【オーシャンS2024】中山芝1200mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)
オーシャンSの好走傾向=内先行有利
直線平均進路:3.9頭目÷大外平均:10.2頭目=馬群内直線位置:38%
4角平均位置:4.3番手÷出走平均数:15.8頭=馬群内道中位置:27%
好走馬上がり3F平均タイム=34.16秒
春の中山で行われるスプリント重賞で、立ち位置としてはこの後の高松宮記念へのステップレースでる。過去5年の傾向を見ると、好走馬は直線で内側、4角で前を走る馬が多いため「内先行有利」と位置づけた。
谷型コースで前半から速い流れ
中山芝1200mは外回りの向正面の中盤からスタートをする。頂点を過ぎたあたりからになるため直線ラスト200mは実質上りがない下りor平坦なコースである。テンからフルスロットルを効かせるスプリント戦において前半が下りなのは更にスピードを増す追い風コースになっている。
過去10年の平均ラップを見ると、Sから400~600mで全速力を出しながら坂を降り、その後の平坦では徐々に息が切れていき、最後の急坂登坂では体力を絞り切って踏ん張るという流れになっていることがわかる。短距離競走が故にレーススピードの速さを売りにした馬たちが集まるわけだが、前半の下り坂がスピードを後押ししてくれるような展開になりやすい。
前半速くも前が残る
前半がタイトな流れで後半に急坂登坂があるというコースレイアウトが故に先行馬には苦しいレース・差し馬が浮き上がってくるレースになりやすいかと思いきや、過去の成績を見るとそのような傾向にはなっていない。
勝ち馬の数は先行馬がトップだが、分母を考えると逃げ馬の好走率がとにかく優秀。過去10年の逃げ馬は当然ながら10頭しかいないわけだが、その半数が複勝圏内に好走している。
競馬においては前半が極端に速くなると先行馬の脚が止まってしまいがちだ。しかし中山芝1200mはコーナー角が窮屈な上に直線は310mしかない故に差し馬が前を捕まえ切るための猶予が少ない。このコースにおいて終盤で差し馬が先行馬を捕まえるためには、この程度の展開では足りないと言える。
馬場も先行馬を助ける
中山第2回開催は例年Aコースを使用する。これは前年12月末以来で、第1回開催では使用していないコースのため内外で馬場状態が多少異なる。更にこの開催前はエアレーション作業を実施していないため馬場は他の開催よりも少し硬さもある。内側が外側よりも綺麗、更に馬場が硬いとなれば内先行馬が力を発揮するための条件が揃っている。
これもまたオーシャンSで先行馬が好走する要因の一つと言えるだろう。
当週の馬場傾向
<トラックバイアス>
2019年 土曜:4.2/日曜:8.2
2020年 土曜:4.7/日曜:8.1
2021年 土曜:2.9/日曜:3.8
2022年 土曜:4.7/日曜:4.2
2023年 土曜:5.7/日曜:5.5
※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値
開幕2週目で比較的馬場は綺麗な状態になっているため、数値は低く落ち着いている。2019年と2020年は日曜の数値が高くなっているのは、共に稍重/重の道悪開催だったことが影響。
注目馬
◎ヨシノイースター
前走これまでの差し脚質から積極的な競馬に切り替えて快勝。元はエイシンスポッター(23年京阪杯③着/22年オーシャンS③着)やマッドクール(23年シルクロードS③着/23年スプリンターズS②着)など実力馬と対等に戦えるだけの実績がある。好走条件にハマればここで重賞初制覇もあるだろう。