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胆石手術記 2日目

本日は手術の日である。

ベッドが硬いためか、慣れない環境のためか、眠りが浅い。何度も起きる羽目になる。腰も痛い。

最終的に5時40分頃起床。顔を洗い歯を磨き、髭を剃る。出て来たところで看護師が来て、検温と血圧測定。手術段取りの説明。まだ6時前である。薬と手術前最後のみずほをコップ1杯飲む。手術着に着替える。

6時50分過ぎ、今度は医師が来て、手術前の挨拶。術後診断日の時間を少し遅くする。

弾性ストッキングなるものを履いてみる。昨晩の説明では、履くのが大変で30分くらいかかると言われたが、そんなに大変なものではない。

8時過ぎ、看護師が交代し、最後の検温と血圧測定。トイレに行って手術準備は完了。

8時半前に部屋担当の看護師と手術室まで歩いて向かう。気を紛らわすためにいろいろ話す。手術後は起き上がることはできないが寝返りもできるし、スマホも使えるそうだ。眼鏡を外して来たので、ぼうっとしか見えないが、かえって生々しさがわからないのでよい。手術室付きの看護師はピンクの看護着を着ている。

パンツを半分下げられ、尻にパットよようなものを貼られる。褥瘡防止のためのそうだ。

いよいよ手術台に上がり、横になりバスタオルをかけられる。左右の看護師が慌ただしく左手の手首に注射針を刺し、右手に血圧計を巻く。タオルケットをかけたまま手術着を脱がされ、パンツ1丁になる。

酸素マスクをかけますと言われ、かけられる。匂いはそれほどなく、これはまだ麻酔ではないな、と思っていたが、天井がぐるんぐるんするのは気のせいか、と思ったら気を失っていた。


名前を呼ばれたような気がして目が覚めた。まだ手術室である。12時少し過ぎていたので、3時間以上経っていたのだ。

この辺りの記憶は朦朧としているが。何やら準備をして、ストレッチャーに移されて(自分で動こうとしたら止められた)、病室まで運ばれたのは覚えている。

病室に着いて、点滴や、ドレーン処理の処置を施された。酸素マスクをかけられる。眼鏡をつけてもらう。喉がカラカラでひどい声しか出ない。水を一口でもいいから飲みたいが、それは叶わぬことだ。排尿をしたい感じがする。カテーテルを尿道に入れられているからだ。体温計で体温を測るが脇の下が上手く締められていないようで温度が上がらない(後で手術の影響で本当に体温が低かったと知れた)。厚い布団(電気毛布)をかけられる。看護師から痛いですかと聞かれたので、痛いと答えた(しかし、まだ麻酔から完全に覚めていなかったので、鈍痛という感じが少しづつ強くなってくる予感といった方が正しい)ら、鎮痛剤の点滴をしてくれた。

しばらくして肩が非常に凝って痛いので、湿布を所望する。鎮静剤が効いてきたようで大分落ち着いてきたようだ。再び体温を測ると平熱に戻っていた。暑いので布団を薄いものに変えてもらう。

随分経った気がした頃、湿布が来る。右肩と腰に貼ってもらう。テレビも見れますよ、と言われたので貴重品入れにあるスマホを取ってもらい、自撮りをしてみる。

なかなかの壮観である。

とりあえず、家族に帰還のラインを送る。ここで12時40分。

看護師が「先生が持ってきてくれました」(医師が入ってきたのは記憶がない。あるいはナースステーションに持ってきただけかもしれない)と言って、カップに入った摘出された胆石を持ってきた。鶉の卵をもうひとサイズ大きくした焦げ茶色の硬い「石」である。特に臭いはしない。尻を触れるようになったので確認すると案の定パンツは履いていなかった。

体温と血圧はかなり頻繁に来る。薬剤師も来て、入院中と退院後の薬を持ってくる。まだ頭が少しぼうっとしているので、長い説明はややしんどかった。

さらに少し落ち着いたところで仕事のスマホも持ってきてもらい、メールを見る。最初の返信が14時50分なので、2時間経っていたのだろう。またうつらうつらして16時半前に酸素マスクが外された。水も飲めるとのことだったので、冷蔵庫の水をカップに入れてもらい、ストローで飲み人心地つく。

ここで手術前後をお世話をしてくれた看護師が交代となる。

それからは仕事のメールを何通か出し、気になるものは1件電話もした。

子供から送った石の写真を見て「きたない」という返事が来る。まあそうだろう。

ふと点滴の管を見ると気泡がいくつか入っていた。18時に点滴の交換をするときに看護師に聞くと、静脈の場合は吸収するので、あまりよくないことではあるものの大丈夫だと答えてくれた。ただ、長い管を短くしてくれて

気泡もとってくれる。とにかく腰が痛い。硬いベッドのためだが、横になってもよいと言われたのでだいぶ楽になる。

水を飲もうとしてこぼし、ナースコールで拭いてもらう。ちょっとしたことができぬことは情けないものだ。

この後うつらうつらしているとときどき看護師が来て、体温や血圧を測ったり、点滴を変えたり、手術痕のパッドの様子を確認したりした。照明は消しますか、と聞かれ、21時の消灯時間に消してよいと答える。ただし入口側の電気は灯けてある。

暗くなった部屋で尿意を催す。カテーテルを挿入されてはいるが排尿はどうするのか。いよいよ我慢できなくなり、ナースコールをする。

当番看護師に排尿はどうやるのか聞くと、いや、もうしてますよ、と尿の入ったタンクを見せてもらう。どうやら意識なく排尿できる仕組みになっているようだ。カテーテルからの管を少し調整してもらう。



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