サウナ×αで「ととのう」ツアーを地方創生コンテンツに
すっかり人気が定着したサウナ。第三次サウナブームと呼ばれる賑わいを見せています。
1万人の町、都農町には常設サウナがなかったので、僕らが9月に開業した、まちづくりホステルALAではテントサウナのプログラムを加えました。
まずは宿泊ゲスト限定のサービスとして始めてます。
全国各地で、サウナ専門の施設が開設され、持ち運べるテントサウナを使って豊かな自然の中でサウナを楽しむアクティビティも広がりを見せ、サウナが旅の目的地になることも定着しつつあるようです。
サウナで「ととのう」のは、トレッキングや登山、星空観望、畑仕事など、自然の中でのアクティビティとの相性もばっちり。
尾鈴山や滝、ワイナリー、名貫川など、都農の自然を満喫できる場所でのアクティビティと組み合わせることで、都農の魅力を満喫できる、新たな観光コースがつくれるはず。
1.高まるサウナ熱、若者に人気なのが特徴
サウナを年齢層別で利用者の割合を見ると、40代・50代が多いというデータがあります。
ただ、やや上の年齢層の利用者は、以前からの利用者で、近年のサウナブームの特徴は、「若者」での人気が高まっていること。
サウナを利用したことがある人に向けた調査では、「サウナが好き」と答えた人の割合が最も多いのは20代男性という結果に。
女性では10代が最も「好き」と答えた人の多いことにも注目です。
10代、20代の若者を対象にした別の調査によると、男性は「疲労回復効果」を、女性は「ダイエット・美容効果」を求めて、サウナに行くようです。
「友人との交流の場」という社交の場としての機能を求める声が一定数あるのも印象的です。
今の第三次サウナブームは、多忙な起業家やタレントたちが、仲間と一緒にサウナに通う様子をSNSに投稿し始めたのがきっかけと言われています。
検索キーワードとしては、サウナを題材にした書籍・マンガ「サ道」のテレビドラマが放送された2019年から急上昇。
サウナ好きのためのアパレルブランドも登場しています。
また、職業別に見ると、サウナ好きには会社経営者が多いという結果も。
「サウナで考え、水風呂で決断する」という言葉もサウナ好きの間では合言葉に。
斬新なアイデアや決断を求められる多くの経営者にとって、健康維持も図れるし、社交場にもなる、一石二鳥にも、三鳥にもなる魅力的な空間になっているようです。
2.サウナのメリット
そもそも身体にどんな良いことがあるのか。
「なんとなく、身体に良い」というイメージを抱きがちですが、アクティブな20代、30代が心身のコンディションを整えるのに最適、ダイエットというより美容効果の期待が高く、若い女性に注目されるのも納得です。
サウナならではの身体効果(公益社団法人日本サウナスパ協会)
3.サウナは旅の「目的地」になる
良い温泉は昔から旅の目的地となりますが、良いサウナも同様。
サウナを求めて旅する「サ旅」が観光の新たな一つのかたちとして定着しつつあります。
人気のサウナランキングを見ると、人口の多い東京・大阪などの大都市圏が多いのかと思いきや、地方のわざわざ訪れる必要のある施設が多くランクイン。
2位の「湯らっくす」は熊本県、3位の「らかんの湯」は佐賀県。
「湯らっくす」は、都農町のお隣の県なので、僕自身も宿泊を兼ねて行きましたが、訪問した2回とも大混雑、寝る場所がほぼない人気ぶりでした。
らかんの湯(佐賀県武雄市)
JALは今年3月から、サウナ施設と提携した航空券とのパッケージ販売をスタート。
宮崎にも、サウナ自体は温浴施設の中に設けられるかたちで各地にあり、馴染み深い存在ですが、「サ旅」の目的地となるような、魅力的なサウナはまだ少ないのではないでしょうか。
新設や温浴施設の改修を機会に力を入れることで、大きな伸びしろがありそうです。
4.都農で「ととのう」コースを企画
都農町は残念ながら、温泉のない町。過去に温泉・温浴施設を設けることが検討されたこともあるそうですが、地盤の都合と、費用面で断念せざるを得なかったそう。
でも、サウナなら、お湯の循環ろ過設備を設ける必要はなく、温浴施設よりもハードルが下がるはず。
休みの日は近くの温浴施設に家族で行って、日頃の疲れを癒やす、というのは今も多くの町民の方がされている日常の1コマですが、それを町内でできるようになれば、より通いやすく、日々の暮らしの幸福度も増すはず。
また、常設の「施設」でなくても、持ち運び・移動式の「テントサウナ」であれば、より気軽にサウナを町内で楽しめます。
・ワイナリーの丘で眼前に水平線の広がる日向灘ビューを眺めながら
・名貫川の河川敷で水風呂は川に浸かって
・尾鈴山の大自然、矢研の滝に癒されてから、サウナで疲れを癒やす
・夜の静かな畑に中で、星空を眺めながら
・夜の海岸で波の音を感じながら
どれも都農ですぐできること。
都農の山でとれた薪を使って火をおこし、
あるいは、今後、焚き火やランタン、ピザ窯などに活用されはじめている都農ペレット工業のペレットを使ったテントサウナも可能性あるかと。
同じく、都農ペレット工業がつくっている檜のアロマのロウリュで癒され。
サウナの後は、都農でとれた新鮮なフルーツを使ったジュースがあると、それもまた贅沢!
日帰りでも十分楽しめるサウナですが、観光客は訪れても、なかなか宿泊につなげられないのは、都農町の積年の観光の課題。
宿泊施設の整備と合わせ、わざわざ都農に宿泊する魅力として、サウナ×都農町の自然を軸にした「ととのう」観光コースの企画に大きな可能性があると思います。