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ヴィクトリアマイル2020 回顧
レース結果
東京 芝 1600 良 1:30:6
12.0 - 10.9 - 11.3 - 11.4 - 11.1 - 11.2 - 11.1 - 11.6
45.6-45.0 -0.6秒のSlow
1着:12アーモンドアイ
2着:18サウンドキアラ
3着:16ノームコア
総評
当初の陣営コメントでは控える競馬を示唆していたトロワゼトワルがハナを主張し、コントラチェックは控える形に。そこから淡々とペースを刻み、前半3F34.2、中盤2Fも11.4-11.1と全く緩めることなく、スプリント並のハイペースのレースを展開した。
予想的にはコントラチェックが逃げて中盤ペースを緩めて一足を使えるような展開を予想しただけに、トロワゼトワルがハナを奪って京成杯同様淡々としたハイペースを刻んだ点で予想的には完全にノーチャンスでした。
確かにトロワゼトワルの良さを最大限引き出した合理的な逃げで、ちょっと予想的には陣営の言葉に踊らされすぎた感があったな・・・。ブラフだったのか、三浦の自分の判断なのかは分からないけど、良い騎乗だったと思う。
全体的には道中で息が入らないと厳しいタイプ、後方待機・コーナーで大外を回らされた馬、基礎スピードが足りない馬にとっては厳しい競馬でした。
アーモンドアイは抜群の適正は認めつつ、安田記念のようなパターンを危惧していたわけだけど、ハイペースの中を楽に取りついてきた。出遅れ&1600ハイペースの基礎スピードの2点を懸念していたが、両方クリアしての圧勝。
2,3着は位置取り・適性と能力で来たという感じ。ともに大外枠のマイナスを最小限にする好騎乗。出足が付かなかったプリモシーンや後方待機で3コーナーから押し上げる形を取った。トロワゼトワルにハナを叩かれハイペースで息が入らない展開に持ち込まれた。内枠勢はシンプルに力・状態面が足りなかった。
レース回顧
1着:12アーモンドアイ
出遅れずに中段より前で競馬できれば間違いなく勝てるだろうとは思っていたけど、まさか馬なりで圧勝するとは…。
これまで1600mで先行する競馬を見せていなかっただけに基礎スピード面を気にしていたけど、トロワゼトワルがハイペースで逃げる中で4番手を楽に確保。直線に入ったらあとは馬なりで弾けるだけだった。
競●予想TVで小●氏が言っていた通り、この馬はまさに「トランポリン馬場の申し子」。ルメールもこの馬を信じ切って好位を取る好騎乗だった。
安田記念に関してはローテ面とやはりマイルなので出遅れた場合の懸念は残るけど、秋天に出てきたら良馬場でやる限り現時点で確勝と言える存在だろう。それだけ府中の高速馬場では抜けた存在だと思う。
2着:18サウンドキアラ
実力・調子・位置取り(騎乗)のすべてが揃った2着だった。
これまでの重賞3連勝に加え、調教も坂路で抜群の動き。追い切りからライバルたちが総じて不安面を見せていたが、この馬だけは状態が抜群だった。何より光ったのは松山Jの好騎乗。「アーモンドアイより前に行かなければ勝てない」と判断し、18番枠から押し出していって3番手を取る。前に行ったことで、コーナーも必要以上に外を回らせられることもなかった。
ヴィクトリアマイルは外枠が不利になりがちだし、今回のコーナーで緩まない展開はまさにそうだったと思うが、騎乗でカバーしてきたのは見事かったし、逆に言えば予想的には誤算だったかな。好騎乗が光った2着で、漠然と中段に付ける競馬なら4着以下だったと思う。
3着:16ノームコア
振り返ってみれば2着を取れなかったのは出足が付かなかったことが大きい。ただ、やはり高速東京マイルの適正はこのメンバに入ればやはりアーモンドアイの次。この馬に関しては地力と適性で勝ち取った3着だったように思う。今後も東京マイルなら軽視はできないだろう。
地味に横山典Jの騎乗も好騎乗で、出遅れつつも序盤に最低限のポジションは確保してきたし、コーナーで無理に押し上げることもなく、できるだけ外を回らないような進路取りをしてきた。このあたりのコーナーワークはさすがに横山典Jは上手い。
振り返ってみれば、今回は外枠の地力のある2頭がジョッキーの好騎乗で外枠の不利を最小限にする騎乗をしてきて、普通に実力通り決まったという感じかな。この実力上位馬1-2-3で3連複2,960円は本来美味しすぎる。
枠順や展開で捻りすぎて失敗した人(あるいはレーンに傾倒しすぎた人?)が多かったのだろう。自分も反省。
4着:13トロワゼトワル
これまでの2戦の惨敗が嘘のような逃走劇。陣営も控える競馬を示唆していたが、蓋を開ければ京成杯を彷彿させるような逃げで、本命党の肝を冷やす4着。
近2走は枠や状態面もあったのかな。京成杯の逃げを見事に再現した。やはりこの馬は高速馬場でぶっとばせるだけぶっ飛ばすというのがベストパフォーマンスに繋がる馬だと思う。それをやれた三浦Jもこれまた好騎乗だった。
ただ、1600mを世界レコードで逃げ切った馬(軽斤量とはいえ)が超高速馬場開催の今回、単勝12番人気オッズ120倍超えとは舐められすぎでは…。
桜花賞のスマイルカナでも、春天のスティッフェリオでも思ったけど、中山で逃げて重賞楽勝した経験のある馬の人気があまりにも低い。確かに中山と東京や京都じゃコース形態も違うけど。最近は本当に馬券巧者が増えてもっと付くだろうと思う馬券のオッズが異常に低いことが多い。●王のような自動投票ソフトでは、このような非王道な競馬で評価をする馬の評価が低いのかな? 最近は美味しいと思う馬券が少なくなってきたけど、辛うじてこういう部分には妙味が残っているように感じる。
5着:07ダノンファンタジー
枠の並びから楽に好位をとれるだろうなと思って、内枠有利の傾向も踏まえて本命にしていた。予想通り最高のポジション・位置取りで競馬をしていたが、直線は弾けることなくジリジリと止まりもせず伸びもせず5着。
この馬に関しては完全に力負け。位置取りに加えて、前走+22kgからの上積み・超高速馬場での上積みに期待したが、純粋に力が足りなかった。
欲を言うのであれば、もう少しスローになった方がチューリップ賞やローズSを思えば良かったかもしれないが…ちょっと上積みの限界も感じるし、一戦級相手には足りないことが証明され、底を見せてしまったという印象。
8着:05プリモシーン
近走割とゲートは出ていたが、今回は出負け癖を露呈してしまい、後方からの競馬になり、コーナーも外目を回らされ直線も思ったほど弾けずの8着。
結果的には出負けと外目回したのが響いたと思うけど、この馬の本来の能力や適性を考えれば掲示板までは来て良い馬。
実質高速馬場の府中牝馬Sを惨敗した頃からやっぱり少しおかしく、東京新聞杯も勝つには勝ったが馬場の割に時計が平凡で、レースレベルが低かったかと思っていてこの馬の状態面には元々懐疑的だった。直前の細江氏の一押し馬に指名されたこととレーン人気もあって、ちょっと過剰人気だったと思う。
正直馬がもうピークを過ぎているのかなと思わせるここ数走と今回の走りだった。
9着:02ビーチサンバ
やや出負けしたところから二の足も付かず後方からの競馬。驚くような上がりを使える馬でもなく、そのままなだれ込んでの9着だった。
この馬のベストな条件というのが正直分からない。オークスで大きく崩れているように長い距離はこなせる馬ではないし、マイル以下だとゲートも遅いし道中の追走にも苦労する。
個人的には高速の1800~2000で逃げor先行して上がりもそこそこ纏めるような競馬が合っているんだろうなという印象。この馬も一戦級とはだいぶ差がある印象。
14着:17コントラチェック
トロワゼトワルに予想外のハナを叩かれ、逃げることができず、14着に惨敗。確かにハナを取れなかったことも痛かったが、それ以上にハイペースで中盤緩まず淡々とラップを刻まれたことがいちばん痛かったと思う。
ターコイズSも前半のラップは速いが、中盤ではしっかりと息を入れてラスト2Fで瞬発力を活かして逃げきる競馬をしており、この馬が持ち味が出る展開にならなかった。
こういうタイプの馬が2頭揃ってしまうと、各騎手が合理的な騎乗をする場合においてはどうしてもこういうタイプは脆さがでる逃げ馬ということになってしまう。
府中が合わないと決めるのは早計で、単騎逃げが叶いそうな場面であれば再び狙いたい。
15着:14スカーレットカラー
型通りの後方待機策。この馬に関しては戦前の予想通り、基礎スピードは足りず、ペースが緩んだ方が良いタイプの差し馬だとは思っていたので、凡走は想定内だったが、それ以上に騎手の騎乗もまずかった。
この馬に関しては本来使える足は短いので、道中での消耗はなるべく控えて追い出しを我慢する騎乗が求められるが、3コーナーから無理に押し上げてペースの落ちないコーナーで大外回して番手を押し上げるというこの馬でなくてもやってはいけない騎乗をやってしまい、最後は全く使える足がなくなってしまった。
この馬に関する考察については、完全に戦前の予想通り(下記)で、馬の適性的にも厳しかったし、乗り替わりも完全にマイナスになった。
#ヴィクトリアマイル #スカーレットカラー (2/2)
— 競馬全頭分析 (@keibazentoumiru) May 13, 2020
府中牝馬Sでは後方ながら現実的な位置で、自身前半1000m60秒弱と無理なく進め、L2Fまで岩田Jが追い出しを我慢し、最後に末脚を爆発させた。
今回高速1600でそんな騎乗が叶うかは疑問。石橋Jへの乗替も痛い。雨でペースが緩めばだが今回の条件は難しそう https://t.co/igO0rPzdTW