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自転車競技選手の喘息

■初夏から調子を落とす

(長文です。同じ症状の方の参考になればと書き留めます)
思えば昨シーズン(2023年)も夏前に調子がガックっと落ちた。
その時は頑張り過ぎてオーバートレーニング症候群?と結論づけし、過去下記の記事を書いています。

過去記事①:オーバートレーニング症候群?
過去記事②:オーバートレーニング考察①【睡眠】

今シーズンは春先からあまり良いコンディションではありませんでしたが、

●2024/2 Jプロツアー第一戦「JBCF 鹿屋・肝付ロードレース」:13位
●2024/3 西日本チャレンジAE:12位

と、それほど悪くない結果でした。
ところが、少し暑くなってきた初夏 4月、5月くらいからパフォーマンスは急落!

■血を吐く

トレーニングはしているのに、一向に調子が上がらない。
5月の県選手権トラックはまともに走れない。
ロードはそれほど強度が上がっていないのに、レース中何度も吐いてしまい、血を吐くほど。(これは吐きすぎて喉が荒れた模様)
原因がまったくわからない状態。
このあと数試合こなすも最大心拍の80%くらいを超えると吐き気が出てまともに走れなくなる。
そして、6月中旬、トレーニング中に強く不調を感じてきたので、かかり付けの病院に相談。
喘息ではないかとのことで、吸入薬「レルベア」を処方される。

症状的にはこんな感じ
→強度を上げ心拍が高くなると息が吐けなくなる。
(=吐けないので当然吸えない)→呼吸困難
→息が苦くなり、咳き込み、最後は吐く。
→数分間、呼吸を整えたら問題なくなる。

一般的な喘息のイメージのヒューヒュー、ゼーゼーは全くない。
普段の生活では喘息を感じない。

処方されたレルベア(ドーピングをクリアしています)

■レルベア吸入

吸入をすると嘘のように、世界が変わったかのように空気が吸える。
いままで普段から吸えていなかった事実にびっくり。
吸入後初トレーニングは快調で喘息の発作は出ず!
2日目は少し息苦しさを感じたが、その前より格段に楽。
そして吸入3日目にはレースに出走です。

吸入3日目レース
●九州選手権ロードレース:4位
※発作は出なかったので終始調子よく、スパークル、キナンのスプリンターにゴールスプリントまでついていけました。

吸入4日目レース
●九州選手権トラックレース(スクラッチ予選):予選通過 決勝へ
※少し不調を感じる

■事件が・・・

そして、吸入5日目のレースで事件が・・・
●九州選手権トラックレース(1kmTT):思うように走れず
1kmTTは約1分間ほどの全力疾走。
少し不調を感じるも、不甲斐ないレースに意気消沈し、椅子に座っていると、突然、胸の痛み(場所はミゾオチの少し上、中心よりやや左)に襲われ
、座っていることもできず、横になって数分間痛みに耐えます。
冷や汗タラタラ・・・
10分ほどで何とか痛みは引きましたが、午後に予定していたスクラッチ決勝はキャンセル。
心筋梗塞? 狭心症?・・・不安が・・・

■循環器科の受診

さすがに胸痛はまずいと思い、再度かかりつけ医受診。
胸痛の場所が場所だけに、先生も大きい病院で検査したほうがよいとのことで紹介状を書いてもらう。
そして、赤十字病院の循環器科を受診。
トレッドミル検査では最終フェーズまで走り切り、心拍数200/1分を記録。
この段階で、心臓ではない(心臓が悪くて心拍数200までは上がらない)と聞き、一安心。
心エコー、胸部レントゲンも問題は無く、循環器科に係る疾患ではないようだと言われホッとする。

■呼吸器科の受診

そして後日、同院呼吸器科を受診。
レントゲンでは肺に問題はないようで、やはり喘息を疑われ、その検査。
で、呼気NO濃度測定検査( 呼気中のNO(一酸化窒素))の数値が「98」。
正常値の約3倍以上をたたき出す。
重症です。

その他、血液検査等を済ませ、レルベアと内服薬で3週間の様子見へ。
この薬でNo値が改善されれば、喘息で確定かな?
ここから次の受診まで激しい運動は避けるようにとのことでしたので、自転車には乗らず体幹トレーニング等で運動を継続。
で、3週間後、No値は52に改善され、肺活量もUP↑↑。
血液検査の結果も問題無しで、まだ数値は高いままだけど晴れて喘息確定。
胸痛は喘息の発作が強くでたのではないか?とのこと。
レルベアと内服薬をお供に練習再開です!

■練習再開からのHSR最終戦

朝からレルベアを吸入し、寝る前に内服薬。
空気をいっぱい吸える喜びで、体の調子も上がり気味。
3週間ぶりに自転車トレーニングを開始し、気持ちよく走れて調子に乗って筋肉痛!
練習再開からちょうど1週間後にHSR最終戦があったので急遽参戦。
さすがに強度を上げた練習はできていないのできついけど、息は吸える。
さあ、喘息とは付き合いながらになるけど、この機にじっくりトレーニングし、一回り強くなって来年度を走りたいと思います。

■最後に

自転車競技者は意外と喘息持ちが多いようです。
強度の高い練習、レースには激しい呼吸がつきもので、気管支へのダメージも大きいとのこと。
アレルギーの原因物質も大気中、家内にも多くあり、私は部屋中を大掃除&不要な本類を一気に処分しました。
喘息と言えば「ゼーゼー、ヒューヒュー」ですが、私の場合はまったく無し。
呼吸困難まで一気にいきます。
2年間苦しめられた病の原因がわかりホッとしています。
同じような境遇の方の、一つの道しるべになればと思い記事にしてみました。
過去、足首の故障も記事にしています。
過去記事③:ぬけぬけ病?スカッと抜ける足首の症状その後(自転車競技)

■追記(ドーピング禁止薬とTUE申請について)

処方されている喘息薬についてドーピング禁止薬物に該当しないか、TUE申請は必要か?をJADA(日本アンチドーピング機構)に問い合わせた結果です。

処方薬
(1)レルベア100エリブタ
(2)モンテルカスト錠

回答(原文)
(1)のレルベアの成分であるビランテロールとフルチカゾンはいずれも禁止物質です。
ただし、吸入フルチカゾンと、吸入ビランテロールの場合は24時間で最大25 μgを超えずに使用する場合は禁止されません。
吸入ビランテロールの最大投与量は、日本で販売されているレルベアの用法用量を守って使用する限りは禁止されません。
したがって、レルベアの使用についてはTUE申請は不要です。
医師、薬剤師の指示に従い吸入するようご注意ください。
(2)のモンテルカスト錠につきましても、ご確認いただいたように禁止薬物ではありませんのでTUE申請は不要です。


















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