キングヘイローの血統のヤバさ
キングヘイローは皐月賞2着、菊花賞5着と中長距離で肉薄しましたが、結局はスプリントG1を取りました。
父ダンシングブレーヴ
その父ダンシングブレーヴは今でも史上最強馬とも呼び声の高い凱旋門賞ウィナーですが、種牡馬としてはクラシック向きというよりスピード型でした。
産駒の勝利平均距離(芝)を例に提示すると
日本競馬を牛耳るディープ・キンカメ・ハーツは平均約1800m。
スプリンターも出すキズナやキングカメハメハと比べても、欧州の2400m路線で活躍したダンシングブレーヴの1708mというのは短く感じると思います。*なおゴールドシップ( 1,974.5m)
*なおサクラバクシンオー(1,282.0m)
父系のリファールは、ディープインパクトの母父父でもあり、スピードを増幅させます。
更に、ブレーヴの母父父サーゲイロードは、同じくスピードとキレを象徴する血統です。
凱旋門賞でラスト1ハロン10秒台でブチ抜き、大レコードで圧勝したダンシングブレーヴは「距離が持つスピード馬」が本質と言えるかと思います。
母グッバイヘイロー
キングヘイローは、母グッバイヘイローもえげつない血統をしています。
グッバイヘイローはアメリカG1を7勝した歴史的名牝。
この馬の血統は本当に勉強になります。
注目いただきたいのが父ヘイローと母父サーアイヴァー。
この2頭は、ターントゥ・マームード・ファラモンド・プラッキーリエージュなどが相似しており、
ヘイロー≒サーアイヴァーの1×2
という超強力なクロスを持っています。
また両者ともターントゥ系が爆発するために必要なマームードを保持しており、これはサンデーサイレンスなどにも共通する重要事項です。
サンデーサイレンス マームードの4×5
デヴィルズバッグ マームードの4×4
息子キングヘイロー
ダンシングブレーヴ×グッバイヘイローの何がスゴイって、ダンシングブレーヴの母父ドローン…
ドローンはターントゥ・ファラモンド・プラッキーリエージュそしてマームードを持ちます。
ということは、ヘイロー≒サーアイヴァーは、ドローンとも相似します。
つまり、キングヘイローはドローン≒ヘイロー≒サーアイヴァーの3×2・3を持っているということになります。
日本のヘイロー系といえばサンデーサイレンスやタイキシャトルを想像してもらえればわかるのですが、素軽さとキレを内包したスピードの権化になります。
そんなヘイロー相似血統の3×2×3、しかも父はスピード種牡馬のダンシングブレーヴとなると、キングヘイローがスプリントG1を勝ったのは必然と言えるのかもしれません。
余談:牝系に入ったキングヘイロー
現在、母父キングヘイローが躍動していますが、特に父ディープインパクト=ブラックタイドとの相性がいいですね。
これは2頭の母ウインドインハーヘアがアルザオの血を引いており、このアルザオは父リファール、母父サーアイヴァーです。
もうおわかりだと思いますが、
イクイノックスの場合
ヘイロー≒サーアイヴァー≒ドローン 4・6・6×5・4・5
アルザオ≒ダンシングブレーヴ 4×3
という、どんだけキレとスピードを増幅させるんだという血統になっています。
一方、ディープボンドの場合はもう一つの相似クロスが発生します。
しかも、サーアイヴァーの父サーゲイロードと怪物セクレタリアトは半兄弟です。
この兄弟の父父は、父ネアルコ×母系ムムタズベグムのナスルーラとロイヤルチャージャー兄弟です。
わかりづらすぎるので図解をどうぞ。
こちらはサムシングロイヤルの父プリンスキロが効きまくってトンデモナイストライドを見せてくれていますね。
キングヘイローの魅力はディープインパクト=ブラックタイドによって最も輝きます