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ラグビーときどきひとりごと 20240211

クロスボーダー2週目、イーグルス22vs57ブルーズ、スピアーズ30vs35チーフス、けが人続出に苦しむスピアーズの善戦はいいほうに予想外、イーグルスの大敗はわるいほうに予想外。

トータルは日本1勝vs3勝NZで、ワイルドナイツの完勝と、スピアーズの7点差以内惜敗は、歴史に一歩を刻んだように思います。堀江選手のいうところの「小技」。相手から見ると、惜しそうに見えるが、惜しくない差がある。何気なく見えて、何気なくはやっていない。1つ1つのプレーで、0.1秒先回りする予測・状況判断と1cm・3cm・5cmのズレを生むスキル、それがフェイズの積み重ねで0.3秒・0.6秒・1秒、10cm・30cm・60cm・1mの差となり、結果として、「超速」に見えるということだと思います。それができる選手の数がどれだけいるかがチームとしての実力であり、結果につながります。

さて、2週目の2試合を見た感想。

イーグルスは前半10分までは優勢で、2-3度はトライチャンスがありましたが、とりきれませんでした。そこで早々に決着がついてしまったかな、と思います。以後は劣勢に回り、ときどきトライはとりましたが、ゲームの支配をとりもどすことはありませんでしたね。後半キックオフ、2本立て続けにブルーズに再獲得されたのに対し、イーグルスのキックオフは変化なく、簡単にテリトリーを戻されてしまっていました。要するに、平板に試合を進めていたイーグルスと、ここぞというときに集中力をあげてプレーに変化を出せるブルーズとの差が蓄積して、大差のスコアになったのかと。ただ、WTB竹澤選手の突破力は見事でした。ケイレブ・クラーク選手はハットトリック、2本目のスーパートライも見事でした。ただ、デビュー当時より精悍になりましたが、怪物感は減ったように感じました。

スピアーズは前半終了間際のトライで点差が開いてしまいましたが、最終的にはトライゴールで逆転できる5点差にくらいつきました。ゲーム最初の10分をしのいで、PKですが先制できたのが大きかったですね。後半の後半、9・10・15が入れ替わった後にディフェンスが甘くなっての失トライがなければ、勝利もあったかもしれません。で、10番付けた岸岡選手のスタメンを久しぶりに見ました。トライにつながるロングパス2本、キックも距離が出ておおむね効果的でした。これを機に復活・定着を期待。根塚選手は30分ほどで下がりましたが、ハイパントキャッチ、相手を仰向けにするヒット、そしてトライと、リーグワンで見るよりもハイパフォーマンスでした。それをあと50分続けられるようになれば。アーリーエントリーで出場したHO江良選手のデビューは、攻守ともに見せ所あり、惜しくもトライまであと5cm届かずでしたが(直後のトライをアシスト)、うまく代表に育って定着してくれると、この先のW杯3回(27/31/35)まで見えてきます。マークス選手(戻るのかな?)とコールズ選手、南アとNZの代表経験豊富なHOが2人いますから、彼らがいる間にどんどん学んでほしいと思います。

スピアーズはこれをきっかけに復調し、プレーオフ圏内をねらえる可能性が高まってきたのではないでしょうか。現時点で4位イーグルス18点、6位スピアーズ15点。5位ブルーレヴズ16点、7位スティーラーズ15点、8位ヴェルブリッツ14点、ここまでは混戦模様で着地はまだどうなるかわからないですね。

3位サンゴリアスは再開初戦で1位ワイルドナイツと対戦、チーム力の差が歴然としてしまいましたが、ケイン・コルビの両選手が入って、どこまで立て直せるか。4位イーグルスは休養十分の2位ブレイブルーパスとの対戦、「プライド」を示せるか。それぞれ上位チームが勝つようだと(まあ、そうなりそうな気配濃厚ですが)、1・2位はいよいよ盤石、3位以下はいよいよ混とんとしてきます。

というわけで、観る側としてはリーグワン、面白くなってきました。終わってみたら、3・4位は今とは違う可能性が高そうです。

クロスボーダーマッチの話に戻って、、、いろいろ難しさがある中で、やってみた甲斐はあったといえると思いますが、リーグワンのシーズンとスーパーラグビーのシーズン、さらに国代表のテストマッチのスケジュール等々をを考え合わせると、1つの最適解(つまりみんなが納得して合意できる形)はないかもしれません。

私案としては、6月と11月のテストマッチ期間の裏イベントで、日本流でいうところの「新人戦」みたいな感じで、「代表に選ばれなかったレギュラー選手+準レギュラークラスの若手選手」によるクロスボーダーのクラブ対戦を組むのは、選手にとっても試合経験を積め、各クラブのチーム強化上も有意義ではないでしょうか。昨年9-10月に、各国の代表から漏れたメンバーが選抜されて「バーバリアンズ」が組まれて試合やってましたが、混成チームにするのではなくて、あくまでクラブ同士で対戦。もちろん、トップ選手でベストメンバー組んでのガチンコ対戦も見たいですが、それはそれで、そのうちクラブ世界選手権みたいなかたちで実現してくれたら。

どうでもいいですが、上記からリンクをたどっていったら、今年6月のバーバリアンズのフィジーとの対戦は、ワイルドナイツのロビー・ディーンズHCが率いるそうで。

今日はこのへんで。