世にも珍しい河童祭りの話⑦〜最後の挑戦者そして、この祭りで思った事〜

最後の人は「〇〇川まゆみさん」そもそも、河童まつりが行われる由来となった、その川の名前で参加されていた。

これは、期待できる!

そこには、河童の格好をした40代くらいの女性が登場された。そう、私達が想像していたのは、こういう姿だ。

まゆみさんは、ステージを右へ左へ素早く動き、移動する時に「カッパ?カパパパ?」と言っていた。

河童の鳴き声は、カッパなのか不明だが、今までの挑戦者で一番ノリノリである。

まゆみさんは、続け、また「カッパ?カパパパ?」と続けられており、何故か語尾はずっと疑問系だ。

またまた、これも不思議なのだけど、まゆみさんの気持ちが上がると、観客席の温度が下がってしまっていた。

私も何故だがわからないが、見ていると、恥ずかしい気持ちになってしまい、まゆみさんを直視できない。

まゆみさんの勢いがついてきたところで、司会者が「しゅーりょー」と大きな声で止めた。

私はそれをみて、安心した。あのままでは、みんなが下を向き凍りついてしまう。

「これは、ボクシングで例えると、白いタオルを投げる行為と一緒ですよね」と私。

「あれ以上、やっては行けないという事だね」と先輩。

注目の判定は、
チャンピョン2票
挑戦者1票


優勝はチャンピョンの子供3人組になった。

その瞬間、チャンピョンの男の子が起きた。

帰りながら、「いやー言葉を失うねー」と先輩。

「もはやフォローの言葉が浮かびません」と私。

河童祭りを振り返ると、規模は子供会のお祭りであり、その中でも少々残念なお祭りであったが、その残念な感じがおかしく、たくさん笑った。

また、世界大会と言ってしまえば、子供会のお祭りでも、世界チャンピョンになれるのだとわかり、何だか前向きにもなれた。

近所でもないし、子供がステージで踊るわけでもない大人が、わざわざ来たのは、私達ぐらいであろう。

このような祭りを楽しんでくださった先輩(夜勤明けだったのに)のおかげで、楽しめた事が大きいのだと思う。

お金もかけていない、お洒落な要素もない、また炎天下という、どちらかというと悪いコンディションだったが、一緒に楽しんでくれる人がいるだけで、河童祭りが何倍にも楽しい思い出となり、こうしてエッセイに書き残したいくらいの思い出となった。

その後も、先輩とは、いろいろなくだらない事をした。

残念社という神社へ初詣に行き、正月早々、先輩は事故にあったり、犬に吠えられたり、大量のからすに鳴かれたりした事も、今となっては良い思い出であり、思い出すだけでも笑える。

そして、数年経った今でも、その話をして笑いあっている。

有名人が来るわけでもない、計画性もない、かっこいいイベントでもない、ただ同じ時間を一緒に楽しんでくれる人がいるだけで、人生が豊かになるな〜と、河童祭りに行って思った。

そして、今でも先輩とはくだらない話のやりとりをしている。大人になっても子供のときのように、自分の面白いと思っていることを、面白いと思ってくれる人の存在って有り難いし、素晴らしいなぁと思う。

何か、毎日がつまらないなぁと思っている方は、思い切って近所のお祭りに、この人なら楽しんでくれるかな〜と思う、友達や家族を誘っていくと、思わぬ楽しみや、おかしさを見つけられ、後々もずっと笑い合える素敵な思い出になるかもしれない。

そこには、一緒に面白いと思えるマインドさえあれば良いのだから。

終わり

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