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他者評価軸から離れて、自己評価軸をつくると仕事が楽しくなる

まちづくりの新しいプロジェクトで、キックオフの懇親会。
二次会で、そのまちのベテラン経営者から

中川さんはなんのために仕事してんの?

って聞かれて、

自分のためです!

って即答したら、身を乗り出して握手してくれました。

その人曰く、

「町のため」とか言われたら組むのやめようと思ったよ。

日ごろ、ぼくらのところに来てくれるインターンの大学生にもよく言ってること。

他者評価軸から解放されたら?

ってことと、つながる気がしてます。


学校のテストからはじまって大学入試、就活、会社の人事評価と他者から評価されるほうが常態化しているぼくらにとって、自分の判断基準や価値軸を養う機会って意識的につくらないとつくれません。

会社が順調で、問題解決と正解のセットが多かった時代は、他者から言われた与件を忠実にこなし、評価をもらえれば褒められて、出世して、給料もあがる、そんな構造でした

目に見えて解決しやすい問題は減少し、難しい問題だけが残り、正解がわからなくなってきたいまの時代、「こう答えれば評価される!」と確信をもてる発注は少なくなってます。

ぼくが日々直面している地方のまちづくりにも正解は少なく、どこでも通用する明確な評価基準なんてありません。

そんな環境で他者評価軸をベースに仕事をしていくと、行き詰まります。

「こうすれば褒められるんじゃないか?」
「こうやって評価されたい!」
「こう言ったら怒られるかもしれないからやめとこう」

会社や上司に、明確な正解があれば別ですが、正解がない環境下で、他者評価を気にしたところでものごとは進みません。

逆に、他者がどうかは別にして、

「これだったら自分がんばれるな」
「これ好きだから突き詰めてみよう」
「いいこと思いついちゃった、一緒にやらない!?」

ぐらいのスタンスで望まないと、膠着した状況は突破できません。

地方のまちづくりには正解がなく日々、試行錯誤しながら行動あるのみ。
膨大な利害関係者の意見や、歴史的で理屈じゃないしがらみに振り回されてその人たちに評価されようとがんばったところで、気がつけば自分の意見はブレブレに、会社の軸もわからなくなって、内部から崩壊、なんて悲劇のストーリーも実際に起こってしまいがち。

まちづくりを主たる事業として、さらにはぼくらのような零細ベンチャーの規模において、生命線は誰にも振り回されない主体性と自己評価軸だけ。

消去法的な話の流れになってしまいましたが、一方で、「仕事を楽しむ」ことを優先順位高く考えた場合も、やっぱり他者評価軸から解放されることをおすすめしています。

「仕事を楽しむ」といっても、その楽しみ方は人それぞれ、千差万別ですが、ぼく自身とぼくのまわりで仕事を楽しむ人たちを見てきた限りで確信しているのは、仕事を楽しむために一番大切なことは、自分らしくあること。

ぼくの場合、自由でユニークでいることが仕事を楽しめる理由なので、それを実現し続けるために、自分で会社をつくって経営しているといっても過言ではありません。

とはいえ、いまの日本の教育や、就活まで圧倒的に他者評価軸が強い現在の環境やしくみの中で、どうやって、自分なりの判断基準や評価軸をつくっていけるか。結構、難題だなぁと感じてます。

難題だと思うからこそ、他社評価軸から解放されたい、自己評価軸を養いたい人たちのお手伝いを本気でしていきたいと思ってますし、一緒に伴走していくことが、いまの自分のやりたいことの大きな一つです。

偉そうに書いてきましたが、ぼく自身、経営においても現在進行形で他社評価軸を意識して悩むこともしょっちゅうです。

同業他社、同時期に起業した経営者たちと話していくと、どうしても比較してしまいがち。

社員○人になったんだよね!
こんなメディアに掲載された!
○○円、資金調達できたよ!!
IPO見えてきた!

自社の経営の参考になったり、自分の成長につながると思えることは貪欲に吸収して学習につとめるけど、表面的な比較には走らないよう留意してます。

特に、まちづくりは対象地域の実情やスタンスによって比較しても意味ない性質のものと思ってるんで。

他者と比較せず、自分たちのビジネスを考えていくために、最近読んでてとても参考になった『ビジネスを育てる』の解説で青木耕平さんが書いてた内容ことを紹介します。

会社も植物と同じで成長するポテンシャルを備えています、
それぞれの植物に合った成長速度と最大サイズがあります。
リンゴはリンゴの大きさがちょうどよく、スイカにはスイカにちょうどよい大きさがあります。
美味しいリンゴを育てようとするときに、スイカのようなサイズにすることは望みません。
ビジネスと果物で違うのは、ビジネスはどのくらいの大きさがちょうどよいのか、やってみないとわからない。
他社と比較したときのサイズや成長スピードにフォーカスするのではなく、自分たちのビジネスが今「健やか」な状態であるかということだけに注意を払ってきました。

明日から一年の折り返し、7月。
新しい拠点を高鍋町に開設します。
都農町と高鍋町の二拠点。
それぞれの地で、どのように事業をつくって、どの程度成長を目指すのか。
社員一人ひとりが主体的に考え、会社としての自己評価軸をしっかりと育てていきたいと思います。




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