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湖南馬事センターに行ってみた!引退競走馬編

こんにちは!✨
研究ニュース トラックマンの森田美菜です。

湖南馬事センターに行ってみた!研修編をご覧いただきありがとうございました。まだ見ていない!という方はこちらからどうぞ👇

今回は引退競走馬編です。
前半は競走馬から乗馬に転身するための「リトレーニング」のお話、後半は湖南馬事センターで暮らす引退競走馬の写真をお楽しみください!



★リトレーニングについて

指導員の三宅優里さんにお話を伺いました。

指導員 三宅優里さんとビックリシタナモー

――競走馬を引退してから乗馬になるまでの流れを教えてください。

競走馬引退後、大体の牡馬は去勢をするところから始まります。
引退の理由がけがの場合は治るまで休養し、その後に調教を開始します。
引退してすぐの馬は人を乗せたら速く走らなくてはいけないという「競馬の頭」になっているため、速く走らなくていいということを一から教えていくのですが、馬によってその考えが早く切り替わる子もいれば、何カ月もかかる子もいます。

褒めて落ち着かせながらトレーニングを行い、ゆっくりと走れるようになったら障害物を飛越する練習をします。
横木を跨ぐところから始め、だんだんとクロス障害を飛べるようになっていきます。
慣れてきたら乗馬クラブのお客様を乗せられるようになります。このように少しずつ乗馬として成長していくという流れです。

――リトレーニングで気をつけていることはありますか?

馬によって個性が違うので、それぞれの特性に合わせて調教メニューを考え、実践しています。
たとえば、この春からリトレーニングを行っているネズコは入厩当初とても気持ちが強く、ガムシャラな子でした。今では大分落ち着いてきましたね。乗馬として成長しています。

――何歳くらいの馬が入厩してきますか?

ここに来る馬は3歳の子もいますし、歳を重ねてから入ってくる子もいます。また、繫殖馬を引退してこちらに来ることもあるんですよ。

歳を重ねている子はたくさんレースを経験して場数を踏んでいるので、肝が据わっている馬が多いですが、その分、頑固な面がありますね。
3歳馬は反応が良く、柔らかい動きをします。考えも凝り固まっていないので、教えたことを早く吸収してくれる感じがあります。ただ、筋肉がつき切っていないため、障害を飛ぶのに必要なトモの筋肉が足りないという弱点もありますね。どちらも違った難しさがあります。

――仕事での難しさ、やりがいは何ですか?

私はBTC(軽種馬育成調教センター)で初めて馬に乗り、卒業後も合わせて丸9年競走馬に乗っていました。ここでは競走馬と乗馬をつなぐ部門になるので、乗馬的なことを教えるのが大変です。
ただ、愛情を持ってじっくりと手をかけて関わっていると、馬の表情が変わっていくんです。そういう成長を見るとやりがいを感じますし、とても楽しいですね。

語彙説明
リトレーニング・・・競走馬から乗馬への再調教
横木(おうぼく)・・・横に並べられた棒状の障害物
クロス障害・・・横木をクロスにして支柱にかけ、真ん中を飛ぶ障害物
トモ・・・馬体を大きく3つに分けた時、前躯(ぜんく)、中躯(ちゅうく)、後躯(こうく)と呼ぶが、一番後ろの後躯のうち、腰部、臀部、後肢のことを指す。


★湖南馬事センターで過ごす引退競走馬

競走馬時代の懐かしい写真と現在の元気な姿をご覧ください!馬名をクリックすると更に詳しいデータをチェックできます。

ハルクンノテソーロ

2019年-4歳以上
撮られているのが分かるのか、かなり長い時間ビシッとポーズを決めてくれました!

2014年3月11日生まれ
競走馬時代の成績は42戦4勝。
重賞は、17年ユニコーンS(GⅢ)で2着した。
21年から障害レースに挑戦し、2戦目で初勝利。
21年新潟JS(JGⅢ)、
阪神JS(JGⅢ)にも参戦。
22年1月8日の中山新春JSを最後に引退。


ビックリシタナモー

2019年-大阪スポーツ杯
現役時代の担当者さんがSNSをやっていることでも有名!
だんだん近づいてきてしまうので、のけ反りながらの撮影に……(笑)

2014年3月31日生まれ
競走馬時代の成績は56戦5勝。
中京芝1400mでデビューし、
11戦目の中京ダート1200mで初勝利。
その後もダートの短距離で勝利を積み重ねた。
20年10月17日の太秦Sを最後に引退。


サンライズプリンス

2010年-ニュージーランドT
待ってました!と言わんばかりに顔を出してくれました!
サービス精神抜群です👍

2007年4月13日生まれ
競走馬時代の成績は9戦3勝。
重賞は、10年ニュージーランドT(GⅡ)で勝利。
10年スプリングS(GⅡ)、
NHKマイルC(GⅠ)では4着。
13年1月13日のニューイヤーSを最後に引退。


ワンダーリーデル

2019年-武蔵野S
和田竜二騎手のYouTubeにも登場していましたね。
いい「先生」だそうです!

2013年4月24日生まれ
競走馬時代の成績は38戦7勝。
重賞は、19年武蔵野S(GⅢ)で勝利。
ダートで長く活躍し続け、
21年フェブラリーS(GⅠ)で3着した。
21年11月13日の武蔵野S(GⅢ)を最後に引退。


ダノンチェイサー

2019年-きさらぎ賞
父はディープインパクト!
NHKマイルCではアドマイヤマーズやグランアレグリアとも対決しました!

2016年2月6日生まれ
競走馬時代の成績は20戦3勝。
重賞は、19年きさらぎ賞(GⅢ)で勝利。
続く19年NHKマイルC(GⅠ)では4着した。
23年1月7日のニューイヤーSを最後に引退。


引退競走馬たちの第2の馬生を見ることができて感激です!ありがとうございました💕


湖南馬事センターでは体験乗馬を行っているそうです。
ご興味のある方はこちらをご覧ください 👇

湖南馬事センター【研修編】【引退競走馬編】いかがでしたでしょうか。少しでも多くの方が競馬や馬の世界に興味を持ってもらえると幸いです。

馬と人がこれからも仲良く幸せに暮らせますように……。


(文・森田美菜 写真・青木慶子)


森田美菜(研究ニュースTM 調教取材・編集担当)
平成10年6月7日生 大阪府出身 O型

2021年入社。栗東の関西編集部で坂路調教と編集業務を担当。研究ニュース紙面で予想コラム「今日の推しメン◎」を毎刊掲載中です。

今回は引退競走馬について取材させていただきました。私には思い出の引退競走馬がたくさんいます。その中でも、アタラクシアにはとてもお世話になりました。2000年のダービーでアグネスフライト、エアシャカールに続いた3着馬です。私は中学、高校時代に栗東トレセンの乗馬苑で乗馬をしていたのですが、そこで馬乗りの基礎を教えてくれた“先生”といえる存在でした。応援していた競走馬が引退したあとも乗馬として元気な姿を見せてくれるのは嬉しいですね。

青木慶子(競馬ブック 製作部)
平成11年6月21日生 千葉県出身 A型

2023年入社。栗東の制作部で主にSNSの運営を担当。開催場によっては競馬場での撮影もするなど、諸々の仕事について勉強中。

就職浪人をしていた去年、東京競馬場の乗馬教室に通っていました。馬たちと触れ合うなかで引退競走馬に関心を持ち、今回の取材に結びつきました。湖南馬事センターさんを訪れて、馬たちが「いい顔」をしているのが印象的でした。競走馬としてのキャリアを離れても、新天地で与えられた役割をしっかりとこなし、整った環境で過ごしている彼らはとても生き生きしているように感じられました。競馬や馬に関してまだまだ知らないことばかりですが、私自身も学びながら、見ていただいてる方々に身近に感じてもらえるようこれからも発信していきたいです。

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