(無料)ヒューイットソンの取説(前編)~センスは大事~
今週も無観客競馬が続く競馬界。
野球界では阪神の藤浪晋太郎投手ら3名がコロナウイルスを患ったり、芸能界では志村けんさんが一時肺炎で危篤状態に陥り現在も死と平行線の状態が続くなどその影響は世界各地で広がっている。
さて、無観客競馬でネット投票のみの今だからこそよりデータを屈指して騎手や馬の買い時を知れる世の中。しかしついつい面倒でいちいち調べないのも人間の性だと思います。
僕は以前にミナリクの取説というnoteを作ったところ非常に評判をもらいました。これはダートでしか買えない騎手と言われていたミナリク騎手がよりどういう条件で買えるか、実は確率では芝の方が成績が良いことが発覚するなど作った本人が来日中に馬券でお世話になることにも繋がった良い内容でした。
そして今回もまた皆さんがきっといちいち調べるのが面倒で「馬質が良いから」、「今日は調子がいいから」と買ったり切ったりが雑になりがちなこの人に注目してみようと思う。
ヒューイットソン騎手
今回はこの人にスポットを置き、どういう条件で活躍するのか?、逆にどういう条件が苦手なのか徹底的に分析していこうと思います。
ただし、ミナリク騎手と違い来日して3週間で騎乗も中山に限られていることから現状でのあくまでの傾向程度で読んでいただければと思います。
今後間違いなく成長して成績に変化を起こす騎手だと期待をしているので現在のデータが絶対とは限らないことをご了承ください。
<1>そもそもヒューイットソンとは?
本名 ライル・ヒューイットソン(Lyle Hewitson)
南アフリカ出身の22歳。海外にて通算6度のG1制覇を達成しており18~19年シーズンには1日にG1・2勝を含む219勝を挙げリーディング騎手にも輝いている。
来日前は香港にて短期免許を取得し騎乗するも馬質に恵まれないことから140連敗の屈辱を浴びせられ久しぶりに勝利をしただけで「あのヒューイットソンが勝利した」と新聞で報道されるほどの始末だったらしい。(この情報だけが来日前にTwitterで拡散されたことからブロンデルの再来におびえた競馬ファンも存在した。)
香港では通算で3-9-11-228と決して目立つ成績を残していなかったがノーザンファーム(吉田勝己オーナー)が先を見据えての青田買いのような形で日本での騎乗オファーを行い来日に至る。(昨年末の香港国際競争の頃から打診があったとインタビューにて語る。)
日本での主な呼ばれ方
ライル、ヒューイットソン、ヒューイチ、ヒューイッ君(後ろ2つは誰かを連想させますね・・・)
<2> ヒューイットソン騎乗成績解析(芝編)
ではここからは成績を解析していこうと思う。
前編では芝とダートのざっくりとした成績解析、後編では具体的に買える条件、買えない条件をランキング別にみていきます。
※今回は競馬リスト、JRA-VANを使用してデータを集めていきます。
①芝の全体成績
ここまで27回に騎乗して勝率11%、複勝率30%とまずまずの成績を残している。
近年はマーフィー騎手やモレイラ騎手、レーン騎手など平気で40%、50%の複勝率を超える一流どころが多い故どうしても見劣りはしてしまうが30%というのは日本人騎手で例えると藤岡佑介騎手と同等くらいの確率で馬券になっていると考えると悲観的な数字ではない。
僕はよく来日した外人の成績の基準として藤岡佑介騎手を一つの目安に置くが彼こそ日本競馬界に置いてのTHE平均的存在といえる。
② 人気別傾向
掲示板に入った12回の内訳
1~3番人気以内 5回
4~6番人気以内 6回
それ以下 1回
彼が乗るから人気がないのか、彼が乗っているから人気がなくても奮闘できているのかは定かではないが上位人気からそれに少し離れた人気の馬ではまずまずの騎乗がここまでは出来ている。
それでは今度は人気別の結果をみていく
1~3番人気 騎乗回数 9回 1.0.2.6 勝率 11%、連対率 11% 複勝率 33%
4~6番人気 騎乗回数 10回 2.1.1.6 勝率 20% 連対率30% 複勝率 40%
それ以下 騎乗回数 8回 0.0.1.0 勝率 0% 連対率0% 複勝率 12%
これを見ると6番人気までの馬なら好走、それ以下だと凡走ときれいに分かれた。単勝別の人気というのは買う側が決めることなので7番人気でも実質6番人気の力が有る馬もいれば1番人気でも過剰評価のケースもあるので全てではないが「ヒューイットソンが人気してないから激走がある。」、「穴で面白いそう。」というのは現状期待できないのがここまでの数字である。
先週のスプリングSでは6番人気で重賞制覇、フラワーCでは4番人気2着と重賞でも名前を出し始めたので今後この部分に変化が出るかは要注目。
位置取り
ここまでの3週間で馬券になったパターンを見ているとスタートからの位置取りが良い時の成績が馬券になっているのがわかる。
最初のコーナーを通過時点で二桁位置にいた際に馬券になったのはわずか1回のみでその1回に関しても3コーナーで9番手まで位置を上げていることから外国人騎手に典型的な積極的騎乗をするタイプだというのがわかる。
これまで日本人騎手が騎乗して後方待機で脚を余らせてしまう馬、馬のズブさから位置取りが上がらず競馬にならない馬などに騎乗した際はこれまでと違った競馬のスタイルで新しい可能性を導いてくれる期待が持てる。
③ 結論
① 上位人気からそこに対抗できる人気くらいまでが買い。
② 位置取り重視傾向なので後方待機馬へ乗り替わりの際はチャンス。
<3> ヒューイットソン騎乗成績解析(ダート編)
続いてはダートの結果を見ていく。
<1>ダートの全体成績
一目瞭然でダートで買える騎手だとわかる数字。
② 人気別傾向
掲示板に入った12回の内訳
1~3番人気以内 10回
4~6番人気以内 1回
それ以下 1回
来日3週間でこれだけ数字が大きく出る騎手なのでダートで人気を背負って騎乗、有力馬に騎乗した際は活躍してくれる安心感があると判断してよい。
先週は7番人気単勝27.8倍で快勝するなどその技量は侮れないところがあり今後も注目しておく必要すべきポイント。
中山のダートコースは東京と違い騎手のパワーや位置取りがかなり重視されるところがあるだけに芝の成績でも触れた強引にでも位置取りを重視する騎乗が功を奏しているとも考えられる。
それでは今度は人気別の結果をみていく
1~3番人気 騎乗回数 12回 3.6.0.0 勝率 25% 連対率75% 複勝率 75%
4~6番人気 騎乗回数 4回 1.0.0.3 勝率 25% 連対率 25% 複勝率 25%
それ以下 騎乗回数 6回 1.0.0.0 勝率 16% 連対率 16% 複勝率 16%
芝の成績と比べても現段階時点でもかなり高いレベルで日本のダートコースに対応できているのがよくわかる傾向。人気を裏切ることなくしっかり騎乗できているのは来日3週間としては文句のつけようがないといったところだろう。
上記の芝とは対照的に「ヒューイットソンで人気だし危ない」、「過剰に売れてるから飛ぶ」と嫌う方が逆に間違いと数字上は判断できる。
今後更に日本のダートコースを熟知してくれば人気薄での激走も充分にできるだけに狙っていきたい。
③ 結論
① ダートは現状で既に高レベル。今後更なる活躍が期待できそう。
② 人気を背負った馬、能力の高い馬の力を最大限に発揮できている。
③ 数字が高い=コース熟知が出来ているので人気薄でも今後期待。
<4>前編総括
以上が彼自身がどういう人間か、そして芝コース、ダートコース別の現状の評価となります。
後編では更にこれをより細分化して現状でどういう条件なら買えるのか?、そしてどういう条件を苦手にしているのか?を検証していきたいと思います。
わずか3週間で何がわかるのだろう?と思うかもしれませんが現状で数字が高い=今後さらに期待できる。現状で数字が悪い=苦手意識がある、今後改善されていく。という一つの目安にも繋がるので読んでいて損がないものを製作していきます。ご期待ください。
後編へ続く。
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