『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉』(2001年)を4DXで観ました
スクリーンで『ロード・オブ・ザ・リング』3作が一週間だ限定で観れるっていうんで、さっそく行ってみました。
今作には様々なバージョンがあって、今回は3作とも劇場公開版にそれぞれ数十分の未公開シーンを加え再編集した特別版だという。だから上映時間も長くて、『1』が3時間28分で、『2』が3時間44分で、『3』は4時間13分という長さなのでした。
購入時に「なんかチケット代がバカ高いが?」と気になった、「4DXとはなんだろう?」とあまりわからずにとりあえず席に座ってしまいました。
上映がはじまって突然椅子が動き出して驚きました。なんか宇宙の映像に合わせて座っている椅子がグリグリ動いて、傾きですべり落ちそうになります。ここでやっと、とんでもない乗り物に乗車してしまったことに気がつきました。そして、もう後戻りはできないのでした。
映画がはじまると、なんてことのない魔法使いのガンダルフが馬車に揺られているだけのシーンで、馬車と同じリズムで私の座っている椅子も揺れます。さらには、村の祭りで花火があがるシーンでは斜め右上あたりでフラッシュがビカビカしてやたら眩しいです。悪のサウロンとかの不気味なシーンではスクリーンがある前面の左右から煙がブワッと出てきて、一時スクリーンが見えにくくなります(小劇場の演劇を思い出した)。さらにさらに、雨の中を待ち合わせの酒場に行くシーンでは頭から霧吹きみたいに水が散布されるのでした。
あまりに過剰です。もういいから静かにスクリーンに集中させて欲しいです。実際上映30分くらいで少し車酔いみたいになって、これであと3時間もつのかが心配になりました。
ピーター・ジャクソンが「ここでこう揺らして、頭から雨をジャーッと降らして」なんてやってるなら喜んで体験するのですが、おそらく全然そういうことではなくて、4DXの担当の人が仕事で設定しているのだと思われます。
正直言って映画を観るのに邪魔に揺れるところも多く、激しい戦闘シーンなんかになると後ろから蹴飛ばされているような衝撃が背もたれから飛んできて、後ろから蹴られているのかと勘違いしそうになりました。
ここままでやっていただいて申し訳ないのですが、今回の上映(車で3時間かけて行った四国の愛媛県)のお客さんは(旅の仲間よりも少ない)5人です。空席の前の列の椅子が健気に動いているのを見ると、「見てるお客さんだけを手動で動かしたらいいんではないか」などと思ってしまいます。
なんか「匂い」みたいな噴射もあるように感じたのは気のせいでしょうか。毒の沼地で腐ったような臭いを噴出されたりしたら、きっと乗り物酔いにどどめを差しかねないでしょう。
クライマックスでは旅の仲間が坑道を通ってバルログという怪物と戦うシーンがあります。ここでは椅子が動くのが効果的でした。崩れそうな石の階段が揺れるとこっちまで映画の中に入っているような、椅子から落ちたら奈落の底まで落ちるような気になりました。ここの場面では椅子が動いていることを一瞬忘れてしまったくらいです。
他のおとなしいシーンではずっとやさしく肩揉みでもしてくれても、私はよかったようにも思えます。
映画が終わってから手元にボタンがあったのに気がつきました。どうやら「水の噴射を止めるスイッチ」を押すことで水を止めれたようです。あまりに水のシーンが多くて、途中から帽子かぶって防いだりして、服をさすると濡れているのがわかるくらいであったので、次回からは「水を止める」ことも考えようと思います。
3時間28分のバージョンはとてもいい流れで編集されていました。お話の最後にわかるようなシーンもあったのにはじめて気がついたりしました。このバージョンを大きなスクリーンで観れたことはよかったと思います(IMAXの方がよりよいですけど)。
しかし、3の『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』はなんと4時間13分もあるのです。これは身体がもつかが心配です。トイレ休憩もないので水分の摂取を最低限にとどめた方がいいでしょう。途中で具合が悪くなっても、椅子の動きを止めるようなボタンはないですし、ゆっくり肩揉みモードみたいなモードもありません。4DXで観るなら、しっかり体力がある状態で挑まねないといけません。