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どれから見るかスパイダーマン

1.マーベル映画って何?

「マーベル映画ってなに?」と聞かれたので、私は「あれはアメコミ(アメリカの漫画)だろっ」って答えた。
「漫画じゃなくてアニメでもなくて映画なんだろ」と言うので「そうか言い方が違った、最大級にお金をかけて有名どころで作った、アメコミ原作を実写化した映画」ではないだろうか。
「日本だったらワンピースとかドラゴンボールとかが、実写になったようなもんか。でもって綾瀬はる○とか佐○ 健とかが出てくるという」というのは、まあそれでいいかと思う。

2.どこから見るかスパイダーマン?

「どっから見たらいい?」と聞かれても困ってしまう。「繋がっているから、今最新の見るより、何作か前のから見た方がより楽しめるけど、どのヒーローが好きなの?」と聞いた。

「そうだな、とりあえずスパイダーマンかなあ」と言う。それもなかなか難しいもので、旧スパイダーマンも入れるかどうか問題が出てくる。いきなり10作品以上を見てからというのも現実的ではなく、そんなに多かったらきっと、「そんなだったらもういいや」と残念な結果になってしまうだろう。

「新しいスパイダーマンの3作は見たい」と言うので、ではアベンジャーズを見て新しいスパーダーマンを見るコースがいいのではないかと思った。
「じゃあ見る順番は?」 というので、以下の順番を組んでみた。

1『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』新スパイダーマン登場
2『スパイダーマン:ホームカミング(2017)』新スパイダーマン映画1作目
3『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』指パッチンのサノス戦
4『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前作の後編的な作品
5 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019)』新スパイダーマン映画2作目
6『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021)』新スパイダーマン映画3作目

「実はサムライミのスパイダーマンは見てた」と今頃になって言ってきた。「でもあのサムライミ版3作とは違う世界の話になるので、あれはあれこれはこれって感じでとらえてくれ」と言った。

3.サムライミ版とジョンワッツ版の違い

私はサムライミ版3作を、当時はただ楽しんで映画館で観たのである。それが今になってみると、3作目は「ちょっと見てるのがしんどいなあ」と思うようになっていた。それは途中までで見るのを止めてしまうほどで、「ヒーローになって調子にのってるピーター(スパイダーマン)が見てて不愉快」というのと「ヒロインがあまりに深刻に落ち込んでいて、見てる私も落ち込んでしまう」というのが理由であった。なかなか話が進まないのに、何度も調子にのってるピーターが出てきてテンポが悪く感じてしまったのでした(あと長いです)。

それに比べて最新のジョンワッツ版スパイダーマン3作は、マンガがそのままの実写みたいな感じで、何が起きてもさほど深刻にもならない。いくら緊急事態になってもマンガなので、その状況をどう切り抜けるのかを楽しんで見る感じになる。他の生徒たちがピーター(スパイダーマン)をバカにしても、それは陰湿ないじめみたいな感じにはならず、ドラえもんにおけるのび太とジャイアンみたいな感じに「またやられてんなあ」みたいに見れる。そいうのは学校の先生を見ればよくわかる。動きもセリフも大袈裟にコミカルで、完全にマンガの世界である。ピーターの親友も見ただけで人のよさそうなドッシリ体格。ヒロインもすらっとしてクールでカッコイイ見た目。あえてそういうマンガのノリで作っているのである。

4.マンガ映画のリアリティーライン

もともとはマンガ原作なのに、映画ということで人物をリアルに作ってたのがサムライミ版3作であった(アメージング2作も)。でも、それだと楽しむ前に考えてしまうようになっていた。
ビルが壊されると「いったい何人の人が亡くなったのだろう、それぞれ家族もいただろうに、子供とか小さかったら今後どうなるんだろうか」とか考えてしまうが、マンガなんでそんなもん深刻に考えてもらう目的では作っていないのである。娯楽作品なのである。
アベンジャーズなんかでは数千人、数万人単位で人が亡くなったりするので、あまりに『現実に寄せたリアル』では心が痛みすぎる。だから、『マンガの世界のリアル』になっていったのであろう。
映画の中でも、普通に働いてるお父さんが失業すると深刻な事態である。だけどアイアンマンのトニー・スターク社長が解任されても失業しても「どうやってこのピンチをひっくり返すのか」で見るので、深刻な事態には感じない。

「マーベル映画って映画?」という問いであるが、「究極のエンターテイメントを目指して作られた映画」であろう。なにか伝えたいことを伝えるために作られた映画ではなくて、「誰もが退屈しないで、観て楽しめるのを目的に作られた、遊園地のアトラクションみたいな映画」だと思う。だから、楽しみたい時に楽しんで見たらいいと思う。

あの旧スパイダーマンと作ったサムライミ監督も、新しいマーベル映画の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022)』を作ってヒットさせた。きっとかつてスパイダーマンと作ったサムライミとは違って、作り方を変えて挑んだんではないかと思う(あと最近のマーベル作品はコメディとかホラーとか、別のジャンル作品に仕上げてくる)。
でも私はそれを見る心の準備がまだできてなくて、映画館では見なかったのでした。以下予告です。


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