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NHKマイルカップ2020 レース回顧・各馬分析
遅くなりましたが、NHKマイルカップのレース回顧・各馬の分析をしていきたいと思います。
<レース結果>
東京 芝 1600 良 1:32:5
12.3 - 10.4 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.2 - 12.0
46.0-46.5 +0.5秒のHigh
1着:11 ラウダシオン
2着:03 レシステンシア
3着:06 ギルデッドミラー
<総評>
~実像は直線向かい風が効いたスローの前有利競馬?~
思ったよりは中盤だいぶラップが緩んだなあ、というのが印象です。走破タイムも今の超高速馬場を思えば若干物足りない。中盤緩みすぎたことと風の影響もあったのかもしれません。
結果としてはほぼ前目内目の馬で決まったレース。
メディアの評価や巷の回顧記事を見ると、”レシステンシアが前半淀みのないペースで逃げたことで1400mの競馬になった”という評価が割と大勢を占めていますが、ちょっとこの評価には疑問というか懐疑的です。
まず、前半は向こう正面向かい風を考慮すれば額面の数字よりはスローだし、大してハイペースでない。加えて、高速馬場の府中マイルはコーナーの中盤(4,5F)が緩むほど後方待機の中距離寄りの馬が取りつく隙が生まれ、内と外の有利不利差も解消されやすいので、とてもレースの中身自体は1400m的な競馬だったとは言えないと考えます。
私の見解としては、
①前半~中盤にかけてスローペースだったため、前目の馬でも十分に脚が溜まった
②加えて、直線の向かい風のせいで、後方で足を溜めた組の末脚が不発(物理的に10秒台/Fを繰り出せる環境になかった)
以上の2つの要因が重なって異常に前有利な展開になったというのが、今回のレースの実像と考えます。肉を切らせて骨を断つ展開で中距離型後方待機の馬に向かない展開になったということではないと思っています。
もちろん、1600mを克服し後続を突き放したラウダシオンや、初輸送・重馬場の桜花賞明けを克服して好走したレシステンシアの価値は評価しています。
<各馬分析>
1着:ラウダシオン
私の信頼する『競●予想TV』の小●氏の指数も非常に高かった前走のファルコンS。確かに先行不利な展開から唯一の57kgを背負い高指数を叩きだした前走はもちろん評価していました。
ただ、前走ファルコンSも最後は完全に止まっていたことと、得意の1400寄りの競馬になった朝日杯での惨敗を見て、1600mをこなせないだろうと判断していました。馬券的には紐の紐で抑えていましたが、中々この馬に重い印を打つのは自分の競馬観では難しかったです。
反省点としては、以下の2点です。
①斤量経験をもっと評価すべきだった(これは春天においても痛感していた)
②(予想ペースとはだいぶ違ったが)前目有利だと踏んでいたのであれば前が止まらない馬場で、この馬の評価を上げるべきだった
#NHKマイルカップ #回顧
— 競馬 全頭分析 (@keibazentoumiru) May 10, 2020
ちなみに、今回の斤量をレース前に既に経験していた馬は
・ラウダシオン
・レシステンシア
・ラインベック
の3頭のみでした。
春天のときも痛感しましたが、やっぱり過去のレースでの斤量経験は大事。。
これは今後も覚えておいた方が良さそうです。
2着:レシステンシア
調教に関しては周知のとおり、デビュー後もっとも軽い調教で、状態面に関しては不安がありました。
#レシステンシア 最終追い切り(栗坂)
— 競馬 全頭分析 (@keibazentoumiru) May 6, 2020
◆新馬
54.3-39.3-25.3-12.4
◆ファンタジーS
53.1-38.4-24.9-12.2
◆阪神JF
52.1-37.0-23.9-11.9
◆チューリップ賞
52.0-37.2-23.8-11.8
◆桜花賞
49.5-36.2-23.8-12.1
◆NHKマイルC
56.5-40.5-27.0-13.7
デビュー以来最低の最終追い…特に減速ラップが酷い…
ただ、調教に関してはこれまで速い追い切りで結果を出し続けてきたことは事実ですが、一方でこれだけ緩めた調教も初めてで、追い切りの強さと本番の結果が連動するタイプとは言い切れないわけで、これだけでは軽視する材料としては少し弱かったように思います。
私が軽視していた(ラウダシオンと同様押さえの押さえまで)最大の理由は、これまでのGⅠでの好走要素として、
①後続の有力馬を離して逃げ・先行
②かなりのハイペースで逃げ・先行
が大きかったと考えており、今回のコース・馬場・テン乗り・状態面への不安意識がある状況では、①②を満たすことは難しいと読んでいました。
結果的に、その読みは当たっており、後続との差をそこまで離した逃げでもなく、実質はミドル~ややスローペースだったのですが、それでいながら2着に好走されてしまったことが最大の誤算でした。(前述の通り、純粋に前有利な展開となったこともありますが)
この馬に関しても地力・斤量経験が活きたというのもありますが、この馬の特徴であった「全体スピードの速い調教」「ハイスピードでの押し切り」が叶わない今回の条件で好走したわけで、これまでとは少し評価を変える必要があるかもしれない一走だったと考えています。
3着:ギルデッドミラー
この馬に関しては今回従前から本命評価をしていました。
#NHKマイルカップ
— 競馬 全頭分析 (@keibazentoumiru) May 10, 2020
◎06ギルデッドミラー
2走前の内容が良く、今回に繋がるラップで好走。半兄のストロングタイタンもコースレコードを複数コースで持つ超高速馬場巧者で2着に敗れた重馬場の前走からの上積み◎
鞍上も高速馬場の左回りは上手い。
何より速い全体時計から馬也で加速ラップを踏む調教が◎
やはり高速馬場は合うなという印象。もう少しコーナーでペースが緩まなければ(福永Jのコーナーインで溜める騎乗が嵌る展開になれば)、あるいはもう1頭前目がとれていれば2着はあったと考えるが、これは高望みすぎか。
1800mは難しいかもしれないが、ゴール後も1,2着馬より余裕が見られ、今後もマイルはこなせるかもしれない。twitterで書いた通り、重馬場では割引、高速馬場では上昇という評価で、今のところは良いだろう
※4着以降の回顧は、余裕があればやっていきます!