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実践形式で学ぶ、もう間違えないIDの計算方法(練習問題付)
どうも、はじめましての人ははじめまして。そうでない人はこんにちは。けいがと言います。なんだかんだ長くMTGの大会に参加し続けています。
本日は、MTGのスイスドローの大会に参加する際に忘れてはいけない概念、インテンショナル・ドロー(ID)について、少し語りたいと思います。今週末には「プレイヤーズコンベンション千葉」もありますしね。
はじめに
藤本岳大のはまち式ID講座~確実に決勝ラウンドに行くために~
IDについては、プロプレイヤーの津村健志や藤本岳大による素晴らしい先行記事がありますが、どちらも公開されてから時間が経っており、その間にMTGの大会のシステムが変わりました。大きく変わったことといえば、大会結果の管理に「Magic: The Gathering Companion」や「Melee」が使われるようになったことが挙げられます。これにより、スタンディングを手元で確認できるようになりました。
私はそれなりに長くMTGの大会に出続けているので、IDをする機会もそこそこありました。IDをする/しないの判断についてもそれなりにしてきたつもりです。ラウンド間にIDやベスト8のライン計算を聞かれることもあり、こういったことは言語化しておいたほうが人の役に立つかなと思ったので、今回こうやって記事を書いています。
この記事で、
「IDすればトップ8だったのに、よくわからなかったからガチって負けてしまった」
「最終戦で知り合いと当たって疲れてたから適当にIDしたら9位と10位になってしまった」
「IDすればベスト8に入れそうだけれど、仕組みをよく理解できていないから、相手にうまく説明できずIDできなかった」
「対戦相手に『絶対大丈夫です』と言われてIDしたら自分だけトップ8に入れなかった」
といったことが少しでも減ることを祈っています。
そもそもIDとは
IDとは“インテンショナル・ドロー”の略であり、「同意による引き分け」を意味します。
2.5 ゲームまたはマッチの、投了または同意による引き分け
マッチの結果が記録されるまで、プレイヤーは投了したり、双方の合意の元でそのゲームやマッチを引き分けにしたりすることができる。投了するプレイヤーが1本でも勝っていた場合、マッチの結果は2-1となる。1ゲームもプレイせずに同意による引き分けにした場合、イベントリンクでは0-0-3として報告する。
「なぜわざわざそんな面倒くさいことをするの?」と思われるかもしれませんが、これにはスイスドローのシステムが深く関係しています。スイスドローでは勝つと勝ち点が3、負けると0、引き分けだと1が加えられます。負けると勝ち点が貰えず、3点差のプレイヤーに追いつかれてしまうと考えると、「お互い引き分けにして1点を加算して順位を保持する」という選択は有効ですね。そのためのIDというシステムであり、ベスト8が確定するスイスラウンドの後半戦によく行なわれる光景です。
それ以外にも、「最終戦前に知り合いと当たってしまったので、IDしてお互い最終戦に懸ける」、「勝ってもベスト8には入らなさそうだけど、IDすれば12位まで貰えるプロツアーの権利が確定する」などのケースがあります。ただ、基本的に引き分けは「1点も加算できる」のではなく「1点しか加算されない」ので、序盤でIDをする意味はありません。私は昔、大会の2試合目で知り合いと当たって、相手のデッキが自分のデッキに有利な構成なのを知っていたのでIDを申し出て、結局お互いベスト8に残れなかったことがあります(笑)。
IDよりも前に
大会に参加するにあたって、最終戦の直前になってIDをするかどうかを考えるよりも前に、やっておきたいことがあります。それは、ベスト8のラインがどうなるかをあらかじめ調べておくことです。
幸いなことに、有志の方々が有益なアプリをいくつか作成してくれています。ラウンド間の暇な時間で、計算しておきましょう。
個人的には「Swiss Triangle」のほうが好きです。規模がそこまで大きくないイベントで、手計算(と言っても四則演算程度)ができるなら、こちらのほうがより正確にベスト8までの推移を計算できます。
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例えば、参加者31人のスイスドロー5回戦の場合、3回戦終了時点で3-0が4人、2-1が12人となります。3-0の4人がIDすると、4回戦終了時には3-0-1が4人、3-1が6人になります。5回戦で全員がIDすると3-1-1以上が10人になるので、2人落ちるなら逆算してOMWP(オポ)が低い3-1どうしの組み合わせの2試合はガチる必要があるな、というのがこの画像だけでわかります。
こういったことをあらかじめ計算しておけば、最終戦前に慌ててIDできるかどうかを計算をする必要もなくなります。難しいものではなく、慣れれば誰でもできる範囲のものですので、小さな大会でも練習を兼ねて毎回計算するクセをつけておきたいですね。
計算の手順
では、実際に計算してみましょう。例として、参加者50人、6回戦の大会を想定します。
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まず、4回戦終了時点の人数を確認します。今回の場合、4-0が4人、3-1が12人というのが表からわかります。ここで4-0の4人が全員IDすると、4-0-1の13点のプレイヤーが4人になります。3-1のプレイヤーは12人が全員ガチるしかないので、4-1の12点のプレイヤーが12人の半分、6人になります。これらの人数は最大値で、実際にはIDではなく普通に引き分けが発生して、これより少なくなる場合もあります。
5回戦終了時点での勝ち点の並びはこんな感じになります。慣れないうちはメモ帳などに書きながら考えたほうがやりやすいです。また、オポなどについては一旦気にしないで大丈夫です。
13
13
13
13
12
12
12
12
12
12
9
以下略
最終戦は基本的にスタンディングの上から順に組み合わせが組まれるので、最終戦の当たりは以下のようになります。
13-13
13-13
12-12
12-12
12-12
9-9
以下略
順を追ってやっていきましょう。まず、IDすることによってベスト8に入りうるプレイヤー、今回ですと12点以上が全員IDすると仮定します。今回の例ではいませんが、10点のプレイヤーがいたら、そのうちの半分の人数が勝ったと計算します。10点のプレイヤーが9点のプレイヤーと当たっていたら、10点のプレイヤーが勝つと想定します。要するに、起こりうる一番悪い条件を考えます。
今回の例では、スタンディングはこうなります。
14
14
14
14
13
13
13
13
13
13
12
以下略
ここで13点以上が8人以下ならば話は早いのですが、今回の例では10人いますね。ということは12点全員はIDできないということがわかります。
では何組がIDできないかと考えると、これは単純です。ベスト8に対して10人いるわけなので、その差である2組がガチることになります。すると、想定されるスタンディングはこうなります。
15
15
14
14
14
14
13
13
12
以下略
あとは、自分と同じ点数のプレイヤーの中でのオポの順位を考えます。今回の例だと、12点どうしのマッチのうち、3組中2組はガチることになるので、オポによる順位が高い組み合わせとなった1組がIDでき、残りの2組がガチることになります。もちろん、この2組もIDをすることは可能ですが、現時点のオポで負けている以上、タイブレーカーになった場合に単純に不利で、IDした2人のうちどちらかは9位になってしまいます。よほどのことがない限りは、普通に試合をしたときの勝率のほうが、IDしたときに残れる確率よりも高くなるでしょう。
ここまでが基本の形です。ここに引き分けラインのプレイヤーが何人いるかなどを追加で考慮していくわけですが、やること自体は変わりません。手順の流れをしっかりと理解しておきましょう。
知っておきたいこと
■X-0-2はだいたい抜ける
2日制の大会とかはまた別ですが、例えば7回戦の大会で5連勝したら残り2試合はIDして、5-0-2になればトップ8に入れることがほとんどです。これは、参加人数とラウンド数の関係によるものです。しかもこの場合、6回戦でIDすれば7回戦で順位をさらに上げるためにガチる、みたいな選択も選ぶことができます。
例外として、Byeをもっている人数が多く、参加者がラウンド数が増えるギリギリのラインのときは、ベスト8に残れない場合があります。特に、8〜9回戦の大会で発生しやすいので、そういったときはしっかりスタンディングを確認しましょう。
目安としては、7回戦の大会で5回戦終了時に5-0が4人、4-1が16人以下なら5-0は全員がIDでベスト8を確定できます。逆にそれ以上いる場合は、IDしても最終戦をガチることになるかもしれません。
まあ、いずれにせよ全勝しないことには話は始まらないんですけれどね……(笑)。
■他の卓の結果を見てからIDしてもよい
5.2 買収
プレイヤーは他のマッチと関連して同意を導いてはならない。プレイヤーは他のテーブルのマッチやゲームの状態を見て判断しても良いが、マッチ中に席を離れたり、この種の情報を得るために過剰な努力をすることは認められない。
ちょっと意外かもしれませんが、隣の試合の結果を見てからIDをする/しないを決めても大丈夫です。例えば、IDすると4人のうち誰か1人落ちるからガチっている2卓があって、片方の試合が終わったあとに、その結果を隣で見ていたもう片方が試合途中でIDするのは合法です。わかっていないとできないですが、たまにあるシチュエーションです。
こういったことを防ぐために、昔のPTQなどは最終戦のみランダムな席順になっていることがありました。私は今の地域チャンピオンシップ予選などに参加していないのですが、今でもあるのでしょうか?
■最終戦にガチって勝つとオポは下がりやすい
最終戦、例えば勝ち点18点の人と15点の人が階段当たりした場合、15点の人はIDを受ける理由がないためガチることになります。15点の人が勝つと18点で並ぶわけですが、この場合、どちらのオポが上がりやすいでしょうか?
答えは負けた18点のプレイヤーです。理由は簡単、今まさに対戦相手が勝ったわけなので、対戦相手の成績を意味するオポは当然上がりますよね。逆に15点のプレイヤーは対戦相手が負けたわけなので、オポは下がりやすいです。
もちろんそうならない場合もありますが、スイスラウンド終盤は負けるとオポが上がりやすいのは間違いのない傾向ですので、最終戦、階段当たりで負けても諦めないでいましょう。
■オポは1試合ではそこまで変わらない
1試合で変動するオポは、6〜7回戦くらいの大会だと変動があっても3〜4%くらいです。2人のプレイヤーに対して、1人は3%上がる、もう1人3%下がる、なんてこともありえます。すると5%くらいの差はギリギリ逆転されうるので、そこは気をつけましょう。逆に言うと7〜8%離れていれば安泰と考えていいでしょう。
「オポがほぼ同じくらいで、IDした上で他の卓の結果によってはどちらかが落ちる」みたいなややリスクのあるIDの場合、7〜8%の差があれば逆転されないと想定されますね。まあ、その場合はそもそも対戦相手のほうがIDを受けてくれないと思いますが。
「IDはリスクをとってやるものではなく、安全にお互いの順位を確定させる手段」ということはしっかりと覚えておきましょう。
ちなみに、ここまでの説明にあまりオポについての内容が出てこなくて、不思議に思っている人もいるかもしれません。実際のところ、IDをしてベスト8に入れるかどうかを考える際には、オポよりもスタンディングを正確に予測できるかのほうが大事です。オポは自分がコントロールできない部分ですので、気にしても仕方ありません。
練習問題
ここまでの内容を踏まえて、練習問題を解いてみましょう。IDの計算の手順のおさらいです。
IDすればベスト8に入りうるプレイヤーが全員IDすると仮定する。
勝てばベスト8に入りうるプレイヤーの最大数を計算する。
これらを踏まえて最終戦後のスタンディングを予想する。
IDをしたラインのプレイヤーが全員ベスト8に入れているのなら、全員IDができる。入れていないなら、入れなかった人数と同じだけガチる卓が出てくる。
以下の練習問題は、すべて実際のテーブルトップの大会の結果をMeleeから引用しています。画像の情報量が多いので、クリックで拡大してよく確認してください。
■問1
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Q. 最終戦前のスタンディングは以上のとおりである。この場合、IDをすることでベスト8入りを見込めるプレイヤーは何人か?
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A. 8人。
8位と9位の差は勝ち点3点差。つまり、8位がIDすれば9位が最終戦で勝っても逆転するのは不可能です。そして、スイスドローは基本的に上から近い点数の人と当たっていくため、最終戦の当たりは以下のようになります。
30-28
28-27
27-27
27-27
24-24
こうなると、上4卓は全員IDで確定という状態になります。27-24という当たりにはなりません。
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実際の結果でも、IDによりキレイにベスト8が決まっています。最も簡単なパターンですね。
■問2
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Q. 最終戦前のスタンディングは以上のとおりである。この場合、IDをすることでベスト8入りを見込めるプレイヤーは何人か?
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A. 6人。
想定される最終戦の当たりは以下のようになります。
28-27
28-27
27-27
27-27
25-25
24-24
ここで、上4卓がID、25-25がガチると、29点が2人、28点が7人となり、28点が1人ベスト8に残れなくなります。25点の2人はガチる以外の選択肢がないため、27-27の2卓のうちのオポが低い組み合わせになったほうがガチることになるでしょう。「IDしてベスト8に入れない人数=ガチる卓数」ということを思い出してください。
なお、これは9位と10位が最終戦で当たっているという前提です。もし、このラウンドまでに9位と10位が当たっていた場合、この当たり方にはならず、最終戦の当たりは以下のようになります。
28-27
28-27
27-27
27-27
25-24
25-24
この場合、28点が更に1人増える可能性が出てくるため、27-27の2卓は両方ガチったほうがよいという考えもありますし、25-24の2卓で25点が両方勝つ確率は25%程度ということを考えるとIDするという判断もなくはないです。ただし、これはかなり応用の範囲ですので、参考程度に覚えておくにとどめておきましょう。
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実際の結果では、やはりオポが一番低かった1卓がガチり、計算した通りに28点がボーダーになりました。
■問3
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Q. 最終戦前のスタンディングは以上のとおりである。この場合、IDをすることでベスト8入りを見込めるプレイヤーは何人か?
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A. 4人。
想定される最終戦の当たりは以下のようになります。
24-22
22-21
21-21
21-21
21-21
21-21
18-18
21点以上が全員IDすると仮定すると、22点以上が12人となるので、4人落ちる計算になり、21点どうしの4卓はガチる必要があります。というわけで、22点のプレイヤーと当たった幸運な21点のプレイヤーが1人だけIDできます。
逆に、21-21のどこかがIDすると、22点となった3人のうちのオポが一番低いプレイヤーが落ちる計算になります。やらないほうが無難でしょう。最終戦は上から順に組み合わせが決められるため、22-21の21点のプレイヤーがオポが一番高いからです。50%で落ちると仮定して、相手のデッキを知っていて50%も勝率のなさそうな相性の悪いマッチアップだったらIDしてもいいでしょう。
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実際の結果も、21点で上当たりした1人がIDできて、22点で想定通り滑り込んでいます。
■問4
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Q. 最終戦前のスタンディングは以上のとおりである。この場合、IDをすることでベスト8入りを見込めるプレイヤーは何人か?
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A. 4人。
下のラインに3点差をつけている、IDすればベスト8が確定するプレイヤーは5人います。が、残念なことにそのうちの1人は確実に下当たりとなるため、ガチることになります。その下の30点は18位までおり、半分が勝って7人。IDできる4人と足しても11人ですので、ガチってもなお何人かはベスト8に残れない計算です。仮に30点が全員IDすれば4人前後はベスト8に入るでしょうが、残りのプレイヤーはベスト8に入れません。IDするわけがないですね。
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実際の結果でも、IDできた4人はベスト8に入っています。30点から勝った33点のプレイヤーは何人かベストに8に入れておらず、これも予想通りですね。
■問5
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Q. 最終戦前のスタンディングは以上のとおりである。この場合、IDをすることでベスト8入りを見込めるプレイヤーは何人か?
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A. 8人。
想定される最終戦の当たりは以下のようになります。
22-21
22-21
21-21
21-21
19-18
IDした上での最悪のパターンを考えると、こうなります。
23
23
22
22
22
22
22
22
22
21
ここでようやくオポを考える必要が出てきます。今回の場合、21点のなかでオポが最も低いプレイヤーが54%、19点のプレイヤーのオポが50%ですね。「最終戦でガチって勝つとオポは下がりやすい」と「オポの変動はあっても3〜4%程度のことが多い」ということを踏まえると、19点のプレイヤーが負ける可能性があることも考慮にいれて、8位のプレイヤーもIDできると判断していいでしょう。
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実際の結果では、19-18で18点のプレイヤーが勝ったため、22点がキレイにボーダーになりました。8位のプレイヤーのオポは56%まで上がっているので、仮に19点のプレイヤーが勝っていても逆転は難しかったでしょう。
■問6
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Q. 最終戦前のスタンディングは以上のとおりである。この場合、IDをすることでベスト8入りを見込めるプレイヤーは何人か?
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A. 6人。
ポイントの状況は問4とほぼ同じです。ですが今回はオポの状況が違います。8位の36点のプレイヤーのオポが59%、9位の34点のプレイヤーのオポが69%とかなり差があります。この場合、9位が最終戦の階段当たりを勝つと、順位は逆転してしまうでしょう。なんなら7位も62%なので、ここも逆転されてしまう可能性があります。すなわち、この7位と8位の組み合わせはIDしてもベスト8が確定するわけではない、ということです。
もちろん、34点のプレイヤーが負けると仮定するならばIDできますが、「勝敗については最悪のケースを想定する」という大原則を思い出しましょう。50%の確率で落ちるなら、50%の勝率に望みをかけて最終戦をガチったほうがよさそうですね。ただ、問3と同じく、勝率が50%もなさそうなマッチだと事前にわかっているならIDをする判断もなくもないです。

実際の結果では、7位と8位はガチって勝ったほうが1位抜け、9位だった34点のプレイヤーは最終戦を勝って5位まで順位を上げています。
■問7

Q. 最終戦前のスタンディングは以上のとおりである。この場合、IDをすることでベスト8入りを見込めるプレイヤーは何人か?

A. 4人。
最終戦の当たりは以下のように想定されます。
36-34
34-33
33-33
33-33
33-31
31-31
31-30
上位2人はIDでベスト8が確定です。また、33点は9位までいて、31点も4人いるので、33点どうしの当たりはIDできません。問題は、3位のIDの提案を、33点の4位が受けられるかです。
ここから最終戦後のスタンディングを考えます。36-34がID、33-33より下が全部ガチった上で一番条件の悪いパターンを考えると、以下のようになります。
37
36
36
36
35
35
34
34
34
33
34点が1人落ちる計算ですので、オポを確認しましょう。33点でIDすると仮定したプレイヤーのオポが63%、31点からガチるプレイヤーのオポが最高で63%、最低で61%です。34点以上が9人になるパターンは、31-30で31点が勝った場合であり、この場合の31点のプレイヤーはオポ最下位のはずです。最終戦はスタンディングの上から順番に当たるということを思い出しましょう。
この場合のIDはやや際どく、少しですがリスクがあります。IDできると考える人もいれば、「2%は逆転されうる」と判断してガチるのも間違いではないでしょう。私の考えとしては、IDすれば順当にいけば7位、9位になるのはオポが2人の「両方」に逆転された場合のみです。そもそも31-30の当たりで30点側が勝つ可能性もあるわけなので、「IDできる」と判断します。

実際には、34-33の卓はガチり、33点のプレイヤーが勝って2位まで順位を上げています。最終結果のオポを見る限り、IDできたとは思います。
構築戦におけるSEの先手後手はスイスラウンドの順位によって決められます。「IDしても確実にベスト8に入れるわけではないのなら、ガチって上位抜けを目指す」のも、実戦的な選択肢ですね。
おわりに
というわけで、IDとスタンディングの計算についてでした。これらの内容はトーナメントに出るうえでは絶対に知っておきたい知識なのに、特にここ数年の内容はどこにも記事としてまとまっておらず、せいぜい口伝でしか伝わってなかったので、自分の中の蓄積した知識を元に書いてみました。需要がどこまであるかわからない中で書いたので、もし参考になったという人がいてくれたら嬉しいですね。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。質問等ありましたらコメントか、X(Twitter)またはBlueskyでのリプライでお願いします。
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