自社エコシステムで衣服廃棄ゼロを実現。磨き上げたオペレーションを活かし新たなフェーズへ。【前編】
経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォーム「KEIEISHA TERRACE」。「Future Update」では、取材から年月が経ち、急成長を遂げた企業、上場を果たしたスタートアップなどに前回取材から今日までの歩みを改めてお伺いします。
2018年7月にスタートして以来、さまざまな経営者のインタビューを掲載してきた『KEIEISHA TERRACE』。そのなかでもとくに大きく会社を成長させたスタートアップの経営者、ユニークな製品やサービスで世の中の注目をあつめた経営者、そして読者のみなさんからリクエストが多かった経営者にスポットをあて、初回掲載時からここまでの歩みを伺う『Future Update』。
第5弾にご登場いただくUpdate社長は、現在あまたあるサブスクビジネスに先駆けて、2015年に女性向けファッションレンタルサービス「airCloset」を立ち上げた、株式会社エアークローゼット・代表取締役社長 兼 CEOの天沼聰さんです。コロナ禍のなかで果たしたグロース市場への上場、35万点以上ものファッションアイテムを扱いながら実現した衣服廃棄ゼロなど、前回掲載(2021年)以降も次々に届くホットトピックの舞台裏について、詳しくお話を伺いました。
【エアークローゼット 前回掲載からここまでの歩み】
【売上高】
出典:IR BANK
スーパーネガティブなコロナ禍で改めて認識したエアクロの強み
阿部 前回、ご登場いただいたのが2021年7月になりますが、そこから現在までの2年間を振り返ると、やはり新型コロナの影響抜きに語れない部分があると思います。ファッション業界も大きなダメージを受けたと伺っていますが、エアークローゼットさんはいかがでしたか?
天沼 ひと言で言えば“スーパーネガティブの大逆風”だったというところですね。
阿部 なんと。
天沼 エアークローゼットは「オフィスで働く女性が、職場でいろいろなお洋服を楽しめるサービス」としてつくっています。ですから、まずリモートワークが天敵でしたし、他にもネガティブな影響はたくさん受けました。一番のハードシングスは、新型コロナウイルスの実態がまだわかっていなかった当時、お客様同士でお洋服のシェアをおこなうことが、もしかして感染拡大につながるのでは?という考えにいたったことでした。
阿部 それは、サービスの根幹にかかわる話になりますね。
天沼 そうなんです。まさかコロナがそこに触れるとは思ってもいなくて。僕たちが「お客様にとって絶対の“善”である」と自信を持って提供してきたサービスが、もしかしたら“悪”になるかもしれない。その可能性がゼロじゃないと気づいたときに、「このままサービスを続けていても良いのだろうか?」 という疑問はわいてきました。サービスの根幹にある概念を否定される…そのくらいのインパクトがある出来事でした。
阿部 社内では士...
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