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4/4/2022 ひとりごと

先日のこと。道を歩いていたら、犬を連れた60代位の女性とすれちがいざまに彼女の犬が私にワンワン吠えかかった。私は、” I think I made her scared. I’m sorry.”(「怖がらせちゃったみたい。ごめんなさいね。」)とご挨拶がわりに言ってみた。そうしたらその女性が、” No!You are not scary, sweetie.”(「いいえ!あなたは怖くなんかはないわよ、スウィーティー。」) となんとも優雅で優しい口調で返してくれた。

その時、なんて言うんだろう。この女性のなんとも気の利いた返事にとても心が動かされた。その表情といい、言葉の抑揚といい、とにかくとてもエレガントで、相手をフッと持ち上げる様な立ち居振る舞いだった。そう、全然わざとらしさが無かった。不覚にもウルウルしそうにまでなってしまった。そして、やっぱり欧米の人は他者とのコミュニケーションが上手いと改めて感じた。

きっと今、彼女はとても充実した日々を送っているのだろう。一瞬一瞬をキチンと感じて生きているのだろう。たった10秒ほどのやり取りだったけれど、ハッキリとそう感じた。それと同時に私もこうなりたい、そしてこう言う人たちに囲まれたい、と切に思ってしまった。

彼女と犬と別れてから考えた。「こうなりたい。」「ああなりたい。」ってどう言う事だろう?自分の理想の姿、未来を想像してそれに近づく努力をする事は良い事だと思う。向上心とでも言うのかな。でも、そう思っている限り、「今の自分」がちょっと可哀想な気もしてきた。どんな状態でも、当たり前だが今の自分は紛れもなく自分そのものなのだから。自分が自分を1番に思わないでどうする?

犬も猫もパンダもライオンも「ああなりたい。」なんて思わずに生きていると思う。(たぶん。)過去とか未来とか理想とか気にして生きているのはきっと人間だけなんだろう。まぁ、言葉を話すのも、大脳が発達しているのも人間だけだから(たぶん。)当たり前と言ったらそうだけど。

20数年前ハワイと言う新しい土地に移り住んで、外国人になって、妻だったり嫁だったり、母だったり色々になって、そのどれもあまり上手く立ち回れなくて、他所を見ては「ああなろう。」「こうなろう。」と常に思って、いつも試行錯誤していた。そして私はずっと「私」と言う、もう出来上がった存在をその間、忘れていた様に思う。そんなこんなしているウチに、子供達は巣立つし、世の中はヤラセのパンデミックで大騒ぎするしで、ぼやぼやしていたらこのままお陀仏に成りかねない。

恥ずかしがりで、人見知りが激しくて、極度の口下手で、内向的で、臆病で、でも内心ものすごく情熱があって、お人好しで、結構皮肉屋で、音楽が大好きで、心の奥の方では常に楽天的なのが私。(もっとあるかも。)この唯一無二の「私」をもう少し前に出して楽しんでみようと思う。あんまり自分にハッパかけてばかりじゃ疲れるし。

自分を縛るのは他でもない自分の思考。身の回りの事実は考え方1つでその意味も変わる。それにもしかしたら、こんな私を見て、「ああなりたい。」なんて思っている人がいるかも知れないしね!

空の巣症候群真っ只中、中年女のひとりごと。

あ〜、この頃は私、空の巣だったんだ!(10/24/2022 追記)

ありがとうございます♪


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