彼女は「その言い方は”その人”に間違いない」と言った。”その人” が私に話していた時の、なにか言い方とかの特徴みたいなものが、まさに”その人”の話し方であったようだ。私が”その人” と話したことがあっても、私はヘブライ語はまったくわからないので、言い回しなんて考えようもないのであった。
それが本当か本当でないかってのは、人それぞれが判断するとは思う。
”その人” が家族や親戚でもない、同じ国に育った人でもない、年も孫くらい離れている彼女のことを、どれだけ大事に思っているかを私は強く感じたし、そう思えるというのは尊いことだと思った。