地方創生・まちづくりのしごと。通いでやるor 住んでやる?
最近、大学生や20代の社会人と話してて、地方創生やまちづくりに関心持つ人が増えてる印象。客観性はないけど、少なくてもぼく周辺では。
それはとても良い傾向で、もっと増えて欲しいと切実に思うのです。
地方の小さな自治体はどこもプレイヤー不足。都市部以上に、課題が喫緊&山積みなわりに、役場の人ぐらいしか対応する人がいなく、なんでもかんでもやらなければ、という状況は多いはず。
学生のみなさんや、経験のない人からすると、地方創生やまちづくりといっても、”実際どんなしごとなのか?”と聞かれるとぼんやりしているんじゃないでしょうか?
おそらく、一番イメージしやすいのは”建物や場をつくる”=”不動産や建築関連”のしごとかと。
大学卒業してまちづくりの仕事をしようとすると、一部のチャレンジングな変態学生をのぞいて、フツーはある程度の規模、安定感がある会社という前提で、デベロッパー、ゼネコン、鉄道会社、あるいは地方自治体が選択肢になりがち。
当然、大手企業が多いので、会社としてまちづくりをうたっていたとして、配属でそのようなしごとにつける人はごく一部だし、実際にやるとしても、何人もいる中の一人で、なかなか手触り感は得にくいもの。
といって、ぼくらのように、1万人の町で起業して民間企業としてやっていくのは、リスクが大きすぎるし、採用余力もほぼない(涙)
とはいえ、これから、10代、20代の人が地方創生やまちづくりに関心をもって、自分ごととして地域をよくしていく仕事に就く人が、もっともっと増えてほしいので、地方創生・まちづくりのしごとへの関わり方、という切り口を紹介します。
1.通いでやる
まちづくりを「通いでやる」のか、「住んでやる」のか?
圧倒的に能力の高い人はどんなスタンスであれ、成果を出すと思うので、ここではフツーの人たちがやった場合という前提で。
まちづくりのしごとで、多くは、東京や大阪など都市部の企業に属して、出張で地域に関わるものだと思います。
ぼくも前職UDSでは、何箇所かの地域のしごとをいただき、定期的に出張で訪問しながらお手伝いをしていました。
地域にとってのメリット
「通いでやる」ことが多い業種・職種を大雑把に分類すると
上記の4つは、独断&偏見ではありますが、いま地域側にいるぼく的に必要とする人たちBEST4でもあるので現実的かと。。
やる側には、地域から選ばれるだけの能力や実績、差別性が求められます。
そのために、全国の各地域で、さまざまな経験をつみ、引き出しを増やすことになります。都市部の場合は同業他社との競争も多いですし。。
直接のクライアントの満足度以外での評価指標はこんな感じ?
比較的、客観性のあるものになります。
評価指標は、売上などの数字をのぞくと、地域外、都市部での評価によるところが多く、案外、当該地域内での評価と乖離があったりしがちです。
メディアではすごくとりあげられてて、数ある賞もたくさん受賞してても、意外に地域の人たちにはあまり知られてなかったり、そんなによくは思われてなかったり。
2.住んでやる
ぼくの場合は、両方のスタンスを経験させてもらいました。
・20代(新潟県上越市)50代(宮崎県都農町)は「住んでやる」
・30代・40代(東京)は「通いでやる」
個人的には、同じ能力なら、「住んでやる」ほうが成果は出やすいかなと思います。当たり前ながら、地域からの信頼はいただきやすくなるので。
「住んでやる」は、ぼくの独断&偏見ですが、「通いでやる」に比べて専門性や技術・知識がなくても、生き残れる可能性は高いです。
ただし、これはよく言われることですが、どこの地域でも、溶け込んで信頼を得るには相当の時間や努力が必要で、それはそれで結構大変です。。(実感)
「住んでやる」のに向いてる仕事(独断と偏見)
未知の分野で、計画がたてにくく、ちょっといい?って相談しやすい距離が求められるしごとは、能力とは別次元で、「住んでやる」じゃないとできません。
ぼくの場合は、まさに①から④のしごとがやりたくて都農町に移住してきました。
「住んでやる」が難しいのは、シンプルに言うと、食べていくのが大変(=仕事が少ない)ということに尽きます。
生き残り法としては、専門分野を持たず(専門性はあったほうがいい)、なんでもかんでも、とにかくやること。
自分でできることには限りがあるので、少ない組織でも、一人ひとりキャラ立ちして、組織としてマルチに仕事をすることぐらいでしょうか。。
3.半々でやる
基本は、「住んでやる」んだけど、他地域からもオファーが多く、地域に住みながら全国の仕事をする「半々でやる」のもパターンのひとつです。
地方創生・まちづくりは、まだまだ成功事例が少ないため、うまくいっている地域があると、視察ラッシュで、しごとにも発展しているようです。
地域に根をおろしながら、他の地域のことも手がけるのは、
ベストパターンに近いかもしれません。
今月、都農町から島根県の津和野まで7時間かけていきましたが、東京でも会えないような方々と2泊3日ご一緒できたことは、今年一番の刺激と学びになりました。
一方で、その地域に「いる」ことが一つの価値だとすると、「いない」ことが増えて、結果、強みを活かせなくなってくるのかもしれません。このあたりのバランスが悩ましいですね。。出張疲れるしなぁ。
4.まとめ
しっかりと専門性を身につけながら「通いでやる」もよし、地域に住んで現場の生々しいニーズを体感する「住んでやる」もよしです。
スキルが先か、マインドが先か?にも近い問題。
結論を言うと、順番はどうでもいいから、両方やったほうがいいと思います。小松理虔さんの『新地方論』を真似れば、orではなくandで。
できれば20代のうちに。