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慶大2024年小論文、良問ベストは文学部!(by 独断と偏見)

毎年楽しみに待っている慶大入試ファンの一人としてひとこと言いたい!

といういつもの記事です、すみません。年に一回なので許してください。

私は慶大で出題される小論文のファンで毎年楽しみにしてます。

(毎年の口上ですが今年もまた、書いてしまいました)

今年(2024年)の文学部の出題はとても良かったです!

慶大五学部のなかで今年一番の良問だったと考えています。

逆に、評価が割れそうなのが総合政策学部です。

(直接金融にシフトして経済成長をとの無理筋の主張が入っていた)

ともあれ、今年はこのような感じ( )でした。


【 2024年・慶大入試小論文(一般)五学部の寸評 】


文:現代社会における競争について出題、文学部らしく比較文化の観点

 → 競争の長短両面から「個の重視」「負けの処理」にも及ぶ考察。

法:自由民主主義について問う伝統的出題、歴史的視点から捉えている

 → 恒例の思考の自由度が高い出題、「保守思想の父」バークが登場!

経済:自然科学社会科学を比較する珍しい出題、

 → 経済学部としては自由度が高い、経済学関連の事例を知らないと不利

総合:日本経済の低成長について、デジタル化・金融・ESG等がテーマ

 → イノベーションをもたらす3つの政策案を、その弊害とともに論じる

環境:過去の入試分析ミニ入試問題の作成が出題された

 → 環境情報らしい独創的な出題、小問が多くここ数年で最も厄介


・・・というわけで。以下、個的な見解です。

学部内で物言いがつきそうなのが総合政策学部。

金融を無理にねじ込んだ形で、低成長と金融の関係を安易に考えすぎでは。

間接金融から直接金融にシフトすれば経済成長するのですかね?

金融で成長って、シンガポールなど小国のタックスヘイブンだけでは?

ユニコーン(急成長企業)と経済成長ってかなり相関が怪しいのでは?

(ユニコーン多い中国はただいま経済悪化中、英国は低成長ですよ・・)

本来、低成長を問うなら金融より優先されるテーマあったはず。

特に人手不足、女性雇用、外国人材活用など労働分野を軽視しすぎでは。

金融を専門とする作問者がいたせいじゃないかと勘繰りたくなりますよ。

経済成長って結局、生産性と人口で決まるってご存知ですよね?

・・と心のなかで思っている教員が複数いるのでは。


ところで文学部の出題は、本文のセレクトが絶妙でした。

絶妙すぎて予備校などの模範解答がみな見劣りしそう・・

論旨が巧妙で、絶妙にバランスとっている含蓄の深い論でした!

簡単にまとめると以下のような内容です。

   ↓

①「競争=成長・革新」と考えられるようになったのは近代以降

②排除される貧困層が問題とされるようになったのは近代の欧州だった

③競争を通じ社会を良くするという考えには3つの限界あり

④ただし「無競争」にも問題点がある

⑤そもそも「競争」と「個の重視」は一体だった皮肉

⑥「競争の領域」を広げることが重要ではないか

⑦歴史的に行われてきた「負けの処理」も重要

⑧「競争」が「争い」に転化すると害が大きい

⑨「自立」「効率」の概念も見直す必要あり


相当の学識見識お持ちでないと、書けませんよこれは!

今年は文句なしに文学部の出題が一番じゃないですかね。


例年、慶大入試小論文の出題にはいろいろ言ってしまう私ですが・・

    ↓      ↓

    ↓      ↓

    ↓      ↓


ところで今回、慶大文学部の入試小論文については的中度△、

事例紹介・過去問指定では○と総括してます。

なにしろ重要テーマとして現代社会と○○を挙げてますからね!

また、○○○や○○○○により生じた問題を事例として紹介しています。

これ、競争が「争い」に転化してしまった格好の事例なんですよね。

文学部は生徒の合格率が5割近くだったのですが、役に立って良かった!


【まとめ】

今年の文学部は多角的な分析が光る出題文で、思考力が必要な出題でした。

難易度も適切でかつ自由度が高く、文学部の近年の出題で最良でしょう

今年は慶應法や経済の出題での新しい試みも注目されますが。

完成度や求められる深さという点では文学部がより高く評価できます。

過去問と時事を分析し入念に準備することの重要性も再確認されます。

次回もまた、今年のような質の高い出題に期待しています!


【解くためのヒント】

最後に今年の志望者の皆さんへ文学部2024年の問題を解くためのヒント。

①「負けの処理」より「競争の領域を広げる」の方が書き易い。

 → 文学部の過去問には後者で活用できる領域が多数ある

②「負けの処理」については必然的に歴史的考察になってくる。

 → 受験生は本文にない事例を探せないと苦しい

③「競争」をどう変えてゆくのが望ましいか、具体的に考える必要あり。

 → 安易な理想論、道徳論に陥ると評価が下がるので注意したい


これらを参考に、「自分だったらどう書くか」を考えてみて下さい!


なお大手予備校でも2024文学部の解答例だしてますが。

現役生におススメできる設問IIの例はこの大手予備校の例1です。

 ↓ ここは解答例が4つもあり受験生が参考例を自分で選べるのがいい!

https://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/24/

ただですね、解答例でフェアトレード取り上げるのはちょっと・・

○○○○や○○○の活動の方が遥かに適するのではないでしょうか。

何だか分かりますか? 一種の「負けの処理」と解釈できるものですよ)


以上です。2024年の文学部の問題を解く際には、参考にして下さいね!

ご質問などはこちらまで。 → 慶大入試小論文を13年連続で的中/ Twitter




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