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(無料)フェブラリーS出走予定地方馬紹介~これを読めばその魅力も伝わるはず~

今回は特別編。G1レース時に不定期でやらせてもらっている全頭診断を今回は行わず皆さんにより知ってほしいことを載せようという事でパソコンを広げました。

それは今回のフェブラリーSに出走する地方競馬勢についてです。

皆さんも先日発表されたフェブラリーSの登録予定リストをご覧になりご存じの通り今年は地方競馬所属馬が3頭、更にこのレース限定で地方競馬から中央競馬へ移籍をしたブルドックボスを含めると4頭が出走予定となっております。

そして今回の地方競馬参戦組は近年の中ではトップクラスが揃ってたと個人的には思っております。もちろんかつてこのレースを制した岩手の名馬メイセイオペラには及ばないかもしれませんが今年の中央勢のレベルなら馬券内に滑り込んでくるのは充分可能性もあるのではないでしょうか?

しかし、中には地方競馬所属の馬が4頭出走登録を埋めることで中央馬が出走できないことになってしまうことに不満や納得がいかないという人もたくさんいると思います。もちろんそういう気持ちも重々理解できます。中央競馬は賞金半額制度が廃止され特にダートレースは賞金を持った馬がのさばって使いたいレースを使えないでフラストレーションが溜まる中で中央競馬でも実績のない馬たちが何で参加できるんだよ!と思いたくなる気持ちも当然です。

とはいえ今回出てくる馬たちは決してただの参加賞でもなければ記念出走でもないということだけは声を大にして言いたい。

今回はその一頭一頭の紹介とその魅力ついて書かせて頂きました。ベストレースやそれぞれの馬のポイントなども入れながら解説していきます。

「地方馬なんて無条件で切り」、「買う必要もない」と思う人も一度これを読んだうえで馬券の取捨選択をしてみても良いのではないでしょうか?

そしてこれを読んでこの馬をもっと応援してみたい!気になるという馬がいれば馬券を手にして当日は現地や場外馬券場、テレビの前で応援して頂ければありがたく思います。

それでは前フリが長くなりましたが始めさせていただきます。

①ノンコノユメ(真島)

主な実績 

2015年 ジャパンダートダービー 1着

2018年 フェブラリーS 1着

2019年 帝王賞 3着、東京大賞典 2着

皆さんもご存じの一頭。かつて中央競馬所属時には地方交流を合わせG1を2勝した名馬です。

中央在籍時に気性面の悪さから去勢手術を行い一度は復活するもその後は出遅れ癖にも悩まされ地方競馬への電撃移籍で当時話題にもなりました。

さて、皆さんは最近のノンコノユメのスタートがどのようになったかご存じでしょうか?

実はノンコノユメはスタートが上手くなりました。それにはある理由があるのですがまずはノンコノユメのベストレースをご覧になって頂いた上でその部分の解説をしてまいります。

ベストレース

2019年 帝王賞

大外のノンコノユメがきれいなスタートを決めて馬群の中段につけるとハイペースで流れたこともあり最後の直線では一気に突き抜け後のJBCクラシック、川崎記念勝利馬のチュウワウィザードと接戦の3着と好走。インティ、ミツバといった中央の実績馬たちを一掃する差し脚は未だに健在です。

では、なぜ地方移籍後は突然スタートが上手くなったのか?それには地方競馬特有のとあるルールが大きく関係しています。

地方競馬ではゲートが悪い馬や遅い馬を厩務員がゲートの後ろで馬の尻尾をつかんで待機することが出来ます。これにより馬は落ち着いたり、集中するのでいいスタートを切れることがあります。これが結果的に功を奏してスタートが改善されると中央時代から衰えることのない強烈な末脚が蘇りかつての輝きを取り戻すことに成功しました。

更に、地方移籍後は大井の名門厩舎荒山厩舎に所属し坂路調教を積むことで中央時代の力を衰えさせることなく競馬が出来ている点も大きく影響しています。

今回の出走メンバーの中では中央競馬の経験とこのレースの実績から可能性を感じるかもしれないが、しっぽを持ったままスタートをすることが禁止されている中央競馬のレースではどれくらいのスタートを決めれるかがポイントになりそう。

②モジアナフレイバー(繁田)

主な実績

2019年 帝王賞 5着、南部杯 4着、東京大賞典 3着

生粋の地方出身馬で3歳秋頃から能力が開花すると昨年が終わるころには地方競馬界では敵なし状態になりました。昨年は中央交流G1レースにも積極的に参加もしていきました。当初は誰もが無謀と思っていた中で帝王賞では5着と奮闘も前の馬にも大きく離されておりその力差は歴然としていた。

ところがこの馬はここで終わることはなかった。秋シーズンは南部杯で現役最強馬のゴールドドリームにハナ差4着と好走すると12月の東京大賞典では3着と大健闘を果たした。今回出走する地方馬の中ではトップレベルの一頭でだろう。

ベストレース

2019年 勝島王冠

東京大賞典と悩みましたがこの馬の強さが凝縮されているのはやはりこのレース。地方馬同士のレースではありますが2着ノンコノユメ、3着サウンドトゥルーをなんとノーステッキで突き離して快勝というレース運びには驚いた。

ノンコノユメはその後東京大賞典で2着、サウンドトゥルーは2月に行われた地方重賞金盃にて2着以下に大差をつける圧勝を見せておりかつての中央G1馬を相手にまったく物ともしない力強さは本物だろう。

この馬もまた坂路を使える外厩を使用しておりトレーニングを積むことで力強さが生まれた一頭。

ノンコノユメのときも触れたが地方競馬の馬というのは基本的には調教、追い切りは競馬場にて行うのが通常だが、一部厩舎は外厩制度や特定の牧場の施設を使い坂路コースにて調整を積むことが可能となっている。これが近年ノーザンファームや社台系の馬が地方転厩を狙う理由の一つにもなっている。

そして地方馬の外厩や坂路施設を使える厩舎最大の魅力はレース当日まで厩舎に戻すことなく調整が出来るという点。ギリギリまで調子を維持した上で地方馬も戦える工夫がなされている。

鞍上の繁田騎手は身体面の不安から引退が近づいている中でこの馬と大きな結果を残したい一心で現役を続けておりこの馬のことを誰よりも知る最高のパートナー。

芝スタートの東京競馬場のコース形状、繁田騎手の東京競馬場の経験値、最後の直線の坂など課題は多くあるかもしれないが現在地方競馬で間違いなく一番強い馬がどこまで中央の舞台で波乱を起こせるのか是非注目して頂きたい。

③ブルドックボス(和田)

主な実績

2017年 クラスターカップ 1着

2019年 東京盃 2着、JBCスプリント 1着

当時オープンレースを連勝中にもかかわらず地方への移籍を決め浦和小久保厩舎にてこれまで地方重賞、地方交流レースにて活躍をしてきた。

オープンクラスで好走が続いていたにも関わらず地方競馬への移籍を決めた理由として、馬の得意距離である1200~1400mのレースは中央競馬は数が少なく賞金を稼ぐこともできない点や、地方交流レースに出走するとなっても賞金が不足してなかなか思うレースを使うことが出来ない環境にあったゆえの処置だった。

そして昨年の11月には、ご存じの通りJBCスプリントにて藤田菜七子騎手鞍上のコパノキッキングを下しG1初制覇を達成した。

ベストレース

2019年 JBCスプリント

このレースは馬の強さもそうですが御神本騎手の天才的技術が凝縮されたレース。先頭に立ったコパノキッキングが緩んでしまった最後1ハロンで絶妙に捕らえそのまま突き抜ける強烈な脚を活かした完勝競馬。

「御神本空気を読め」という一部の声もありましたがこの騎乗を批判することが筋違いな話。

さて今回この馬だけなぜ中央登録なのか?という疑問を持つ方が多いのでここで解説をします。

この馬を地方競馬で管理しているのは浦和のオブライエンこと小久保厩舎なのですが実は小久保厩舎は一昨年こんなことがありました。

小久保厩舎の馬の一部が管理されている外厩先エスティーファームが原因ともいわれてはいますが理由はともかく2018年当時厩舎の馬から2度にわたる薬物問題騒動がありました。

その懲罰して今なお小久保厩舎の馬は中央競馬へのレース挑戦を禁止されているらしい(これがいつまでの期限なのかは調べても発覚しなかった)

それでも馬主サイドは中央競馬のG1レースへの参戦を希望したことから今回に限り中央競馬の厩舎に転厩。そしてレース後は再び小久保厩舎へ再転厩という特例処置を行い出走に至った。

実績からしても1ハロン長く能力は高くとも厳しい戦いが予想される。鞍上も今回和田竜二騎手が予定されておりその良さをどこまで引き出せるか未知数なところで地方勢でもやや劣る存在。

4月の東京スプリントにて大井競馬場でコパノキッキングとの再戦が予想されるのでその際はまた注目の一頭になりそう。

④ミューチャリー(御神本)

主な実績

2019年 羽田盃 1着

2020年 川崎記念 4着

今回紹介して4頭の中では特に推したい馬。船橋競馬場からデビューを果たすと3歳時には南関東競馬クラシック羽田盃にて衝撃の末脚で圧勝。

その後東京ダービーは2着、JDD3着という結果に終わると3歳秋には中央競馬のG2セントライト記念に挑戦。父パイロ母父ブライアンズタイムというダート血統という点に加えて初めての芝のレースということもあり18頭中12着という結果に終わる。これだけを聞くと「当たり前だよな。むしろよく頑張った方だろ」と思うかもしれませんが問題はその上り3Fにありました。

なんと地方馬が上がり2位の35.1秒を使うという衝撃内容。スタートから後ろを回りそのまま力差で離されて終わりがちな地方馬が芝のレースにて思わぬ結果にてインパクトを残すことには成功した。

体質が弱い馬ゆえに地方馬には珍しく使い詰めというよりはピンポイント、ピンポイントにて競馬をする形をとっているが先日の川崎記念でも中央馬を相手に差の4着と好走しており左回りの適性もしっかり証明した上で今回の参戦となった。

ベストレース

2019年 羽田盃

このレースのポイントはその上りタイム。

なんと36.9秒という破格タイム。このレースの2位の上りが38.5秒という事を考えてもその末脚の強烈さがよくわかる。

では地方のダートコースにおいて36.9秒というのはどれくらいの速さなのかがより伝わるのは2019年のJDDだろう。

このレースの勝ち馬は後のチャンピオンズC勝ち馬のクリソベリル、2着は名古屋大賞典勝ち馬のデルマルーヴルでミューチャリーは3着に終わってしまったが上りタイムを見てみると

何と地方馬が上り最速の脚を使っているという結果。

中央馬と地方馬では絶対的な能力差があるゆえ上り3Fが地方馬が最速というのは近年起こりえないこと。この結果からも決して中央馬に太刀打ちできないということはないことを証明している。この際にデルマルーヴルと互角の戦いをしているが、先日の川崎記念でも3着のデルマルーヴルと接戦が出来ているので少なくとも交流重賞を勝てるくらいの力は現在も維持できている。

東京の1600mダートレースは米国輸入馬の産駒が活躍する傾向にありこの馬の父パイロはそれにも該当する。芝レースの経験、鞍上の御神本騎手の天才的な技術、長い直線を活かした末脚競馬が炸裂するようであれば中央馬を脅かす一頭になることは間違いない。

インティ&武豊による逃げスローの展開になってしまうと脆さが出てしまう面はあるが展開次第ではこの馬の決め手は地方馬屈指。

総括

以上4頭についての簡単な解説と紹介になります。これを読む前と読み終わった後でどのように皆さんの気持ちに変化が出たかはわかりません。所詮は地方馬と思う方もいらっしゃるでしょうし、地方馬も侮れないと考えに変化が出た方もいらっしゃるかもしれません。人の気持ちなど十人十色なので読む方によって様々な感想を持たれると思います。

また、地方馬を買っても当たる保証もなければこれを読んだ結果馬券を外してしまうということもあるかもしれません。

しかし、今回これを読んで皆さんに思ってほしいことは、地方馬も決して参加賞のつもりで出てくるような馬たちではないという点と、それぞれここまで実績を積み重ねた上での出走となっているということです。勝算がないといえばそれまでですが今回これだけの内容を書こうと思うくらいには可能性はあると予感しております。

2/23(日)東京競馬場で最後に笑う馬はだれなのか?その瞬間を是非その目で確かめて参ります。

最後になりますが、このnoteは是非たくさんの方に読んでいただきたく作製させていただきました。RTやいいね等の拡散にて広げてもらえると嬉しい限りです。またこのnoteを読んでのご感想等もたくさんお待ちしております。

それではまた次の機会にお会いしましょう。

                                       fin

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