競馬の調教タイム 2歳 小倉ダート編

調教マガジン 2歳編のラストは小倉ダートについて。この後は、調教マガジン3歳以上編を公開していくつもりだが、数値・統計的にはそれほど2歳と差は出ないかもしれない。なので、もう少し切り込んで書ければなあ、、、と思案中。近いうちに公開するので良かったら見てください。
さて、小倉ダート。これも母数はかなり少ない。新馬勝ちやダービーまでに2勝する馬の新馬戦の調教として、小倉ダートで追切をする馬はほとんどいないに等しいような母数しかなかった。よって、いつも以上に参考程度として捉えて欲しい。
集計調査では特に期間の切り分けはしないで行っている。ちなみに集計期間は2007年10月から2020年5月末。
なお、これまでの記事と同様に、良馬場で馬ナリなのか一杯なのかも混在した特殊な条件での集計値。そういった辺りも考慮して見て欲しい。

1．調教タイムについて

先ずはいつも通り調教タイムの中央値や平均値を確認。
　青色：2歳戦全体の追切調教タイム
　赤色：特別戦やオープンに出走した馬の追切調教タイム
　グレー：重賞に出走した馬の追切調教タイム
　黄色：デビュー戦で勝った馬の新馬戦の追切調教タイム
　水色：ダービーまでの期間に2勝以上した馬の新馬戦の追切調教タイム
についてそれぞれ調査してみた。

母数が少ないため、タイム的なバラツキだけでなく、カテゴリとしてもバラバラな数値になっている。5Fだけでなくこの後1Fに至るまで新馬勝ちや2勝馬新馬戦の数値は参考にならないので無視してもらっても構わない。
小倉ダートの5Fは札幌ダートより更に遅く、71秒くらいで標準的、69秒前半でも優秀な方に入りそうだ。

4Fも母数が少ない上にバラツキが多くあまり参考にしにくい結果となっている。5Fもそうだが、不思議なのは特別・オープンに出走する馬のタイムの方が全体的に遅いこと。夏場に小倉に滞在して特別・オープンに出るような馬は、新馬と特別・オープンまでの期間が短いことが予想されるので、軽めの調教になってしまうのかもしれない。ここは単純な数値の集計ではなく、もう少し詳しくデータを拾わないと見えてこないかも。
55秒後半が出れば標準的、54秒くらいが出れば優秀と言えそうだ。

四分位範囲(第一四分位数である25%～第三四分位数である75%までの全体の50%、上記グラフの箱ヒゲ図の真ん中のBOX部分)も狭まってはきたが、バラツキは多く同様になかなか参考にしにくい状態だ。
タイムはやはり遅めで、30秒台があまり出ていない。41秒くらいが出ていれば標準的、40秒くらいでも十分優秀な方と言えそうだ。

最後1Fはさすがに四分位範囲も狭まり、母数が少なくても比較的信頼性がありそうな集計数値になった。
12秒後半が出れば標準的、12秒前半が出れば十分優秀と言えそうだ。

小倉のダートのタイムとして母数が非常に少ない中で判断すると
2歳全体としては、
     71.0 - 55.8 - 41.1 - 12.9 が平均的なタイム
新馬勝利やその後の勝利も望むような馬の数値は参考になる母数がないので、2歳全体としてで見ると
     69.4 - 54.4 - 40.1 - 12.4 といったタイムが出ていると優秀な部類
といった感じの結果だった。

札幌ダートと同様に小倉ダートだと何故時計が掛かるのかは不明。これも実際に小倉で調教されている方にいつか取材して聞いてみたいところだ。

2．回った位置について

回った位置の違いによるタイム差についても同様に調査。

小倉ダートに関して言うと、多少内と外でのタイム差があるが気にしなくても良いレベルと思われる。
5Fで比較的よく使われる4分どころから8分どころで見てみると、差は0.5秒もないくらいだろう。1つ外側になる毎にあっても0.1秒くらいの差と思えば良さそうだ。3Fだとその差は0.2～0.3秒くらい。1つ外側になる毎に0.05秒程度である。1Fならばほぼ内と外の差は出ないと思って良さそうだ。

3．加速ラップについて

最後に加速ラップについても調査。

母数が少ないので比率は高くなりがちではあるが、何と小倉で追切をして勝利した馬のうち8割以上は加速ラップを出していたようだ。小倉での追切馬に関して言うと、勝利する上で加速ラップは重要視した方が良いと思われる。

上記の表の11.9は11.9以下全てを含み、13.6は13.6以上全てを含んでいる。

①-1を見るとラスト1Fで12.5秒以下が8割以上だから、もし加速ラップならラスト1Fは12.5秒以下が一つの目安と言える。①-2を見る限り、加速ラップで着外になった馬で12.5秒以下は4割以下なので、もちろん12.5秒以下なら必ず勝てるというものではないが可能性はグッと高まると言えそうだ。
一方、最後1Fだけ垂れて勝った馬は1頭もいなかった。加速ラップではなく勝利した馬も少数。全体の2割以下なので当然と言えば当然か。

続いて5Fの方も確認しておこう。

これも66.9は66.9以下全てを含み、69.1は69.1以上の全てを含んでいる。

5Fタイムは、そもそも小倉は速いタイムが出ないのでほとんどが69.1秒以降のタイムとなっている。小倉ダートなら5Fタイムは特に気にする必要はなさそうだ。

以上で、調教マガジン 2歳編の本編は終了。次回は、全体のまとめを書いて2歳編を終了しようと思う。3歳以上編はもう少し内容をパワーアップして書いてみようと思う。

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