:0年前の今: 「事業再構築」補助金
今日は特別、今のことを書きます。
現在、経産省の主導で、中小企業等事業再構築促進補助金の公募がされました。売上の下がった中小企業に対して、事業再構築をうながす初めての補助金です。しかも、中小企業に対して、6,000万円まででます。また、補助率が2/3です。つまり、1/3のお金で投資ができるわけです。しかもしかも、珍しく「建設費」までつかってくれ、という補助金です。
したがって、世の中はみなさん色めき立っています。大注目です。補助金について知らない、関心がないなどの方々が、俄然、関心を示しています。先日、大阪で行われたMOBACショーというパン屋さんや、お菓子屋さん向け設備のショーで、特設コーナーの「補助金活用相談コーナー」を開きました。なんと500名近くの方々が来られ、150名の方々と名刺交換までしました。通常、相談コーナーなるものは、人がほとんど寄り付かないものです。
しかし、先日、事業再構築についての「指針」がでました。予想に反して、非常に厳しいもので、そう簡単にこの補助金にエントリーできそうもありません。つまり、新商品であり、かつ新市場への進出する事業が対象とのことです。
これは、驚きです。商品も、市場も変えるということは、多角化ともいわれ、私の経験では”ほとんど、成功していません”。現在の経営資源とまったく関係ないところで勝負すれ、という意味になります。我々が企業様をいろいろ、診てきましたが、危機に瀕している企業で、このように新商品、新市場に進出して立ち行かないケースが多々あります。新商品でかつ新市場で成功している企業はまれです。
国がやろうとしていることは、ほとんど失敗するビジネスを売り上げの落ちている企業にお金をえさにやらせるようなものです。しかも、今年は、5万社目標です。このようなシビアな条件にして、殺到するエントリーを削減するには、効果があるでしょうが、これではつぶれる中小企業を増産するようなものです。
現在の政権が、”中小企業を淘汰する”考えがあるようですが、これでは優秀で意欲のある企業を大量に困難に突き落とすことにならないか、危惧しています。