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【新種牡馬研究】マインドユアビスケッツ

ドバイGSを連覇したダートスプリンター

<馬名>
マインドユアビスケッツ
 <プロフィール>
2013年生、米国産、25戦8勝
<主な勝ち鞍>
2016年マリブS(ダ7F)
2017年ドバイゴールデンシャヒーン(ダ1200m)
2018年ドバイゴールデンシャヒーン(ダ1200m)

マインドユアビスケッツ

7代母Iron Maiden(1947年デルマーH)に遡る北米牝系。母は不出走馬で、繁殖牝馬としても本馬以外には活躍馬を出せていないが、Good Example≒War Relic≒Eight Thirtyなどのパワー血脈を豊富に持つ反面、Nasrullah≒Royal ChargerなどのMumtaz Mahal血脈も多数併せ持つ点が特徴的。

父Posseは2003年リヴァリッジBCS(GⅡ・ダ7F)などを制したダート短距離馬。GⅠでは2003年ヴォスバーグSでの3着が最高着順だが、種牡馬としては本馬以外にもKodiak Kowboy(2009年カーターH、ヴォスバーグS、シガーマイルH)やCaleb's Posse(2011年キングスビショップS、BCダートマイル)などを輩出して一定の成功を収めた。Deputy Minister系Silver Deputy産駒でダートでの活躍馬が多かったが、母RaskaはRahy産駒の芝血統馬で、半兄Green Feeは2002年ケルソH(GⅡ・芝8F)などを制している。

本馬はDeputy Ministerの3×4、Blushing Groomの4×5、Hail to Reasonの5×4などを持つ父母相似配合。両親の持ち味を継続した配合形であり、本馬自身も2017、18年ドバイゴールデンシャヒーンなどダート短距離路線で活躍した。ただ、ドバイゴールデンシャヒーンでの強烈な末脚は典型的なダート短距離馬とは異なり、柔らかいフットワークからも芝適性の高さが窺える。これは、Blushing Groomの4×5を中心としたMumtaz Mahal血脈の影響であり、同血脈を増幅する配合形なら産駒から芝馬の活躍馬が出てもまったく驚けないだろう。

注目の配合形としては、Good Example≒War Relic≒Eight Thirtyを刺激するパターンが最初に挙げられる。特に、フジキセキとの組み合わせでは「フジキセキ+Deputy Minister」のダート黄金配合が成立。この組み合わせからはカネヒキリ(2005年ジャパンダートダービー、ダービーグランプリ、2005、08年ジャパンCダート、2006年フェブラリーS、2008年東京大賞典、2009年川崎記念)、サウンドトゥルー(2015年東京大賞典、2016年チャンピオンズC、2017年JBCクラシック)、ホワイトフーガ(2015、16年JBCレディスクラシック)など数多くのダートチャンピオンが誕生しており、Deputy Ministerを2本持つ本馬の産駒においても成功する可能性はかなり高そうだ。

カネヒキリ
サウンドトゥルー
ホワイトフーガ

また、同様の根拠からヘニーヒューズとの組み合わせも◎。同馬もEight Thirty≒War Relicから強靭なパワースピードを継承しており、同馬の産駒からもDeputy Ministerとの間ではアジアエクスプレス(2013年朝日杯FS)=レピアーウィット(2021年マーチS)、フジキセキとの間ではドンフォルティス(2017年北海道2歳優駿)など多くの活躍馬が誕生している。その他でも、Storm Cat系との組み合わせは総じて相性がいいだろう。

アジアエクスプレス
ドンフォルティス

反対に、芝向きに寄せるならRed God≒Haloを刺激する配合形が有効。サンデーサイレンスなどのHalo系やそれと類似するSir Ivor≒Droneなども産駒に軽いスピードを与えてくれるだろう。特に、父Posseの母父Rahyは名牝Glorious Songの仔。その全きょうだいにはDevil's Bag=Angelic Song=Saint Balladoがおり、タイキシャトルやロージズインメイを母方に持つ繁殖牝馬との組み合わせには要注目だ。

タイキシャトル
ロージズインメイ

他では、Kingmamboと組み合わせて「Kingmambo+Roberto」を形成する手も吉。Deputy Minister系、かつRobertoを持つ点で共通するクロフネ産駒においてもKingmamboの有効性は証明されており、特にソダシ(2020年阪神JF、2021年桜花賞、2022年ヴィクトリアマイル)やスプリングサンダー(2012年阪神牝馬S3着)、マリアエレーナ(2022年愛知杯2着)など芝馬の活躍馬が多い点が特徴だ。

ソダシ

インブリードのうるさい種牡馬だけに基本的には自身と似たタイプを出すだろうが、マインドユアビスケッツ自身が実績以上に芝適性を秘めていた可能性が高く、配合形によっては芝のスプリンターやマイラーも期待できる種牡馬といえるだろう。

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