地方創生に不可欠なデジタル推進・プログラミング教育人材を集める方法3つ。
地方移住を検討するうえで、子育て世代にとっては、医療とともに教育は大きな課題。
都農町のような1万人規模の町にとって、教育の選択肢をつくるのは難しいこと。デジタル対応、プログラミング教育となると、なおさらです。
逆に、町をあげてデジタル化、プログラミング教育へ投資をしていけば、子どもの教育の優先順位が高い移住検討者にとっては魅力ある差別化になる可能性が高いとも言えます。もちろん町内の子育て世帯にとっても。
1. プログラミング教育市場は成長
昨年から小学校で必修化されたプログラミング教育、市場規模は2020年の約140億円から2025年には倍以上の約300億円に成長、と予測。
プログラミング教室数は、1万校を超える予測!
全国の中学校の総数(10,222校)を超える勢い。
細かな地域別のデータはありませんが、おそらく、東京や大阪など都市部に集中しているものと思われます。
もともと、学習塾をはじめとする教室系が少ない地方、1万人規模の町にとっては、ますます都市部との教育格差が生じかねない状況です。
2. 教えてくれる人の存在
プログラミング教育については、子ども以前に、現役の大人たちにとっても学習すべき内容ではないでしょうか。
学習経験のある大人たちの87.5%が、挫折や行き詰まりを感じてます。
一番多い理由:「不明点を聞ける環境になかった」
独学も影響しているのでしょうが、
「わからない」ので、
「身近に教えてくれる人が必要」
ということではないでしょうか。
3. 学校の先生にプレッシャー
小・中学校においては、なおさら、「教える人」の不足は明らか。
先生たちの73.3%が「不安」と回答するのも、うなずけます。
4. 解決するためには「時間」と「教える人」
先生たちの不安の多くが、
「日々の業務でプログラミング教育のことを考える時間や余裕がない」
学校は、予算や目標、教材など、物理的に揃えられるものについては積極的に進めている様子です。
一方で、具体的に「教える人」がいるかどうかについては、半数以上の学校が整ってないと回答しています。
デジタル化全般に言えることです。
都農町では、Wi-fiやタブレットなど、一人一台用意されていますが、実際にデジタルを活用した授業となると、教える人の少なさもあり、まだまだこれから。全国、似たような状況なのではないかと推察。。
必修化初年度だった2020年度(令和2年度)は、保護者アンケートでは、プログラミング教育を学校が実施していたと認識している回答は半数以下。
子どもたちはどうかというと、、
僕らが都農町の小中学校でプログラミングに限らずタブレットを活用したデジタル学習などで接している限り、なんら抵抗なく、はじめての操作も積極的に楽しんで習得が早いです。
Slackのインストールも全員すぐにできて、自分がいいと思ったホームページをコピーしてSlackで全員にペーストして共有する、みたいな作業もほとんどの中学生がはじめてだったにもかかわらず、楽しそうにやり遂げてました。
比較したことはありませんが、おそらく1万人の町も東京も、子どもたちの吸収力やポテンシャルには差がないと思います。
差がつくとしたら「教える人」がいるかどうか。(教育全般にいえますが)
5. 「教える人」を集める方法
「教える人」を集める方法は3つ考えられます。
①学校の先生ががんばる
②地元の民間人材に委託
③全国の専門人材と提携
①学校の先生ががんばる
なんといっても、学校の先生が教えるのが一番です。
ただし、専門分野の違いや、現実的な忙しさを踏まえると、学校全体でかなり構造的に時間配分や学習環境・システムを整えていかないと時間がかかりそうな印象。。
②地元の民間人材に委託
2つめは、デジタルに詳しい民間人材に委託すること。
課題は、学校のある地域に、そのような人材がいるか?
都農町の場合は、昨年より町をあげて「デジタル・フレンドリー宣言」をして、20代のデジタル系人材が複数、移住してきました。
先進事例でいくと、徳島県の神山町は有名。
2004年ぐらいから、全戸に光回線を整備、IT企業の誘致に成功し、町をあげて今度は新しい高専を設立予定。
町をあげてデジタル環境を整備していけば、専門人材が集まってくる成功事例だと思います。
③全国の専門人材と提携
全国、もっといえば海外も含めて、専門的にプログラミング教育を実践している人、機関と提携してZOOMなどリモートで学習していくこと。
実はこれが一番、現実的なのではないかなと思います。
ZOOMなどのオンライン学習は、全国どこでも可能ですし、子どもたちも大人以上に抵抗なく、すぐ受け入れられるのだろうと思います。
都農町でも、ZOOMを使って教室同士をつなげて活用を始めてます。
(おまけ)
学校外の教室については、1万人規模の町だと、かなりハードルが高いです。そもそも学習塾も数える程度しかないので。
とはいえ、学校ではできない、やらないようなロボット体験やゲームづくりなど、可能な限り、子どもたちには体験してほしいなと思ってます。
昨年から、地元の経営者に教材など投資の協力もいただきながら、週末にコワーキングスペースで、小学生にプログラミング教室を開催してます。