(特別編)ミナリクの取説(前編)~急に激走するときがあります。人気がない日や~
今回のnoteは特別編にてお送りいたします。
さて、皆さんはこの人をご存じでしょうか・・・?
そうです Fミナリク騎手です。
今年のお正月に3年連続の来日で短期免許を取得。今年も4月ごろまでの日本滞在を決めて毎週末JRAで騎乗を続ける騎手でございます。
さて・・・皆さんは今年に入り一度でもこんなことを思ったことはないでしょうか?
ミナリクって・・・下手じゃね?
今そう思ったそこのあなた、果たして本当にミナリクが下手だから、その馬が悪かったで片付けていませんか?
果たして馬券を買っているあなたのその買い方は正解なのですか?僕はそこを問いたい。
今回はそんなミナリク騎手の得意不得意から人間性まで事細かく解説していきます。少し長くなりますがお付き合い頂けたら幸いです。
そしてこのnoteはミナリクと心中して悲しく散る人や方向性のおかしい罵声をSNSで発する人が少しでも少なくなればという思いから書かせていただいております。これを読んだあなたはきっとミナリクという騎手を詳しく知ることが出来ると思います。
なお書いていくうちにとてつもない内容になっていってしまったため前編と後編に分けることにしました。後編は明日にでも書きます。(これから読む内容でも充分明日の競馬に役立てる内容となっています。)
〈1〉ミナリクってどんな騎手
① そもそもミナリクとは
フィリップ・ミナリク 44歳
父はチェコ競馬のリーディングジョッキーで息子のフィリップもジョッキーを志す。1997年にドイツ競馬の騎手免許を習得するとG1レースを制覇するなどドイツリーディングをこれまでに4回取得している名ジョッキー。
そんな彼がどうして日本競馬を志すようになったのか?それは2014年のジャパンカップにあった。
当時招待騎手、招待馬と共に来日を果たしたミナリクは東京競馬場の地下ゲートを潜り抜け大観衆の待つ場面を見ながら「ここはワールドカップの会場みたいだ」と感動を覚えたという。その後シュタルケのコネクトを駆使し2017年より日本競馬の短期免許を取得して毎年1~3月頃にかけて日本競馬に活躍の場を求めるようになった。
② 日本が大好き
2016年より日本での長期滞在を始めてから日本文化に関心を持つようになったミナリクは日本茶のいれ方を習得し日本に来日する度に大量のお茶を購入することで有名(本人曰くドイツにはおいしいお茶がないらしい)
また日本滞在中は北千住のウィークリーマンションを契約し日本ライフを満喫していることでも有名。休日には電車で新宿や渋谷を訪れて日本文化に触れることを楽しみにしている(たまに北千住でミナリクっぽい人を目撃したという情報がネットに出るがそれはミナリクっぽい人ではなくミナリク本人です。)
また日本語の習得にも意欲的で簡単な日本語での会話も可能なくらい上達しており記者の方が明けましておめでとうございますというとミナリクは笑顔でアケマシテオメデトウと年明けに返してくれるらしい(短期免許を取得して来日する外国人でこのように返事をする人はかつてミナリクしか見たことないらしい)
追記
休みの日に大井競馬場などにも足を運び一般席で馬券を購入して地方競馬を楽しんだりもする。
筆者も偶然その場面に遭遇したところなんと向こうからミナリクだと思い話をかけようとしたのを悟り声をかけていただく。
通訳などもおらず日本語の読み、会話が可能で驚いた。
またそのときに写真対応にも応じて頂きました。
このnoteを今年製作させて頂いた身としてはなんとも運命的な出来事でした。
③ ファンへの対応
その日のレースが終了後に写真撮影、即席サイン会を主に中山のヴィクトリーロード前で開催しファンからは神対応の外国人騎手、ミナリクおじさんとして愛されている。
最近はマーフィー騎手が中山最終レース後に待っているファンの人たちのために一人一人丁寧に対応して即席サイン会をすることで有名だがそういうミナリクの姿を見ての行動なのかもしれない。
④ 亡くなった親友との約束
元ドイツ競馬ジョッキーのダニエル・ポルク氏。馬の名前を聞くと思い出す人もいるかもしれないがジャパンカップでイキートスという馬の鞍上も務めたこともあるジョッキーだ。
彼とは同じ厩舎で汗を流した親友でありライバルだった。しかし彼は体に病を抱え自分がこの先あと何年生きられるのかわからない身だった。2015年JCにて共に来日を果たすもその後体調を悪くして34歳にしてこの世を旅立ってしまった。
そんなポルク氏はミナリク騎手同様に日本が大好きでとても愛していた。そんな彼の思いも背負いながら毎年日本への来日を決め今日に至っている。
短期免許を初めて取得した2016年にインタビューにおいてミナリクはこう語っていた。
「何があっても笑顔を絶やさないポジティブな男だった。日本での騎乗を熱望していたから、今回のことは彼も喜んでくれていると思う。彼のためにも勝ちたいし、天国から少しだけ、後押ししてくれるかもしれないね」
色々な思いを背負い日本競馬で日々戦いに励んでいるということをまずは知ってほしい。
と、ここまではミナリク騎手についての簡単なご紹介になります。(これを入れないと僕は単にミナリク騎手を馬鹿にする記事を今から書いていると大きく勘違いをする人が続出しそうな気がしたので長々と書かせていただきました。)
さて本題に移る。
ではそのミナリク騎手をいつどのタイミングで買えばいいのかを詳しく解析していきたいと思います。
〈2〉ミナリクの成績を解析していこう(芝編)
ミナリク騎手は原則、中山競馬場か東京競馬場にしかいないのでデータとしてはその部分を今回は中心に解析をしていきたいと思います。
まず芝通算成績を見てみると
…酷いですね。
これを中山、東京で分けてみると…
どちらも数は少ないとはいえとても芝の上手い騎手とはいえない成績を記録し続けています。
しかしこれでは「能力のない馬に鞍上しているだけでデータは悪いだけだ」と突っ込まれてしまうと返す言葉がないためその中身を色々見ていこう。
今回は2019年の騎乗成績からその中身を見ていく。
① 1着時の馬の人気
1番人気1勝 2番人気2勝 3番人気1勝
以上・・・( ^ω^)
ちなみに内訳 中山 1勝 東京3勝
② 2着時の馬の人気
2番人気 1回 3番人気 2回 6番人気 1回 7番人気 1回
③ 3着時の馬の人気
2番人気 1回 4番人気 1回 5番人気 1回 7番人気2回 8番人気 1回
このように馬券内になるときは1~2着は上位馬、3着は穴馬とはっきりしている。
④ 1~3番人気を馬券外にした回数
これが昨年は全部で10回記録された。これに先ほどの1~3番人気で馬券になった馬の回数を足すと計18回になる。
これを複勝率に換算した場合1~3番の馬に騎乗した場合の複勝率は44%と意外と高い結果に見えるかもしれない。
しかし1~3番人気の馬に騎乗して2回に1回も馬券にならないとなると信用度としてはかなり低い部類に該当すると判断もできる。
というのも競馬というのは統計学上では1番人気は70%近くの可能性で馬券になるものであり更に1~3番人気の馬がどれかしら馬券になる可能性というのは85%近い数字になるものといわれている。ところがそれだけの確率で来る馬に乗ったときに45%しか馬券にできない騎手が短期免許を取得してまで来日しているという事実が問題な気がする。
⑤ スタートセンスについて
昨年負けた馬達のレース内容にも疑問符が残るものが多い。
例えば2020年中山金杯2着のウインイクシード
この馬にも実はミナリクは騎乗をしたことが一度だけある。
2019年 1月6日 1番人気 5着に終わったレースだが問題は結果でなくコーナーの通過順位。
8-7-7-7と明らかな出遅れでレースを落としているのだ。
ちなみに昨年ウインイクシードが出遅れたのは10走中このときのみでその他全てのレースにおいては4コーナーを5番手以内で通過している。
これだけではない
2015年 東スポ2歳S3着馬マイネルラフレシア
2019年 2月17日 9番人気 10着
通過順 10-10-10
人気のない馬で負けたことが問題ではなく人気がないゆえに逃げてどこまで残せるかが武器のこの馬でスタートで躓いてすべてを終わらせる騎乗をしているというところに問題を感じる。このあとラストランとなったレースでは野中騎手が鞍上であっさりスタートを決めて2番手で4コーナーを迎えることが出来ているだけに内容としては疑問が残る。
これ以外にも2020年カーバンクルS2着のペイシャフェリスタのオーシャンステークス、3着に入るもその後すべてのレースにおいてコーナー通過順が2桁に陥るきっかけになった出遅れ癖をつけたウラヌスチャームの中山牝馬Sなど数多くのスタートセンスの悪さが結果にて証明されている。
これに関しては今年に入ってからも先日の迎春S、初咲賞といったところで起こっている事実なので皆さんが感じるところだろう。
つまりミナリク騎手というのはそれ相応に良い馬を各所から用意してもらっているにも関わらずその期待に応えるどころかスタート1つ決められず競馬として後味の悪い内容しか残せていない。ということになる。
〈3〉ミナリクの成績を解析していこう(ダート編)
続いてダートについて見てみよう。
こちらは芝に比べると良好。
更に中山と東京で比較すると
あまり大きな差は出ていないが中山の方が成績は良好。
では同じように勝利ごとの人気を確認してみよう
① 1着時の馬の人気
1番人気 1回 2番人気 1回 4~5番人気各1回
6番人気 2回 10番人気 1回
内訳 中山 5勝 東京 2勝
こちらの方は芝と違い大穴から手堅いところ中穴までしっかりと1着に持ってこれている結果となった
② 2着時の馬の人気
1番人気 2回 6番人気 2回 7番人気 1回
8番人気 1回 14番人気 1回
特に14番人気のときは空前絶後の超絶下手くそジョッキーとしてお馴染みのブロンデルとのワンツー決着という事で印象に残っている人も多いだろう。
③ 3着時の馬の人気
1番人気 1回 3番人気 3回 4~7番人気 各1回ずつ
これを見てもらうとわかるがダートでは人気も穴も持ってこれる優良騎手というのがよくわかる。
④ 1~3番人気を馬券外にした回数
それでは先ほど同様1~3番人気の馬に騎乗したときの複勝率を計算してみよう。ミナリク上位人気を馬券圏外にした回数が12回
これに馬券になった回数8回を足すと1~3番人気に騎乗した回数は20回となる
これを複勝率に換算すると40%という結果になる。
これが意外な結果だった。ダートの数字が良いだけに人気どころをしっかりと持ってきているという印象だったがあくまで確率論では上位人気馬を馬券内に持ってくることに関してはダートも芝も馬券になる可能性自体は変わらない。それどころか芝より下回るという事実が発覚した。
つまりミナリクという騎手はダートで信用できる騎手ではなくダートで人気薄を引き連れ来る穴党の一人にすぎない騎手というのが正しい表現なのかもしれない。
これに関してはこのように自分で解析を進める中で一番驚いた結果であった。
ここまで芝・ダートと分けながら解析を進めてきましたが一度ここで話をストップし後編として今度はどの距離や条件で馬券になるかをより詳しく分析していきます。
ps 面白い、参考になると思ったらRTなどで拡散してもらえると助かります。
後編へ続く。
(特別編)ミナリクの取説(後編)~これからもどうぞよろしくね~|ちあきの考える競馬予想 @chiakingkhkeiba #note https://note.com/keibachiaking/n/nacad842a0e07
皆様へのご協力とお願い
先日ミナリク騎手が落馬事故に遭い頭に大きなダメージを受け現在でも意識が回復しない状態が続いております。
皮肉な話かもしれませんが、事故に遭った7月上旬頃より今年の1月に何かの縁で製作したこの記事にも多くのアクセスを頂いております。
自分自身でも何か出来ないか考え今回文章の方を追記させて頂きました。
現在ミナリク騎手への応援寄付金活動がミナリク騎手の友人を通じ行なわれています。この応援寄付金は手術費用の目標である10万ユーロを目標に行なわれていますがまだまだ目標の金額には達しておりません。
5ユーロ(日本円で600円~700円)からクレジットカードがあれば誰でも簡単に行なうことができます。(自分も微力ではありますが先日寄付の方をさせていただきました)
寄付の方は下記リンク先より行なうことができます。
一日でも早いご回復お祈りしております。