マイネルモーント【ゴルシ産駒血統解析】
先日の新馬戦で惜しくも2着になったマイネルモーント
血統を見ていくと非常に面白い内容になっていますので、ツイッターで上げた内容を細かく解説していきます。
マイネルモーント≒ユーバーレーベン
念のため補足をすると≒とは「ほとんど同じ」という記号で、血統面では2頭の血統構成が近しいときに使います。*もしかすると血統を書かれている他の方とニュアンスが異なることもありますが、素人なので許して🙄
まずは2頭の血統表・・・の前に、ターントゥからのサイアーラインを復習します。(これは何度でも使えそう)
これを前提に2頭の血統表⇩の色分けし直します
父ゴールドシップは同じで当然なので、母同士を抽出して色分けしたものがこちら。
基本的に、配合というものは再現性があります。
ステイゴールド×メジロマックイーンにしかり、
ディープインパクト×ストームキャットしかり。
お互いの足りないモノを補い合ったり、長所を伸ばしたりすることで、同じような形質の産駒になりやすくなります。
表の色分けの通り、モーントとレーベンは血統構成がほとんど同じになっています。
これだけ構成が似ているということは、ある程度同系質の子になろやすい。
まずは我らがお義父さん
母父ロージズインメイ
祖のデビルズバッグはタイキシャトルの父であり、名牝グロリアスソングと全兄弟です。日本向きの芝適正とスピードが特徴です。
母母父ロベルト系
シンボリクリスエスとブライアンズタイムと異なりますが、両馬の祖は英ダービー馬のロベルト。アメリカの名血がこれでもかとインブリードされています。
パワーとタフネスが特徴で、主に中距離が得意。
母母母父サンデーサイレンス・ザビール
ここはターントゥから分岐しており、別系統・・・と言いたいところですが、実はサンデーの父ヘイローとザビールの父父サーアイヴァーの血統は、ターントゥ・マームード・ファラモンドなどかなり似通っています。
両者とも柔らかく軽いスピードが特徴です。
そう考えれば、非力でズブくなり直線の長い競馬場が苦手な牡馬にも関わらず、新潟外回りで33秒台で接戦の2着に入ったのは、末脚が素晴らしいユーバーレーベンに似ていると言えると思います。
母父ロージズインメイ
今更このニックスは説明不要ですが、念のため。
2022/8/18現在
中央デビューした12頭の内
勝ち上がり 8頭
中央3着内 2頭(うち1頭はマイネルモーント)
勝ち上がり率は驚異の67%であり、ゴルシが苦手な地方でも勝ち上がっています。
この好成績にはいくつか理由があります。
もちろんロージズインメイ持ち牝馬ということは岡田一族関係の血統率が高く、その岡田血統自体がゴルシと好相性の場合が多いということももちろんありますが、一番大きな部分は気持ちだと考えています。
もちろん、馬群が苦手なユーバーレーベンなどは後方から大外一気というゴルシらしい戦法の馬もいます。
ただ、ゴルシウォッチャーの方々ならピンとくる方が多いと思いますが、ゴルシ×ロージズ血統の馬は先行押切タイプが多いです。
母父ロージズ産駒は前向き気質が強く、スタートも良く2の足もつくので先行ができるということと、母父プリンスジョンによりパワーを兼ね備えたことで、ダッシュが効くということが挙げられます。
また、レーベンは馬群が苦手ということもあるため後方待機で大外一気な脚質ですが、それにしても反応がよく、キレます。
スイッチが入れやすくパワーもあるので先行もできるし、同じように今回のマイネルモーントの大外一気のように、ズブさが解消されるので33秒台で締めることもできます。
まとめ
結局マイネルモーントの記事と言いながら半分ユーバーレーベンの記事になってしまいました。
何にせよ、ゴルシに足らないのは伸びやかな軽さか、古いアメリカ的パワー(こっちも突き詰めればスピードですが)であり、これらを多分に含んだのがターントゥ一族と言えると思います。
アメリカ競馬自体はストームキャットやミスプロのようなムキムキゴリ押しのスピード競馬にシフトしていき、同じスピード競馬でも伸びやかな走りと激情由来のキレを重視するターントゥ系は日本に活躍の場を移しました。
ゴルシ成功パターンは現在主に2つあります。
バックパサー≒フレーミングページなどでアメリカンパワー増強して捲って勝つ(主にニジンスキー)
ターントゥ系(ナスルーラ系も可)のスピードと柔らかさを増強することでキレを出す(主に牝馬)
マイネルモーントは2番のターントゥ重ねであり、牡馬ですが小さいながら纏まった馬体で嫌な緩さがありません。
母父ロージ図は勝ち上がり率こそ高いものの、ユーバーレーベン以外にオープン馬はいません。
個人的にはモーントが次の重賞馬になってくれるのではないかと期待しています。