人からはじまる、まちづくり。要は採用から。
地方創生やまちづくり、と言葉が先行しがちですが、人がいないことにははじまりません。1万人の町でリアルに直面して、より一層その思いが強まってます。
1 人本経営
もちろんお金はないんですが、究極、お金と人、どっちがないと困ると聞かれたら、迷わず人と答えます。
リーダー層には情熱的で優秀な人たちが多いし、少しお金かけて外部の会社にお願いするなどすればいい企画を立てて、戦略練り、予算つけるところまではできます。ただし、実行する人がいない。結果、人がいないからできないよね、で企画はお蔵入り。
特に20代、30代の伸び盛りの人が少ないと思うのです。なぜ少ないかというと、仕事がないから。これはよく言われること。
2 東京一極集中、変わらず
コロナがあったって、東京への流入は増えてます。びっくり。
地方の人は仕事がない、給料が安いからと東京へ行く。東京で生まれ育った僕は地方に行く。不思議な感覚です。いっせいのせ!的なタイミングで東京一極集中から一気に地方分散を仕掛けたいものですね。
地方、特に1万人規模の町には若者が残りにくい。だから、いくらいい企画、予算があってもやる人がいないから実現しない、結果、新しい仕事が生まれない、なので若者が出ていく、この負のサイクルが地方創生の課題の本質の一つではないかと思います。実感したという確認までですが。
3 真っ先に採用!
てな問題意識をおぼえてたので、都農町で企画提案していたプロジェクトが実現しそうになったところで、見切り発車、いや単なるフライングとも言えるタイミングで、何よりも先に採用活動を始めました。原資の確保は後。
といって営業始めて2ヶ月で、社員3人だけで、都農町まで移住してもらうという採用は、相当難しいんだろうなぁと覚悟しつつも、とはいえ、いなければ始まらないので、最優先で。
当然に採用にかけるお金なんてない中、Wantedlyさんがトライアルプランで1ヶ月無料なことを知り、すぐさま申し込みました。(その後はちゃんと有料でお願いしてます)
できることといえば、募集ページを鬼のように、暑苦しく書きまくるだけ。
幸いなことに、新参者にやさしいWantedlyさんだからか、地方への関心が高まっていたからか、東京の企業の採用が一時休止に近いからか、いろんな理由が重なって結果的には予想よりたくさんの方にエントリーを頂けました。
3万社近い募集ページの中で週間PV数9位まで上がることもできました。ご覧いただいたり、ご紹介くださった方々、本当にありがとうございました!
4 自分より優秀な人を
昔からリクルートの江副さんも、松下幸之助さんも言ってたように、自分より優秀な人材をとれ、と僕もずーっと教わってきました。
最近ではスティーブ・ジョブズが「Aクラスの人材はAクラスの人材を連れてきて、BクラスはCクラスを、CクラスはDクラスを連れてくる」という有名な言葉を残してます。
自分に置き換えて、優秀さやクラスの定義は難しいのですが、自分ができない専門スキルを持つ人だけ採用をしようと思いました。
結果、4人採用。
プログラミングを仕事にしている、あるいはフォトグラファーや飲食。よくもまぁ、都農町にまで来て頂けるとことを英断してくれたと心より感謝です。待ってますよ〜!
しかも平均年齢28歳、町の中で見かけることの少ない年代です。
でも気をつけなきゃいけないのが、ヨソ者だけが活躍したところでそれは一過性で終わってしまい町のプラスにはならないこと。彼らが来ることで、町の同年代と仲良くなり、刺激しあい、強みを伸ばし合って町を盛り上げていくことを本気で目指します。
5 町全体で採用を
町内で仕事をしていて、どこの会社や組織に行っても人がいない、採用広告出しても誰も来ないと言います。もちろん絶対数が少ないので当然なのですが、今回、自分が採用をしてみて、少しやりようがありそうかな、と手応えの手前ぐらいは感じました。
今後、町全体で採用していくべきでは?と思ってて、提案しようと思っています。都農町人材開発部になりたい。
規模が小さな町だと自ずから企業の単位も小さくなるし、仕事も部分的。応募する側からすると、チャンスや成長の可能性が少ないように見える。
町があたかも一つの会社かのように多面的に、長期展望(必ずしもポジティブでなくて良い)のメッセージを発信したら、町に就職してみようと思えるんじゃないか。少なくても、地方創生やまちづくりに関心ある人は見てくれるはず。
とりあえず、いい人採用できたらどの仕事お願いするか町内で考える、みたいな。もちろん、労働基準法や採用に関する法令遵守前提で。
町としての投資をする上で、不要にしか見えない建物や、一部の人にしか恩恵のない制度や仕組みにお金をかけるなら、1人分でも2人分でも人件費にまわしたい。
1年間は仕事ないけど、ひたすら新しい企画だけして、とかでもいい。そのほうがよっぽど5年後、10年後の町の可能性は押し広げられるのでは?
もちろん、誰でも彼でも若きゃいいか、で採用していいってことでは全然ないです。この件も、ある程度採用をしていかないと、採用スキルも上がらない、ほぼ初めて採用面接して、感じいいから採用したら全然ダメだった、みたいに、一定の経験を積んでかないと、面接で見抜けず成果が出ないという悪循環がありそうです。
最後は自分の会社に戻りますが、3人の会社がいきなり倍増なので、これは相当大変なこと。昨日から心臓の鼓動が倍速になっています。しばらくは資金繰り表とにらめっこをしながらの毎日が続きそうです。
でもそれは経営の醍醐味で一番楽しいところでもあるし、何よりも人が増えればそれだけアイデアが増えるので、これからどんな事業をしていこうか、新しい人と町の人の相乗効果の想像を楽しみたいと思います。