見出し画像

スプリントとハムストリング 〜前方からの脚のスイング・パウイング〜

ハムストリングがスプリント能力に重要であることは、僕のnoteやPITTOCKROOMをお読みいただいている皆さんにとっては当たり前のことかもしれません。

しかしハムストリングがスプリント中のどのタイミングでどのように働いているかはどうでしょう?

鍛えたハムストリングはどのように動きに繋がっているのでしょうか?

スプリント中のハムストリングの働きがわかると、なぜハムストリングが重要か、の理解が深まり、選手の動きの捉え方やトレーニングに対する視点が変わってくるかもしれません。


■スプリント中の脚の動きとハムストリングの働き

以下の図はスプリント動作を局面ごとに取り出した連続写真と、スプリント中の筋活動をまとめた図です。(ハムストリングは黄色:「大腿二頭筋」で図示されています。)

図1a スプリント走中の代表的な下肢筋活動の模式図
図1b スプリント走周期における筋活動(Mero and Komi, 1986;Novacheck, 1995:馬場ほか,2000を元に筆者作図)

引用:Rikupedia-陸上競技の理論と実際- スプリント走中の筋活動について
MC2 奥平柾道

上記2つの図からハムストリングがスウィング期後半*~支持期前半(~支持期中間程度まで)に活動していることがわかります。
*スウィング期は遊脚期ともいいます。


以下のアニメーションは上記で図示されたスプリント中の脚の動きとハムストリングの働きを理解するのに非常にわかりやすいです。

上の筋活動の図と同様にスウィング(以下:スイング)期後半から支持脚前半にかけてハムストリングが働くことが視覚的に理解できます。


ここまでの3つの図・アニメーションから、ハムストリングは

・脚が身体の前方に振り出される
・脚を後方に振り戻す
・接地して地面をキックする

の一連の流れ(スウィング期後半〜支持期前半)で働くことがわかります。


以下の動画の右脚の動きに注目してみてください。
上記で解説したスウィング期後半〜支持期前半の脚の動きをコマ送りの動画で示しています。

ここから先は

1,776字 / 3画像
この記事のみ ¥ 390

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?