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【桜花賞&オークス】有力馬の血統&馬体を整理してみた。

3月21日(月)にフラワーCが行われ、これで桜花賞の出走馬がおおよそ決定した。今回は阪神JFからフラワーCまでの牝馬限定重賞の勝ち馬を血統&馬体面から深掘っていく。(下記動画は昨年末に収録した2歳牝馬番付です。)

≪坂上 明大(Sakagami Akihiro)≫
 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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ハービンジャー産駒が躍進する3歳牝馬路線

・サークルオブライフ(阪神JF)
エピファネイア×アドマイヤジャパンは中長距離向きの組み合わせだが、牝系は4代母Great Lady M.に遡るスピード一族で、母シーブリーズライフも芝1400m以下で3勝した短距離馬。肩に角度がつき、背中も長めで長い直線で末脚を伸ばす競馬がベストである点は父譲りだが、筋肉量やまとまった体形は牝系から受け継いだもので、現状は1600~2000mでの末脚勝負がベストといえるだろう。

サークルオブライフ

・ライラック(フェアリーS)
4代母スカーレツトインクに遡る名牝系で、母母ブルーリッジリバーはダイワメジャー≒ダイワスカーレットと3/4同血の桜花賞2着馬。キングカメハメハ産駒の母の仔にはブラックホール(2019年札幌2歳S)がおり、ドリームジャーニー産駒の姉ミラクルブラッドもダート1800mで2勝を挙げている。本馬はドリームジャーニーの全弟オルフェーヴルを父に配したが、牝系譲りのパワースピードを武器に中山マイル戦のフェアリーSを制覇。ノーザンテースト譲りのタフさが最大の魅力で、消耗戦になった場合は要注意だ。

ライラック

・プレサージュリフト(クイーンC)
母母スーヴェニアギフトは2004年デルマーデビュタントSで2着などした早熟の短距離馬。母シュプリームギフトも芝1600m以下で5勝を挙げ、本馬の半姉オールアットワンスも2021年アイビスSDを制したスプリンター一族だ。本馬はハービンジャーを父に持つためトモが緩く1600m前後がベターだが、直線でのトップスピードには同牝系らしい非凡なスピード性能を感じる。GⅠとなるとスタートの上達は必須だが、直線勝負なら引けを取ることはないだろう。

プレサージュリフト

・ナミュール(チューリップ賞)
母サンブルエミューズは2013年フェアリーS3着馬で、4歳以降は短距離路線で活躍。本馬の半兄ヴェスターヴァルトも2020年ファルコンS3着など短距離路線で活躍しており、本馬もハービンジャー産駒ながら非凡な瞬発力を武器にチューリップ賞を制した。父の産駒らしく後躯がやや弱いため追走力に劣る面はあるが、末脚勝負では3歳牝馬路線屈指の素質馬といえるだろう。

ナミュール

・サブライムアンセム(フィリーズレビュー)
母母ハッピーパスは2003年京都牝馬S優勝馬。同馬の仔にはコディーノ(2013年皐月賞3着)やチェッキーノ(2016年オークス2着)などがおり、本馬の母パストフォリアも芝1400~1800mで4勝を挙げた。本馬は父にロードカナロアを配し、Kingmambo+Robertoのパワーや牝系譲りのスタミナと機動力を兼備。ただ、気難しい馬だけに、今後も折り合い面が課題になるだろう。

サブライムアンセム

・スタニングローズ(フラワーC)
4代母ローザネイから繋がる薔薇一族。3代母ロゼカラーは1996年秋華賞3着馬、母母ローズバドは2001年オークス、秋華賞、エリザベス女王杯でそれぞれ2着と好走。母の半弟にはローズキングダム(2009年朝日杯FS、2010年ジャパンC)がおり、本馬は同馬と3/4同血の間柄だ。Mill Reefの5×5、Kingmambo+Robertoなどバランスのいい配合形で、マイル~中距離なら幅広い舞台で好走可能だろう。

スタニングローズ

異常事態!?ディープインパクト産駒の不振

2019年生まれの現3歳世代はディープインパクトが生産頭数を抑えたため、同産駒の総数自体が少ないのは事実。ただ、それでも牡牝ともにディープインパクト産駒の不振が目立ち、特に牝馬路線においてはいまだ一頭の重賞勝ち馬を出していないという異常事態が継続中だ。

また、大種牡馬キングカメハメハも数年前から生産頭数を抑えており、まさに群雄割拠の種牡馬戦国時代を象徴するような状態となっている。

そんなときに存在感を増すのが、やはり名牝系の活力だろう。競馬ファンは種牡馬や父系ばかりを重視してしまう嫌いがあるが、生産においては母馬についても、、、というよりも、母馬の方が重要であると考えるのが自然である。これは、以前にYouTubeでお話を伺った治郎丸敬之さん(ROUNDERS編集長)や望田潤さん(血統評論家)も口をそろえて言うことだ。

予想においては、牝系よりも種牡馬の研究を重視する方が効率的であることは間違いないが、母馬の大切さが頭にあるかないかで血統表の見え方は大きく変わるのではないだろうか。


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