映画パンフレットを探していたらスタンドスキャナーを買ってしまった話
ある映画のパンフレットが欲しかったのでひさびさにブックオフなんかに行ってみたら、もう誰も見向きもしないのかほとんどが100円で売られていた。ウイルスとか菌とかに気をつけているご時世で誰が触ったのかもわからない冊子を買うなんて、もうあんまりしないのかもしれない。
100円だからたいしたことのない作品なのかと言ったらそうでもない。順番にチェックしていくと「ああ、この映画よかった」みたいなパンフレットが続々と出てきた。それで車で行けるようなブックオフ回りを始めた。
映画のパンフってのは基本上映している映画館でしか買えない。それにサイズやデザインや紙質はそれぞれ違ってて面白い。書いてあることも他には出てない内容もかなりありそう。なのに100円とは安すぎる(今でも小さい個人経営の古本屋とかだと200円したりする)。
ここで目当てのパンフ以外は「基本100円のものしか買わない」という自分ルールを決めた。あと自分が欲しいと思ったものを買う、売れそうだから買うというのはなしにした。
(※文と画像はあまり関係なかったりします)
テリーギリアム監督のパンフが1冊あると、『バロン』『バンデットQ』と出てきて、「もう一冊こいこい」と探していくと『未来世紀ブラジル』もちゃんとあった。北野武監督作品も『HANA-BI』があって『BROTHER』もあったので「これはもしや『ソナチネ』とか『3-4x10月』が出るんでは」と期待したら『Dolls ドールズ』が出てきた。しかも2冊。
ここで背景を想像をしてみる。誰かが北野武作品にはまって観にいくようになった。そこで友人連れて『Dolls ドールズ』観にいったらあまりについていけなくて(少し変わった映画なので)、なんか映画の帰りは友人とグズグズな雰囲気になってしまった。それでもう忘れたくなって北野武作品のパンフを全部古本屋で処分してしまったのだ。友人のパンフもいらないと渡されてしまったのでいっしょに売ってしまった。なんとも悲しい話である。
『火まつり』のパンフは見つけた時に「うわっ」と声が出た。
この作品は今ではほとんど見れなくなっている。ビデオではレンタルがあったがDVDは数が少ないのかほとんど出回らなくて、たまに出ても高値(2万7千円とか)で売られている。監督は柳町光男、主演は北大路欣也で、(いい意味で)ものすごく後味の悪い傑作である。
角川映画の『伊賀忍法帖』も100円であった。
これは当時姉が草刈正雄のファンで『汚れた英雄』に連れて行かれた時に同時上映で観た。出演は真田広之、渡辺典子(映画デビュー作)である。今なら間違いなくR-15(15歳未満の方の入場・鑑賞が禁止)扱いと思うが、当時はそんなのなかったので中学生や高校生でも観れた。
お姫様にそっくりな女忍者(どちらも渡辺典子が演じてる)が悪い忍者五人集につかまり女忍者は自害する。しかし別の女(ピンク映画人気女優の美保純)の首を切り落として付け替えて、生き返させられてしまい(原作は山田風太郎)、五人集の一人におかされるという場面があった。その時に流した涙が「見たものを惚れる薬になる」ということだった(お姫様に自分を惚れさせたいという悪い殿様の策略である)。その場面というのはプロレスラーのストロング金剛が座ってこっち向きで、美保純の白い背中(から尻まで)が上下に揺れているのである。首をつけかえたから演じているのは美保純なのであるが、お話では身体は渡辺典子なのである。私はよく映画のことわかってなかったから「あの可愛らしい渡辺典子がこんなことされてしまって」とトラウマ級の衝撃を受けてしまったのでした。
あと私が一番好きかもしれない映画『ブリキの太鼓』のパンフを観た時は「ウヮーーッ!」とかなり大きな声が出た(さいわいブックオフではなかったので人はほとんどいなかった)。これも2冊あったので友人を誘って見に行ったら気まずくなったのかもしれない。ありがとう、私が2冊とも購入させてもらいました。
気がつくと100冊を越えてしまった映画パンフレットの山ができ、そこでスタンドスキャナーという本をおしつけて潰さないでスキャンできるものを知り、調べて購入してしまい、それが昨日届いたというわけなのでした。