レディジョセフィン系統
Lady Josephine レディジョセフィン
競馬史上最強の牝系。
母に快速馬レキシントンのクロスを持ち、競馬界にスピード革命をもたらした。
産駒への影響が凄まじく、この血を持っていいない馬を探すのは不可能に近い。
どれくらいヤバいかわかりやすく言えば、ノーザンダンサーも、ミスタープロスペクターも、サンデーサイレンスも、レディジョセフィンの影響を受けた馬である。
以下血統図はおもに牝系図であるものの、牡馬を挟む場合がある。
その場合は馬名横に牡馬と記す。
Lady Josephine
|-- Lady Juror
| `-- Fair Trial 牡馬
`-- Mumtaz Mahal
|-- Mah Mahal
| `-- Mahmoud 牡馬
| `-- Almahmoud
`-- Mumtaz Begum
|-- Sun Princess
| `-- Royal Charger 牡馬
`-- Nasrullah 牡馬
産駒傾向は驚異的なスピード以外は細分化されるため、系統図のみ記す。
Fair Trial フェアトライアル
Lady Josephine
`-- Lady Juror
`-- Fair Trial◀
概要
フェアトライアルはイギリスのマイラーで、現代ではダンジグ(母母父父)やリファール(母父父)の血統に見ることができる。
特に日本ではリファールの影響が大きく、リファールを持ったディープインパクトやハーツクライ、ダンシングブレーヴの血統表からフェアトライアルを受け継いでいる。
![](https://assets.st-note.com/img/1705561392081-728ICypWHf.png?width=1200)
特性
・硬質な走りでピッチ走法
・小脚が使えるのでマクリに強い
・ピッチでマクれるので小回りに強い
日本では特にリファールクロスを持ったときにフェアトライアルが覚醒しやすい。
その中でも、フェアトライアルを内包したトニービンとリファールを持ったハーツクライは、よりフェアトライアルを発現しやすい。
代表馬(父ハーツクライ)
・ドウデュース
▶リファール 4×4 フェアトライアル 7.7.9.9 x 7
・リスグラシュー
▶リファール 4 x 4.5 フェアトライアル 7.7.9.9 x 7.8.9.9
Mumtaz Mahal ムムタズマハル
父ザテトラークの影響を多分に受け継いだ名馬。父譲りの驚異的なスピードと柔軟性で「空飛ぶ少女(Flying Filly)」と異名がつくほど。
早熟スプシンターで、2歳戦とスプリント戦は負けなしの一方、マイル以上では1回も勝てなかった。
牝系の発展は筆舌し難く、直系ならずともその影響力は果てしない。
サンデーサイレンスやノーザンダンサーのスピードの基といえばその異常さがわかるだろう。
ムムタズマハルの血を持った主要な種牡馬
ロイヤルチャージャー(母母母)
▶サンデーサイレンス
▶ロベルト
▶サーゲイロード
ナスルーラ(母母)
▶トニービン
▶プリンスリーギフト
▶ボールドルーラー
ノーザンダンサー(母母父母母)
▶サドラーズウェルズ
▶ダンジグ
▶ニジンスキー 以下略
ミスタープロスペクター(母父父母母)
▶ファピアノ
▶フォーティナイナー
▶キングマンボ 以下略
特性
ザテトラーク譲りのスピードと柔軟性。
欧米ではパワーを足して発展。
日本ではキレを足して発展していった。
産駒で特性的に一番近いのはナスルーラで、ナスルーラや父のザテトラークを刺激すると柔らかくスピードに富む産駒になりやすい。
Mahmoud マームード
Lady Josephine
`-- Mumtaz Mahal
`-- Mah Mahal
`-- Mahmoud◀
マームードとは、すなわち日本競馬である。
それくらいの超重要な血統。
直系では無いものの、特に日本への影響の大きいレディジョセフィン系。
英ダービーを驚異的なレコードで勝ったスピード馬。
ナスルーラ3/4同血で、ナスルーラと同様にザテトラーク×ムムタズマハルのスピードを伝えた。
直系では残っていないものの、牝系に入って爆発的な成績を残した。(アルマームードの項を参照)
日本人に馴染み深いところで説明すると、サンデーサイレンスのスピードとキレの基になっていると言えばわかりやすいか。
![](https://assets.st-note.com/img/1706412484095-9MHd6gguxE.png?width=1200)
特にヘイロー産駒にマームードクロスは超ニックス。
上述のサンデーサイレンス(4×5)に加え、
グッバイヘイロー(4×5)
デヴィルズバッグ=グロリアスソング(4×4)
サザンヘイロー(4×5)
など、ヘイローと言えばマームードと言って良いレベル。
これはヘイローの4代父ロイヤルチャージャーの母サンプリンセスとマームードがほぼ同血に理由を見いだせる。
共にムムタズマハル牝系であり、現代にスピードとキレを伝えている。
またマームードはナスルーラの母とも3/4同血で、マームードをイメージしづらい場合はナスルーラ的な印象でも良いかもしれない。
マームードの影響を多大に受けたサンデーサイレンス。その影響を多大に受けた日本はマームードの国と言ってもいいだろう。
更に、娘であるアルマームードを経た系統は、今後競馬が続く限り永遠に残りつづける。
Almahmoud アルマームード
Lady Josephine
`-- Mumtaz Mahal
`-- Mah Mahal
`-- Mahmoud 牡馬
`-- Almahmoud
「近代競馬はこの馬を起点に広がった」
娘ナタルマがノーザンダンサーを産み
娘コスマーがヘイローを産んだ
更に代が下っても、ナタルマの牝系からデインヒルやマキャベリアン、バゴなども輩出。直系の近年の活躍馬では、レモンポップも6代母がアルマームードである。
特にデインヒルやマキャベリアンはコスマー×ナタルマの半姉妹クロス(母アルマームードのクロス)を持っており、両馬の爆発的なスピードはアルマームード、引いてはマームードに見ることができる。
デインヒル ナタルマ(3×3)
マキャベリアン アルマームード(3×3)
サザンヘイロー アルマームード(3×4)
フランケル ナタルマ(4×5・5)
シュヴァルグラン アルマームード(5・7 x 6・6・6・7)
また、必然的にサンデーサイレンスとノーザンダンサーを配合すると、アルマームードクロスが誕生する。
もちろん現代では血統表の奥深くに眠ってしまったので、単純にサンデー系×ノーザンダンサー系がニックスとは言えないが、シュヴァルグランのようなアルマームードを刺激する配合を見つけられたら買いであると言える。
ノーザンダンサーとサンデーサイレンスのスピードの質は異なるが、基は同じであると言うことがよく分かる。
血統の真髄の一端ではないだろうか。