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『ばんえいのススメ』

みなさまこんにちは😆
競馬ブック新入社員によるnote「私と競馬」、今回はばんえい編集班の五十嵐隆一さんに書いてもらいました!!

テーマは「ばんえい競馬」🐎 
まだ見たことない、どういう競馬なのかよく分からないという方にもおすすめできる内容となっております✨
ぜひご一読を👍


はじめまして!今年から株式会社ケイバブックに入社しました、ばんえい編集班の五十嵐です。

突然ですが、読者の皆さんはばんえい競馬をご存知ですか?
私がケイバブックに入社して一番驚いたのは、こんなに競馬を愛する人たちが揃っている会社でも、ばんえい競馬をよく知らない人が結構いることなんです。

そこで今回はばんえい競馬を知らない人向けに、私が思うばんえい競馬の魅力を写真付きでご紹介したいと思います!


まず、ばんえい競馬ってなに?

ばんえいは漢字で書くと「輓曳」。
どちらも「ひく」と読みます。ばんえい競馬とは、馬がそりをひいてレースをする競馬なんです!
ばんえい競馬は世界で唯一(!)北海道の帯広市で開催されており、皆さんのよく知る競馬で走っているサラブレッドとは分類が異なる、ばん馬と呼ばれる馬たちがこのレースで活躍しています。

普段は毎週土・日・月曜日にナイター開催(メインレースは20時過ぎ)を行っていますが、冬になると薄暮開催(メインは18時半頃)・準ナイター開催(メインは19時半頃)になり、辺りが暗くなるとコース奥のイルミネーションが馬たちを彩ります。

ばん馬は馬体重が1000キロ前後(サラブレッドの約2倍!)もあり非常に大きいですが、性格は温厚で、北海道開拓の時代に農耕馬として使われていました。
その開拓使たちが自分たちの馬のスピードやパワーを競い合ったことが、ばんえい競馬の始まりとされています。

競馬場のコースはセパレートの直線200mコースで、フルゲートは10頭(通称・ばんえいフルゲート)。
ばん馬たちは最大1000キロ(ばんえい版有馬記念のような存在のばんえい記念時のみ)のそりをひき、道中には2カ所の障害越えに挑みます。
更に冬季以外はゴール手前に「砂障害」と呼ばれる高さ0.5mの傾斜もあり、サラブレッドの競馬よりもパワーとスタミナを重視したコース設計になっているのが特徴です。

ちなみにゴールはそりの後端が決勝線を越えたとき!
サラブレッドの競馬は馬のハナ先で勝敗が決するので、これもまたばんえいならではですね。


レースはここを見ろ!

ばんえい競馬の魅力はなんといっても障害。
特に高さ1.6mの第2障害を馬と騎手が人馬一体となって挑んでいく、この光景はなんとしても見てほしいです。
コースの奥で調教師の先生や厩務員の方々が声を出して応援する姿も、管理馬に対する愛情を感じます。

第2障害に挑む馬たち

しかしレースの魅力はそれだけじゃないんですよね。
ゲートを出る瞬間のスタートダッシュも勢いにあふれていて迫力満点だし、最後のそりの後端がギリギリ入ったかどうかのデッドヒートも見てほしい…
ばんえいは、これらすべての様子を観客が並走して見られます!

実はばんえい競馬って、「道中馬が止まる」競馬なんです。

いくらパワーとスタミナに長けたばん馬といえど、数百キロのそりをひいて止まらずに200mを走り切るのは至難の業。
第1障害はどの馬も走って越えていきますが、第2障害までの道中は駆け引きをしながら何度も止まってスタミナを回復させていきます。

第2障害の手前では特に時間をかけて馬を止めるため、200mのコースといえどレースは2分前後かかって決着することが多く、ファンは歩きながらその全貌を観戦できる、というわけです。
レースの最初から最後まで馬の隣で応援できる競馬はおそらくほかにないと思います。
もしかしたらレース中、騎手や馬に応援の声が届くかも…!

また、ばんえいの競走馬は出走間隔が短いのも特徴です。
昨年のJRA・GⅠ勝ち馬(2歳馬、上半期引退馬除く)の年内出走数が約5走なのに対し、昨シーズンのばんえい重賞勝ち馬(2歳馬除く)は約18走と3倍以上!
レース数と競走馬の頭数が大きく違っているので単純比較はできませんが、トップホースでも月に1回程度のペースで走っているところを見られるのは、ファンにとって嬉しいポイントだと思います。

レース以外の楽しみも

競馬場がレースを楽しむだけの場でないことは皆さんご存じのことと思います。
帯広競馬場もその例にもれず、おいしい十勝グルメを楽しめたり、ばん馬と触れ合えたりもするんです!

とかちむら
入場門手前に広がる複合施設には、十勝産食材の直売所である「とかちむら産直市場」やばんえいの歴史を学べる「馬の資料館」、お肉をがっつり食べたいときにもスイーツを楽しみたいときにも嬉しい「とかちむらキッチン」「スイーツ&セレクト」と十勝ならではの食と文化を楽しめるスペースが広がっています。

ふれあい動物園
場内南側(コースとは反対方向)には、引退したばん馬や誘導馬、ポニーにヤギにモルモットに…たくさんの動物が暮らす動物園があります。
ニンジンを食べさせたり、ばん馬に乗って記念撮影したりなんてこともできちゃいます!
昨シーズンは小さいお子さん連れのご家族もよく来られているのを見ましたね。

ふれあい動物園で大活躍のフクスケ。背中に乗せてもらえます✨
服部調教師がお手伝いに✨
現役の調教師がイベントに参加することも多々あるそう👀

リッキーハウス
スタンドに入ってすぐ右手の売店「リッキーハウス」では、ばんえいならではの商品が多数販売されています。
ばん馬とそりをかたどったグッズはもちろん、勇ましいレース中のばん馬を捉えたポストカードや、活躍馬のキーホルダーなども売られています。
しかし、目玉はなんといっても重賞勝ち馬の実使用蹄鉄!
ファン垂涎のグッズはすぐ売り切れてしまうので、欲しいと思ったら即購入することをお勧めします。
私は一度推し馬の蹄鉄を買い逃してしまいとても後悔しました…

このほかにも、スタンド内には北海道発祥のカレーラーメンが食べられる食堂があったり、夏の勝毎花火大会の時期になると競馬場内から花火を楽しむなんて裏技も使えるようになります!
ばんえい版の競馬ブックもスタンド内中央の売店で販売していますので、お手に取っていただけると嬉しいです。

注目馬紹介

さて、ここからは私が独断と偏見で選んだ、今シーズン更なる活躍をしてほしい3頭をご紹介しようと思います。
まず古馬からは『アオノブラック』号です!

アオノブラック 北見記念

金田勇きゅう舎の8歳牡馬で、藤野俊一騎手から金田利貴騎手に主戦騎手が代わった昨シーズンは重賞3勝。
同世代の現役最強馬・メムロボブサップと肩を並べて古馬戦線を引っ張る存在です。
現在、北見記念を3連覇中!今シーズンは同競走の4連覇と、年度末の大一番・ばんえい記念悲願の初制覇を狙います。

2頭目は『キングフェスタ』号です!

キングフェスタ 天馬賞

小北栄一きゅう舎の5歳牡馬。
昨シーズンは2年連続リーディングトップの鈴木恵介騎手とのタッグで柏林賞・銀河賞・天馬賞を勝利し、史上5頭目の4歳三冠を達成しました。
ばんえい競馬は4歳シーズンまで世代戦がありますが、今シーズンからはキングフェスタも猛者揃いの古馬とがっぷり四つ。
斤量増や展開の速さの違いなどへの対応が鍵ですが、きっと重賞路線をにぎわせてくれるでしょう!

最後は『スマイルカナ』号です!

スマイルカナ 黒ユリ賞

鈴木邦哉きゅう舎の3歳牝馬。
昨シーズンは5月デビューから21戦7勝、3歳牝馬重賞の黒ユリ賞を勝っています。
2020年の桜花賞で3着に入ったスマイルカナとは同名ですが違う馬です。
紅一点で出走した3歳王者決定戦・イレネー記念では、牝馬として20年ぶりの連対!
今シーズンの大目標は12月のばんえいオークスでしょうか。しかしどこかで牡馬相手に重賞を取る姿が見たいものです。

まだまだ詳しく書きたいことは沢山ある(パドックとか本馬場入場とか馬との距離がすごく近い!とか1万円で協賛ができてレース名が付けられる!とか)のですが、とりあえず今回はここまで。

いかがでしたでしょうか?

おそらくこのnoteを読まれているのは、普段から競馬を熱心に見ている方がほとんどだと思います。
少しでもばんえい競馬に興味を持っていただけたでしょうか。

ちょっと観てみたくなったけど北海道なんて遠くて行けない!という方は、開催日にばんえい十勝の公式YouTubeで配信も行っておりますので、ぜひご覧ください。
弊社TMも解説者として出演中です!

(文・五十嵐隆一)


五十嵐隆一
2001年7月28日生。埼玉県出身。

高校生の時に競馬を知って馬に乗りたくなり、大学時代は地元を離れ帯広へ。平日は家畜について学び、休日は競馬場に通い詰めるといった日々を過ごしていました。

今回の記事はばんえいのことをメインで書きましたが、ほかの同期の記事を見てたらほかにも書きたいことが思い浮かんできました。この業界に入るきっかけにもなった大好きなウマ娘のこととか、春天の時に出させてもらったTMトークで名前を出したラブカンプーのこととか。初仔のラブアイミーが新馬戦勝ちましたし、CBC賞プレイバックとかで書かせてもらえないかな…

最後に、9月14,15日には帯広競馬場でウマ娘とのコラボイベントがあります。ウマ娘ファンの方、仕事で帯広に行けない私の分まで楽しんできてください!15日には古馬一線級が鎬を削る高重量レース・岩見沢記念(BG2)もありますので、是非。今月19日にはJRAジョッキーDAYもあるので!みんな!ばんえいを見よう!

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