ヴィクトリアマイル 2024

こんにちは。競馬研2回生の花田です。
フェブラリーS以来のGⅠ記事を担当します。よろしくお願いします。

さて今年のヴィクトリアマイルですが、昨年のマイルCS覇者ナミュール、秋華賞で三冠牝馬リバティアイランドを追い詰めたマスクトディーヴァに加え、秋華賞、エリザベス女王杯3着ハーパー、ターコイズS勝ち馬フィアスプライド、中山牝馬Sを鮮やかな逃亡劇で制したコンクシェルなど、重賞戦線の有力牝馬が集結しました。非常に難解な一戦となっています。

以下では、本レースが行われる東京芝1600mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえ予想していきます。

まずは東京芝1600mのコース形態について見ていきます。スタート地点は向正面直線の右奥で、初角までの距離は約540m。3コーナーにかけてはおおむね下り坂になっており、その後高低差2.1mのなだらかな上り坂を持つ約530mの最終直線が待ち構えています。

まず注目すべきは初角まで約540mという距離があることです。これは東京芝コースの中で最も長いです。スタートしてから序盤の隊列は定まりづらく、先手争いは長引きやすく、序盤のペースは流れ、コーナーにかけての中盤でペースが緩みます。先行勢が再加速するまでの区間で後方勢が下り坂の惰性で進出できるため、最終直線に入るまでに前とのポジション差を縮めやすくなっています。したがって、序盤から中盤で脚を温存しながら追走し、最後に速い上がりを使うことができる差し脚確かな馬が有利となっています。

これは数字からも明らかで、ヴィクトリアマイルの過去10回において、上がり3F4位以内馬の成績は【8-5-3-28】勝率18.2%、連対率29.5%、複勝率36.4%、単回収率191%、複回収率145%と優秀です。

ただ、ひとつ注意しなければならないことがあります。それは、先週のNHKマイルCはAコース最終週、ヴィクトリアマイルはBコース初週に施行されるという点です。

NHKマイルCの過去10回における上がり4位以内の馬の成績は【8-7-7-18】勝率20.0%、連対率37.5%、複勝率55.0%、単回収率229%、複回収率416%であり、ヴィクトリアマイルのそれを勝率、連対率、複勝率、回収率全てにおいて上回っています。これはひとえに馬場状態の差によるもので、コース形態は末脚確かな馬が有利になりやすいが、馬場状態としては内前をロスなく立ち回った馬の残り目にも注意しなければならない、というのが本レースです。

続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考えます。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内だった馬が5頭と、出走馬15頭に対して少なくはないです。ただ、5頭中4頭が距離短縮馬、そして5頭全てが「絶対にハナまで取り切りたい」というタイプではないため、向こう正面一杯の激しい先行争いとはならないと考えます。

後方勢も楽に追走できるミドル~ややスローペースで一団となって最後の直線を迎える場合、重要になるのは位置取りです。どの馬もある程度脚が溜まっている状態のため、より前目の位置取りから末脚を伸ばせる馬が最も恵まれます。速い上がりを使えることは大前提として、より前目の位置を積極的に取れる馬を中心に重い印を打っていきたいです。

◇今回のメンバーでは能力最上位

◎マスクトディーヴァ
秋華賞では三冠牝馬リバティアイランドが4角3番手から後続を引き離すなか、4角12番手から上がり最速の脚を使い0.1秒差2着と最も強い競馬をした考えます。東京新聞杯はイレギュラーで度外視可能な大出遅れ、かつ内前有利な馬場と展開を4角ほぼ最後方から上がり2位の脚を使い0.4秒差6着と、評価を下げる内容ではありませんでした。

注目すべきは阪神牝馬S。これまでとは打って変わりスムーズなスタートから積極的に先行。直線で追い出しが遅れるロスがありながらも4角4番手から馬群を捌き上がり3F33.0秒で勝利。先行策からでも高い瞬発力を発揮できることを示しました。今回、前走同様の競馬ができれば展開的には最も恵まれます。府中巧者であるJ.モレイラ騎手の鞍上継続も前走再現という意味で歓迎でナミュールなど後続の追い上げを位置取りの差で勝つ競馬に期待します。

◯フィアスプライド
中山牝馬Sは内前有利で展開が向かないなかでの敗戦で評価を下げる内容ではありませんでした。ターコイズSは内前有利な展開が向いたとはいえ、多くの重賞好走馬に完勝し、高い能力を示しました。府中牝馬Sはスローペースをほぼ最後方から上がり最速で追い込み、0.1秒差4着と最も強い競馬。敗因は位置取りの差と明確で、着差以上に評価できます。今回は枠もBコース替わりの内目の偶数馬番と良く、2走前のようなスタートを決めて中団やや前で運び、3走前で見せた瞬発力を発揮できれば勝ち負け必至と考えます。

▲スタニングローズ
大阪杯は内前有利な展開が向いたなかでの敗戦。評価できる内容ではありませんでした。ただ長期休養明けで負荷の大きい先行策だったことを考えれば許容はできます。昨年のヴィクトリアマイルは内前有利な展開を出遅れて後方から、3走前は内有利な馬場で終始外々を回され続けるロスがありながらも僅差の5着。この2戦は展開と馬場が恵まれないなかでの敗戦です。秋華賞でスターズオンアース、ナミュールを抑えて勝利しているように、今回のメンバーでも好走できる能力は十分あると考えます。内目の枠も絶好で、中団好位から堅実な末脚を使える本馬の良さが最大限発揮されれば。

△ナミュール
マイルCS、富士Sはともに馬券圏内を4角8番手以下の馬が独占する差し有利の展開が向いたなかでの勝利。その後は海外GⅠでもしっかりと好走しているように能力は上位ですが、テンの速さと追走力がなく、今回も後方から立ち回ることが想定されます。Bコース初週の高速決着では、位置取りの差で頭までは届かないと考え4番手評価までとします。

×ウンブライル
阪神牝馬Sは勝ち馬より斤量が1キロ軽かったとはいえ、4角7番手から上がり最速の脚。あわや差し切るかという競馬でした。再度中団から持ち味の末脚を発揮できれば。

×ライラック
エリザベス女王杯では前が壁になる不利がありながらも0.3秒差4着、府中牝馬Sは展開不利のなか3着と能力は十分あります。最内枠から流れに乗れれば。

▽ヴィクトリアマイル予想印▽
◎マスクトディーヴァ
◯フィアスプライド
▲スタニングローズ
△ナミュール
×ウンブライル
×ライラック

以下、会員の印です。


ヴィクトリアマイル 2024


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