世にも珍しい河童祭りの話③〜平和ステージ〜

平和ステージ周辺につくと、本部のような場所があった。

背中にでっかい文字で「スタッフ」と書いてあるおばさまたちを発見した。

しかし、目が合うものの、おばさま達は重要な話をしているようで、

なかなか話が終わることはなさそうであった。

話しかけるタイミングがわからないので、

このステージの詳細を自分で調べる事にした。

プログラムが貼ってある。

何と、きゅうりの早食い世界大会はもう終わってしまったよう。残念だ。

しかし、河童のモノマネ大会は午後から開催されるので問題ない、

どちらかというと、河童のモノマネ大会の方に重きを置いていたので、安心した。

ちょうど、そこに「おつかれー」と先輩の声がする。

振り返ると、心なしか、夜勤明けでぐったりとしている先輩がいた。

手には、すぐそばのブースのおばさまから渡されたであろう、

生ゴミを堆肥にするチラシをくしゃくしゃに持っておられ、

ぐったり感が増して見えた。

もっ、申し訳ない。

その時、思った。
 
平和ステージは、河童ステージより広く、

ステージの周りにパイプイスがおかれ、

そこでみんな屋台で買ったフランクフルト等を食べてくつろいでいた。

先輩は「この祭りは、子供会の祭りみたいだね」

と私と同じような感想をもたれていた。

そりゃ、ぐったりもしたくなる。

「すみません」と私。

とにかく、モノマネ世界大会まで、まだ時間がある。

そして、残暑の日差しは容赦なく照りつける。

モノマネ世界大会が始まるまでは、数組のバンドがでていた。

その時にでていたバンドは情熱的であったので、暑さが増した。

まはや、パイプイスはステージを見るためでなく、

食事をとるためのイスになっていた。

「何か切ないですねー」「切ないねー」という会話が続き、

さらには、そのバンドに声をかき消され、

私たちは演奏をボーと見るしかなかった。

そのバンドが終わり、他のバンドも数組でると、時間は、まだ13時過ぎ。

モノマネ大会は、14時半からの予定だ。

まだまだ時間がある。

暑いので、近くの喫茶店でも行ってみようという事になった。

だらだらと話しながら歩いていると、一つのお茶屋さんを発見した。

その店の前をうろうろとしていると、

お店の方から「中にお席がありますよーどうぞ入ってくださいー」

と声をかけられた。

さっき、通り過ぎた時に見たお好み焼き屋さんより俄然涼しげである。

私たちはその店に入った。

そして、見たこともない光景をみた。

続く

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