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待望の小倉開幕(青木行雄)/週刊トレセン通信

 昨年よりもひと月少々遅れて、ようやく夏の小倉が開幕した。京都競馬場の工事が終わったのと暑熱対策のため、今年はたった4週の開催。わっしょい百万夏まつりも終わってからの開幕とあり、賑やかな太鼓の音を聞くこともなかった。昨年の8週はちょっと長いかなとも感じたが、4週はあまりにも短過ぎる。6週がちょうどいいと思うのだが。

 初日の競馬場に向かうモノレールはそこまで混み合っている感じはなかった。ただ、車窓から久々に小倉競馬場を目にすると、やはり気持ちは高揚するもの。久々のBSイレブン出演もあったため、気合を入れて競馬場記者席へ。小倉競馬場での仕事でとても楽しみなのは昼食。業務用食堂のチャンポンはいつ食べても美味しく、記者からも非常に人気がある。ところが今年は諸事情により、記者席へのデリバリーがしてもらえなくなった。一般客用の食堂なら注文も可能だったが、値段は高めで評判も正直今いち。初日は買ってきたパンで軽く済ませることにした。

 週刊誌の仕事をひとつ消化して、お昼からはBSイレブン競馬中継の本番。この番組との相性は結構悪く、これまであまりいい仕事ができた記憶がない。ひとレース毎に買い目を発表し、それが的中すると赤いお花を胸に着けていくというスタイル。万馬券以上だと少し大きめの金のお花がもらえる。全レース終了後の振り返りコーナーではお花をいくつゲットできたかということを司会の女性陣にいじられるのだが、ゼロでしょんぼりというケースも多々あった。ところがこの日は7レースで23,000円台の3連単が的中。初めて金のお花を着けることができ、満足のいく結果となった。個人馬券も10,000円ほどのプラスでまずまず。

 土曜の夜はJRAとマスコミの懇親会が行われた。長かったコロナ禍の影響で、こういう会が行われるのも4年ぶりだとか。以前は専門紙だけで行われていたが、今年は開催が短いこともあり、テレビ、ラジオの放送関係とスポーツ紙も一緒になっての開催。その分なのか、立食パーティー形式ながら食事はなかなか豪華。久しぶりにJRAの職員さんとも話をすることができ、2時間弱の会もあっという間に終わってしまった気がする。

 日曜は小倉記念がメイン。JRAのCMでお馴染みの見上愛さんのトークショーがあったこともあり、モノレールや競馬場入場門前はなかなかの混雑ぶり。最終的には16,000人以上の観客が訪れた。場内が盛り上がっていたのは結構なことだが、この日はスマートフォンの通信状況が絶不調。この程度の人数でつながりにくくなってしまうのは正直勘弁してもらいたい。現場でも馬券はPATで購入しているのだが、投票できないレースがいくつかあった。その分、リズムが悪かったのか、この日は馬券、ラジオ放送ともパッとしない結果に。

 やや肩を落とし気味に競馬場をあとにし、帰路はお楽しみのフェリー。昨年からこれを使い出したのだが、ゆったりと帰れる分、すっかり気に入った。ただ、開幕週はお盆と重なっていたのでいつも利用しているリーズナブルな個室が取れず、カプセルホテルのような半個室の部屋。いつもの個室には用意されているテレビ、手ぬぐい、スリッパ、歯磨きセットなどは一切なく、本当に寝るだけのスペース。食事を済ませると早々に就寝するしかなかった。お酒の力でコロッと寝ることができたので良かったが、風呂にも入ることができなかったので、やや疲れを残して滋賀に戻ることとなった。

 とはいえやはり、小倉への出張は楽しいし面白い。まだ始まったばかりだが、もうあと3週しか残っていないという感覚。馬券で儲けて、美味しいご飯と美味しいお酒を存分に楽しみたいもの。



青木行雄(調教取材担当)

昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型

1993年入社。坂路調教担当。北海道開催時と西のローカル開催では本紙予想も担当。開催日はMBSラジオ「GOGO競馬サンデー!」、BS11「BSイレブン競馬中継」に出演。台風7号が近畿を直撃。開催日に重ならなかったのは良かったが、火曜の調教はさすがに中止だろうと思っていた。ところが、SNSを見ると通常どおりに行われていたよう。これにより水曜に普通に追い切りが消化されそうなのは有り難いが、馬が驚いて放馬などのアクシデントはなかったのかなと、少々心配にもなりました。


本稿は2023年8月23日に「競馬ブックweb」「競馬ブックsmart」に掲載されたコラムです。下記URLからもご覧いただくことができます。



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