【種牡馬辞典】Bold Ruler系
Bold Ruler
<プロフィール>
1954年生、米国産、33戦23勝
<主な勝ち鞍>
1956年ベルモントフューチュリティS(D6.5)
1957年フラミンゴS(D9F)
1957年ウッドメモリアルS(D9F)
1957年プリークネスS(D9.5F)
<代表産駒>
ボールドラッド(1964年米ホープフルS、ベルモントフューチュリティS、1966年メトロポリタンH)
Secretariat(1972年米ホープフルS、ベルモントフューチュリティS、1973年ケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントS、マンノウォーS)
Wajima(1975年モンマス招待H、トラヴァーズS、ガヴァナーS、マールボロC招待H)
<特徴>
大種牡馬Nasrullahの渡米後3年目の産駒であり、Nasrullahが送り出した最強馬の一頭。さらに、種牡馬としては北米リーディングサイアーに8度輝くなど、競走馬としても種牡馬としても輝かしい記録を残したアメリカ競馬を代表する名馬である。快速馬Dominoの4×4を持つ3代母にPompey、Discoveryと北米血脈が掛け合わされたのが母Miss Disco。一流とはいえない種牡馬を経由しているが、4代母から母までの4頭はいずれもステークス勝ち馬であり、牝系由来のスピードは本馬にも大きな影響を与えた。早熟型で2~4歳時に23勝を挙げた反面、強情で気難しい気性からも長距離は得意としていない。子孫にも主にワンペースなスピードを伝え、本馬自身はトモが薄く前輪駆動で走ったため直線平坦コースの方が得意ともいえる。近年の種牡馬ではロイヤルスキーやジヤツジアンジエルーチが近い適性を伝えているか。ロイヤルスキーの3×4を持つキャプテントゥーレが2008年皐月賞を逃げ切り、母父ジヤツジアンジエルーチのオレハマッテルゼが小回り直線平坦時代の高松宮記念を制している。
-Chieftain
<プロフィール>
1961年生、米国産、36戦13勝
<主な勝ち鞍>
1963年カウディンS(D7F)
1965年アーリントンH(D9F)
<代表産駒>
Silver Series(1978年ワイドナーH)
Lucky Lucky Lucky(1983年米メイトロンS、1984年ケンタッキーオークス)
Fit to Fight(1984年メトロポリタンH、サバーバンH、ブルックリンH)
<特徴>
Tom Rolfe(1965年プリークネスS、アーリントンクラシックS、アメリカンダービー)や種牡馬War Hawkの半兄。母母Howも1951年ケンタッキーオークスとCCAオークスを制した活躍馬で、母Pocahontasはその父Roman、さらにBuchanの3×5などから豊富なスピード因子を継承。Ribot産駒のTom Rolfeは中距離を中心に活躍したが、本馬はBold Ruler産駒の分、両親のスピードを全面に受け継いだスピード馬として活躍した。ブラックホーク(1999年スプリンターズS、2001年安田記念)やピンクカメオ(2007年NHKマイルC)などを出したシルバーレーンのスピード源は本血脈が中心となっている。
---Seattle Slew
<プロフィール>
1974年生、米国産、17戦14勝
<主な勝ち鞍>
1976年米シャンペンS(D8F)
1977年フラミンゴS(D9F)
1977年ウッドメモリアルS(D9F)
1977年ケンタッキーダービー(D10F)
1977年プリークネスS(D9.5F)
1977年ベルモントS(D12F)
1978年マールボロC招待H(D9F)
1978年ウッドワードS(D10F)
<代表産駒>
Swale(1983年ベルモントフューチュリティS、ヤングアメリカS、1984年フロリダダービー、ケンタッキーダービー、ベルモントS)
Slew o'Gold(1983年ウッドメモリアルS、1983、84年ウッドワードS、ジョッキークラブGC、1984年ホイットニーH、マールボロC招待H)
A.P.Indy(1991年ハリウッドフューチュリティ、1992年サンタアニタダービー、ベルモントS、BCクラシック)
ダンツシアトル(1995年宝塚記念)
タイキブリザード(1997年安田記念)
<特徴>
アメリカ競馬史上初の無敗のクラシック三冠を達成した歴史的名馬。4年前の三冠馬Secretariatとは異なり種牡馬としても大成功を収め、現在はBold Ruler系の最大勢力として父系を伸ばしている。母My CharmerからStriking=Busherの3×3の強靭なパワーとPrincequillo系Pokerの豊富なスタミナを継承。さらに、自身はNasrullah≒Royal Chargerの4・5×4で柔らかさとスピードも引き出しており、まさに最強馬にふさわしいスピード、パワー、スタミナの三拍子が揃った好配合といえるだろう。種牡馬としては長手の体形と柔らかさをよく伝え、前捌きが硬めのBold Ruler系ではSecretariat同様に異質の存在であり、大箱コースをストライドを伸ばして走る姿がよく似合う。リーチザクラウン(2010年マイラーズC)の大トビのフットワークはまさに母父Seattle Slewから受け継いだものであり、ワンペースな持続力を活かす競馬で強さを発揮した。1983年英2000ギニー優勝馬Lomond、種牡馬シアトルダンサーⅡは本馬の半弟。
----A.P.Indy
<プロフィール>
1989年生、米国産、11戦8勝
<主な勝ち鞍>
1991年ハリウッドフューチュリティ(D8.5F)
1992年サンタアニタダービー(D9F)
1992年ベルモントS(D12F)
1992年BCクラシック(D10F)
<代表産駒>
シンボリインディ(1999年NHKマイルC)
Mineshaft(2003年ピムリコスペシャルH、サバーバンH、ウッドワードS、ジョッキークラブGC)
Bernardini(2006年プリークネスS、トラヴァーズS、ジョッキークラブGC)
Rags to Riches(2007年ラスヴァージネスS、サンタアニタオークス、ケンタッキーオークス、ベルモントS)
Music Note(2008年マザーグースS、CCAオークス、ガゼルS、2009年バレリーナS、ベルデイムS)
<特徴>
Summer Squall(1989年米ホープフルS、1990年プリークネスS)の半弟で、本馬自身も1992年BCクラシックなどを制して同年北米年度代表馬のタイトルを獲得。さらに、引退後は種牡馬として数多くのGⅠ馬を輩出し、2003、06年には北米リーディングサイアーにも輝いた。母Weekend SurpriseはSecretariat≒Sir Gaylordの1×3という柔らかさ満点の繁殖牝馬で、そこに同じく柔軟性に優れたSeattle Slewを父に配したことで本馬自身も全身運動で走るストレッチランナーに。この特徴は子孫にもよく伝わっており、父Seattle Slew同様に大箱コースを得意とする馬が多い。さらに、Striking=Busher≒Busandaの5・5×4と父のパワー源もしっかりと継続しており、Seattle Slewの正統後継種牡馬として現在も枝葉を伸ばしている。ちなみに、生まれに20年以上の開きがあるが、1980年北米リーディングサイアーRaja BabaとはBold Ruler父系、Missy Baba牝系という点で共通する。
-----Pulpit
<プロフィール>
1994年生、米国産、6戦4勝
<主な勝ち鞍>
1997年ファウンテンオブユースS(D8.5F)
1997年ブルーグラスS(D9F)
<代表産駒>
Tapit(2004年ウッドメモリアルS)
Ice Box(2010年フロリダダービー)
Lord Nelson(2016年トリプルベンドS、ビングクロスビーS、スプリントCSS)
<特徴>
Aloeに遡るイギリスの伝統的な牝系であり、4代母Monarchyは66戦43勝を挙げて当時の世界最高賞金獲得馬となったRound Tableの全妹。さらに、母Preachは1991年フリゼットSなどを制した活躍馬で、その全姉YarnはMinardi(2000年フェニックスS、ミドルパークS)や種牡馬Tale of the Catを出しており、その孫ヨハネスブルグ(2001年フェニックスS、モルニ賞、ミドルパークS、BCジュベナイル)は2001年にカルティエ賞最優秀2歳牡馬、エクリプス賞2歳牡馬チャンピオンを獲得する偉業を成し遂げた。本馬は怪我により競走馬としては大成できなかったが、種牡馬としてはTapit(2004年ウッドメモリアルS)を輩出するなどして成功。さらに、後継種牡馬が続々と成功を収めており、Tapit系を中心に今後のさらなる発展が期待される。
------Tapit
<プロフィール>
2001年生、米国産、6戦3勝
<主な勝ち鞍>
2004年ウッドメモリアルS(D9F)
<代表産駒>
テスタマッタ(2009年ジャパンダートダービー、2012年フェブラリーS)
Tonalist(2014年ベルモントS、2014、15年ジョッキークラブGC、2015年シガーマイルH)
クリエイターⅡ(2016年アーカンソーダービー、ベルモントS)
Tapwrit(2017年ベルモントS)
Essential Quality(2020年ブリーダーズフューチュリティS、BCジュベナイル、2021年ベルモントS、トラヴァーズS)
<特徴>
競走馬時代は病気や故障の影響で大成できなかったが、引退後はTonalist(2014年ベルモントS、2014、15年ジョッキークラブGC、2015年シガーマイルH)などを出して2014~16年北米リーディングサイアーに輝いた名種牡馬。3代母Moon Glitterは種牡馬Relaunchの全姉という良血馬で、母Tap Your Heelsは北米最優秀短距離馬Rubiano(1991年NYRAマイルH、1992年カーターH、ヴォスバーグS)の3/4同血の妹。In Realityの4×3を中心に父の美点を活かした配合形で、本馬はそこにA.P.Indy系の極上の柔らかさとNijinskyの5×3由来の長手の体形が加わった競走馬であった。胴長でストライドの大きな走りは産駒にもよく伝わっており、子孫には大箱コースを得意とする馬が多い。特にベルモントSとの親和性は非常に高く、Tonalist、クリエイターⅡ、Tapwrit、Essential Qualityという4頭の優勝馬を輩出(2021年時点)。日本馬でもラニが2016年ベルモントSでクリエイターⅡの3着と好走しており、初年度産駒の輸入馬テスタマッタは2009年ジャパンダートダービー、2012年フェブラリーSと大箱ダートGⅠを制している。Pulpit、Unbridled、Moon Glitter(=Relaunch)など現代血統における重要な血脈を豊富に併せ持っており、今後も世界中で重宝される血統のひとつといえるだろう。
------パイロ
<プロフィール>
2005年生、米国産、17戦5勝
<主な勝ち鞍>
2009年フォアゴーS(D7F)
<代表産駒>
ミューチャリー(2021年JBCクラシック)
メイショウハリオ(2022年帝王賞)
<特徴>
GⅠタイトルは2009年フォアゴーSのみだが、2007年BCジュベナイル2着や2008年トラヴァーズS3着など2歳時から一線級で活躍。Seattle Slew→A.P. Indy→Pulpitと繋がる父系だが、本馬は母父Wild Againの影響が強く、Seattle Slew系らしからぬ小気味のいいフットワークで走る姿が特徴的。種牡馬としても俊敏、かつ粘り強い産駒を多く出し、特に小回りコースが多い地方競馬ではリーディング上位の常連となっている。Native Dancerの5×5しかインブリードを持たず、距離適性は繁殖相手次第。Northern Dancerが6代目に1本入るのみという血統も魅力で、年々存在感が増してきているダート種牡馬だ。
------シニスターミニスター
<プロフィール>
2003年生、米国産、13戦2勝
<主な勝ち鞍>
2006年ブルーグラスS(D9F)
<代表産駒>
ヤマニンアンプリメ(2019年JBCレディスクラシック)
テーオーケインズ(2021年帝王賞、チャンピオンズC、2022年JBCクラシック)
ドライスタウト(2021年全日本2歳優駿)
<特徴>
父Old TriesteはGⅠタイトルこそ手にしていないが重賞4勝の活躍馬で、その母Lovlier Lindaが1985年サンタマルガリータH優勝馬という血筋の良さにも期待されて種牡馬入り。僅か3世代の産駒から本馬とSilver Train(2005年BCスプリント、2006年メトロポリタンH)の2頭のGⅠ馬を輩出し、日本でもマルターズヒートが2003年フェアリーSを制している。本馬は 2006年ブルーグラスSを圧勝し、引退後は日本で種牡馬入り。2021年最優秀ダートホーステーオーケインズ(2021年帝王賞、チャンピオンズC、2022年JBCクラシック)を筆頭に3頭のダートGⅠ馬を出しており、北米血脈由来の強靭なパワーを子孫に伝えている。ただ、本馬自身は5代アウトブリードの配合形で、距離適性のレンジは広め。インブリードのきつい母との組み合わせが合い、War Relic≒Good Example≒Eight Thirtyを刺激する配合形にも注目だ。
-----Malibu Moon
<プロフィール>
1997年生、米国産、2戦1勝
<主な勝ち鞍>
-
<代表産駒>
Devil May Care(2009年フリゼットS、2010年マザーグースS、CCAオークス)
オーブルチェフ(2011年全日本2歳優駿)
Orb(2013年フロリダダービー、ケンタッキーダービー)
<特徴>
競走馬としては2戦1勝で引退となったが、母母Maximova(1982年サラマンドル賞)、母Macoumba(1994年マルセルブサック賞)という血筋の良さに期待されて種牡馬入り。Devil May Care(2009年フリゼットS、2010年マザーグースS、CCAオークス)やOrb(2013年フロリダダービー、ケンタッキーダービー)を筆頭に数多くのGⅠ馬を輩出して大成功を収めた。母は5代アウトブリードで、本馬は父A.P. Indyの影響を強く受けた後傾種牡馬。早熟性とスピードに優れた牝系出身の分、父よりも胴は短めだが、肩のつき方には十分な角度があり、日本での代表産駒であるオーブルチェフはしなやかなストライド走法で2011年全日本2歳優駿を制した。
-----Mineshaft
<プロフィール>
1999年生、米国産、18戦10勝
<主な勝ち鞍>
2003年ピムリコスペシャルH(D9.5F)
2003年サバーバンH(D10F)
2003年ウッドワードS(D9F)
2003年ジョッキークラブGC(D10F)
<代表産駒>
Discreetly Mine(2010年キングズビショップS)
Dialed In(2011年フロリダダービー)
True Timber(2020年シガーマイル)
<特徴>
イギリスでデビューを果たし、アメリカ移籍後にGⅠ4勝を挙げて2003年北米年度代表馬に輝いた父A.P. Indyの代表産駒の一頭。牝系は名繁殖牝馬La Troienneに遡る世界的名門。母Prospectors Deliteは1992年アッシュランドS、エイコーンSを制した名牝で、本馬のきょうだいにはGⅠ2勝馬Tomisue's Delight(1997年ラフィアンH、1998年パーソナルエンスンH)や種牡馬としてGⅠ馬を出したMonashee Mountainなどがいる良血馬だ。本馬は父にA.P. Indyを配してStriking=Busher≒Busandaの6・6・5×6を形成。牝系由来の強靭なパワーを継承しつつ、父譲りの柔軟性も兼備した最強馬だったといえるだろう。引退後は種牡馬としてGⅠ馬を複数頭輩出したが、血統と実績からの期待度と比べると成功したとは言い難い。ただ、繁殖牝馬の父としては既にGⅠを3頭出しており、母方に入って名牝系の血が騒ぐ可能性は十分にありそうだ。
-----Bernardini
<プロフィール>
2003年生、米国産、8戦6勝
<主な勝ち鞍>
2006年プリークネスS(D9.5F)
2006年トラヴァーズS(D10F)
2006年ジョッキークラブGC(D10F)
<代表産駒>
Stay Thirsty(2011年トラヴァーズS、2012年シガーマイルH)
To Honor and Serve(2011年シガーマイルH、2012年ウッドワードS)
Alpha(2012年トラヴァーズS、2013年ウッドワードS)
<特徴>
3歳時に2006年プリークネスSなど8戦6勝を挙げて北米3歳牡馬チャンピオンに輝いた父A.P.Indyの代表産駒の一頭。母Cara RafaelaはNearcticの4×4を中心とした早熟性とスピードが持ち味であり、1995年ハリウッドスターレットSを制すなど2~3歳時にはGⅠ戦線で活躍した。5番仔の本馬は父にA.P.Indyを配し、Bold Rulerの5・4×5、Princequilloの6・5・7×7・6・7・7、Striking=Busher=Mr. Busher≒Busanda≒Better Self≒の6・6・5×7・6・7など父の特徴を継続した配合形。名種牡馬である父の正統後継種牡馬であり、北米を中心に世界各国でGⅠ馬を輩出している。
-----マジェスティックウォリアー
<プロフィール>
2005年生、米国産、7戦2勝
<主な勝ち鞍>
2007年米ホープフルS(D7F)
<代表産駒>
プリンセスオブシルマー(2013年ケンタッキーオークス、CCAオークス、アラバマS、ベルデイム招待S)
ベストウォーリア(2014、15年マイルCS南部杯)
<特徴>
2007年米ホープフルSを最後方からの追い込み一気で勝利。その後は輝きを取り戻せなかったが、種牡馬としても北米と日本でGⅠ馬を輩出し、2015年11月からは日本で種牡馬生活を送っている。母母Spinning Roundは1993年バレリーナS優勝馬、母Dream Supremeは2000年テストS、バレリーナHを制したGⅠ2勝馬。本馬は父にA.P. Indyを配し、Secretariatの3×4、Buckpasserの4×4などで父の主要血脈を継続した形だ。本馬自身と同じく末脚を持ち味とする産駒も多く、A.P. Indy系らしい大箱向きの種牡馬といえるだろう。
----Big Shuffle
<プロフィール>
1984年生、米国産、17戦4勝
<主な勝ち鞍>
1987年コーク&オラリーS(T6F)
1987年テトラークS(T7F)
1988年グリーンランズS(T6F)
<代表産駒>
ターフローズ(2007年リディアテシオ賞)
Feuerblitz(2013年ローマ賞)
<特徴>
ドイツで6度のリーディングサイアーに輝いた名種牡馬。父父Bold Reasoningは米クラシック三冠馬Seattle Slewを出したことで有名だが、産駒でもう1頭のGⅠ馬が本馬の父Super Concorde(1977年モルニー賞、仏グランクリテリウム)。それに対して、牝系は母母Strings AttachedがLady Jurorの3×4など欧州マイラー質の強い配合形。母Raise Your SkirtsはアメリカでGⅢホルダーとなったが、父Super Concordeとの間に生まれた本馬はヨーロッパの芝1600m以下で活躍した。父系からMumtaz Mahal系の軽快なスピードを、母系からLady Juror系の重厚なスピードを受け継いでおり、ドイツの種牡馬では珍しくマイル以下に強いスピードを子孫に伝えている。
-----Areion
<プロフィール>
1995年生、独国産、16戦5勝
<主な勝ち鞍>
1998年ゴルデネパイチェ(T1200m)
<代表産駒>
Alson(2019年クリテリウムインターナショナル)
<特徴>
6度の独リーディングサイアーに輝いた名種牡馬Big Shuffleの跡を継ぎ、2010、2013、2015、2017年と4度の独リーディングサイアーの称号を手にしたドイツの名種牡馬。全妹Agnethaも英GⅢグッドウッドキングジョージSを制し、2001年フェニックスSでも3着と芝の短距離路線で活躍した。父に似た筋肉質で手足の短い短距離馬体型で、種牡馬としてもスプリント〜マイルに強い産駒を多く輩出。重厚なドイツ血統に非凡なスピード能力を与えている。
-Raja Baba
<プロフィール>
1968年生、米国産、41戦7勝
<主な勝ち鞍>
1971年デラウェアヴァリーH(D8.5F)
<代表産駒>
ロイヤルスキー(1976年ローレルフューチュリティS)
Sacahuista(1986年オークリーフS、1987年スピンスターS、BCディスタフ)
Is It True(1988年BCジュベナイル)
<特徴>
1980年北米リーディングサイアー。母母Uviraは1941年愛オークス馬で、その仔Missy Babaは名種牡馬Blandfordを4×3でインブリードし、その牝系を世界中に広めた。本馬はNasrullah≒Perfumeの2×3が最大の特徴。Nasrullah譲りの強靭なトモから生まれるスピードは子孫にもよく伝わっており、マイルを中心に多くの活躍馬を輩出した。日本では代表産駒の一頭であるロイヤルスキー(1976年ローレルフューチュリティS)を母の父に持つアグネスタキオン、その仔キャプテントゥーレが本馬の血を現代に繋げている。生まれに20年以上の開きがあるが、名種牡馬A.P.IndyとはBold Ruler父系、Missy Baba牝系という点で共通する。
-Secretariat
<プロフィール>
1970年生、米国産、21戦16勝
<主な勝ち鞍>
1972年米ホープフルS(D6.5F)
1972年ベルモントフューチュリティS(D6.5F)
1973年ケンタッキーダービー(D10F)
1973年プリークネスS(D9.5F)
1973年ベルモントS(D12F)
1973年マンノウォーS(T12F)
<代表産駒>
General Assembly(1978年米ホープフルS、1979年トラヴァーズS)
Lady's Secret(1985、86年マスケットS、ラフィアンH、ベルデイムS、1986年ラカナダS、サンタマルガリータH、シュヴィーH、ホイットニーH、BCディスタフ)
Risen Star(1988年プリークネスS、ベルモントS)
<特徴>
アメリカ競馬史上9頭目のクラシック三冠馬。母の父であるステイヤー種牡馬Princequilloの影響から四肢の長い巨漢馬で、Bold Ruler系の距離不安を見事に克服した。父系としては期待に応えられなかった反面、母系に入っての貢献度は非常に大きく、Chief’s Crown、Summer Squall、A.P.Indy、Gone West、Storm Catなどの母父にその名を残している。Royal Charger系Sir Gaylordとは兄弟であり、ロードカナロアの5代母Syrian Seaは本馬の全姉という間柄。いずれも柔軟性をよく伝え、名馬の直線スピードを支えるスパイスとなっている。
≪坂上 明大(Sakagami Akihiro)≫
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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