【3分で読む企業分析】おかしのまちおかはなぜ安いのか?① "垂直統合モデル"
先日、試験勉強をしていると、無性にビザポテが食べたくなってきました...。コンビニに買いに行くと、なんと140円。「なんか高いな...。あ、この近く"おかしのまちおか"あるじゃん!そっち行こう!」ということで移動すると、みんな大好き"おかしのまちおか"で無事、80円台のピザポテを手に入れることができました。
美味しくピザポテを頬張りながら、ふと思うわけです。
なんでこんなに安いんだ...。
そこで今回はおかしのまちおかを運営する『株式会社みのや』の企業分析を行うことにしました。
おかしのまちおかの2019決算(株式会社みのや)
売上高:約200億円 / 当期純利益:1億円 / 利益余剰金:9.7億円
結論 : おかしのまちおかの値段が安い理由とは?
みのやが運営する『おかしのまちおかの安さの秘訣』は、主に以下の三つに分けられると思います。
1. 原価を徹底的に抑える
特に、バリューチェーンの統合によって原価を抑えることに成功しています。
2. 販管費を徹底的に抑える
店舗サイズを小さくして家賃を下げるなど、多くの工夫がなされていることが分かります。
3. 売上を増やす(薄利?)多売
売上を増やすことによって、低い利益率でも利益をあげています。
それぞれさらに詳しく見ていきましょう。
1. 原価を徹底的に抑える
まず、お菓子のまちおかが原価を抑えられる秘訣は三つあると思います。
i. 元卸の強みを生かしたバリューチェーン垂直統合
ii. 大量入荷の実現
iii. プライベートブランド(PB)の開発・製造
1-i.「バリューチェーン垂直統合」
〜おかしのまちおかは卸売業者だった!?〜
おかしのまちおかのwebサイトを確認すると、「みのや」は1954年にお菓子の卸売から始め、1997年に小売事業を開始してます。元卸売として、製造元メーカーから直接仕入れるコネクションやノウハウがあったと考えられます。卸売と小売を統合する事で、まず第一に安い値段で仕入れられます。
小売のバリューチェーンは例えば以下のようになっていますが、この仕入れ〜販売までのバリューチェーンを垂直統合し、自社で担う事で最適化を行い原価を抑えています。
また、バリューチェーンを統合する上で必要不可欠なのが物流システムです。おかしのまちおかでは独自の物流システムを持ち、さいたま・横浜・鈴鹿の3箇所に物流拠点を持っています。メーカーの製造拠点と小売店舗、地価などを踏まえた物流拠点を用意していると考えられます。
このように、小売業からバリューチェーンを垂直統合し成功している企業は他にもいくつかあります。ユニクロやニトリは、卸だけでなく製造まで統合する「SPA(製造小売)モデル」によって企業成長を達成しています。
コラム:じゃあ卸売を始めるにはどうすればいいんだ?
小売と卸売を統合すれば儲かるらしい...。なら自分も何かの業種で両方やれば儲かるんじゃないか?
でも卸売ってメーカーとのコネとかが必要そう...。コネなし経験ナシでも卸売で起業とかできるのだろうか?
これらについては明日の記事で検証します。
Coming soon...自分で卸売をやるには?
1-ii.「大量入荷」の実現
おかしのまちおかは、都内66店舗・全国168店舗を展開しています。多くの販売拠点があるからこそ、大量入荷により安く仕入れることができます。
大量販売→大量入荷→もっと安く仕入れる→さらに売れる→・・・
1-iii.「プライベートブランド」(PB)の開発・製造
株式会社みのやでは、プライベートブランドのお茶やお菓子の開発・製造も行っています。つまり、バリューチェーンのさらに上流である製造業まで一部統合することで、売上原価を抑えています。
プライベートブランド(PB)のお茶
セブンイレブンなどのコンビニやイオンでも、プライベートブランドの飲食料品を製造することで利益率を上げていることは有名ですよね。
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2. 販管費を徹底的に抑える
3. 売上増加に繋がる 「100均現象」と「売れ残り商品」
coming soon...
執筆者:養田峻介 / Shunsuke Yoda
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