競馬ナイト+(プラス) 2024年4月号発行・文:鈴木ユウヤ
1.編集前記
今に始まったことではないが、高松宮記念は今年もザ・トラックバイアスという決着だった。インの3番手から内を突いたマッドクールが勝ち、2着も最内追走からイン突きのナムラクレア、3着は逃げたビクターザウィナー。進路取りだけで決まった……とまでは言わないが、内外の有利不利は非常に大きかった。
正直、この週の中京芝は土曜からイン追走馬の好結果が目立っていた。見え見えのイン有利馬場だった。にもかかわらず、雨が降っているというだけで「外に出す」と決めつけたジョッキーが多数いたように見受けられた。そこは残念でもある。
閑話休題。馬場のどこを通れば有利⇔不利かを表す「トラックバイアス」という言葉はここ数年で急激に市民権を得た。「TB」という略称まで通じるようになったのは革新的なことだ。それでいて、騎手ですら盛大に読み誤ることがある。予想に活用しない手はない。
そしてこのトラックバイアスという概念は、コース形態や当日の馬場状態だけでなく、レースごとの「ペース」や「ラップ構成」とも密接な関係を持つ。今回はこの「ペースとトラックバイアスの連動性」という部分について、2章『馬券の買い方研究』でじっくり考察していく。ここ数号はデータ分析的な内容が続いたが、今回は比較的「道理の上でこうなる」といった原理原則論に軸足を置く。
ほか、桜花賞と皐月賞の牡牝クラシック一冠目や、賛否両論の新装JpnⅠ・羽田盃など、4月の競馬トピックを一挙に予習していく。連載の騎手&コース分析はそれぞれ松山弘平騎手と、皐月賞の舞台である中山芝2000mを取り上げた。
それでは本編に入ります。今回も丹精込めて書きました。楽しく読んでいただければ幸いです。
2024年4月2日
鈴木ユウヤ
目次
1.編集前記
2.馬券の買い方研究
「ペースとトラックバイアスの連動性」を考察する
3.GⅠ大予言
桜花賞、皐月賞、天皇賞(春)
4.重賞レース「眼の付けどころ」
阪神牝馬S~青葉賞
5.地方もアツいぞ!
ついに来るぞ「ダート三冠」羽田盃
6.「この騎手この条件」
西の先行番長 松山弘平騎手を徹底分析
7.金脈発掘! 「コースのバイブル」
中山芝2000mの攻略法
8.競馬クイズ「走る大捜査線」
9.お礼とあとがき
※複製・再頒布は禁止しますが、なるべく多くの方に紹介してもらいたい気持ちもあります。良識の範囲内でお願いします。
※出走想定などの情報は4月1日時点のものです。報道された情報に基づいていますが、変更される可能性もあります。ご了承ください。
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