【脳科学で匂い効果を定量化】アース製薬と共同プロジェクトを進めた"SOOTH"のニューロマーケティング
・BrainMedia第8弾!
(脳科学のビジネス応用可能性をお届けするメディア)
今回は、TVCMをはじめとする映像制作大手であるAOI Pro.グループの子会社でもある、SOOTHについて紹介します。
1. データ解析 × ニューロマーケティング × デザイン
SOOTHは、単に脳科学活用企業であるだけではなく、映像会社の子会社でもある強みを生かしてクリエイティブ作成や顧客の体験設計まで、マーケティングに関わる幅広いソリューションを提供しています。
2. VR × ニューロマーケティング
特にSOOTHで特徴的なのが、ニューロマーケティングで脳波の測定だけにこだわるのではなく、VRも活用しながら、視線の動きなども組み合わせてユーザーの反応データを収集している点です。
SOOTHが開発した「VR ON AIR TEST」は、精神集中できるVR空間に座ってCMを視聴しながら、30fps/視野角1度以下の精度で「瞬間的にどこを見たか?」の記録、および脳波の反応から解釈できる最短1秒ごとの「集中度・興味度」などの感情に関する記録を、映像のタイミングと合わせて取得します。まさに人の直感的な反応を解析するためのツールであり、自動集計はクラウドで行うため高速処理も実現しています。
(https://www.sooth.co.jp/works/)
このように、ニューロマーケティングに、アイトラック分析を組み合わせながらデータ解析を行う仕組みを作っているのがSOOTHです。
3. 「意識とは氷山の一角」である
「意識とは氷山の一角」
このような言葉がフロイト・ユング心理学でよく使われています。人が意識して行動しているのは実はほんの少しであり、他は反射的に行われているそうで、人の活動は95%が無意識で行われているとする研究者もいます。
引用:https://www.therapy-will.jp/ishiki-muishiki
無意識で行動する人間にとって「好きなもの」であっても、何故好きなのか、何故買ったのかは自分でも良くわかりません。
良く引き合いに出される実験に、「2枚の異性の写真を見せて好みの女性を選んでもらう」というものがあります。この実験では、被験者に選んだ方の写真を見ながら選んだ後に選んだ理由を話してもらうのですが、実際に見せている写真は「選ばなかった方の女性の写真」にしてしまいます。この時、被験者は選んでいない相手なのに、何故魅力的だったかをペラペラ喋り始める。人が意識的に物事を判断できていないことを示す面白い実験です。
自分でも、良いと思った理由が分からないのなら、その人の脳や身体に聞いてみよう!というのがニューロマーケティングの試みで、氷山の一角ではなく全体を見ようとしているのです。
4. 【実例】消臭剤効果の定量化!
SOOTHが行った実証実験の中で特に面白いのが、アース製薬と共同で行った消臭剤効果の測定です。
ここでも、VRとニューロマーケティングを組み合わせた実証実験が行われています。
今までのVRを活用しない調査では、香りを嗅ぐ時に多くの方が目を瞑っていました。そうすると実際の生活環境でニオイを嗅ぐ状態とは異なり、リラックスを示すα波が優位に出てノイズとなってしまいます。VRはそれを抑制して被験者に目を開けてもらいながら、実際に部屋にいるような感覚を味ってもらうことができます。
実験の結果、お部屋のニオイを消臭すると気分の安定度が21%高まることが分かりました。これまで、主観的な評価に過ぎなかった消臭効果が客観的に示されるようになり、営業活動や今後の研究開発に有意義な結果が得られていました。
AOI. Pro
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宜しければこちらもどうぞ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?