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【オークス/優駿牝馬2024】東京芝2400mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

オークス/優駿牝馬の好走傾向=馬場差無

オークス/優駿牝馬(東京芝2400m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:9.1頭目÷大外平均:16.4頭目=馬群内直線位置:56%
4角平均位置:7.9番手÷出走平均数:18.0頭=馬群内道中位置:44%
好走馬上がり3F平均タイム=34.28秒

牝馬クラシック2戦目。クラシックディスタンスで行われる歴史あるレース。中距離以下の設定が多い牝馬限定戦において2400mは長距離に値するわけで、単なる能力だけではなく距離適性も好走に関係しているレースと言える。実際、過去10年5番人気以下で好走した伏兵馬のその後を追いかけると、芝2200m以上の長距離系重賞で実績を残していて、該当馬のスタミナの豊富さがうかがえる。
好走馬は直線進路だとほぼ真ん中に集中し、脚質もほぼ真ん中に集まっているため、道中の位置ではほぼ「馬場差無」だろう。

クラシックディスタンスのチャンピオンコース

東京芝コースレイアウト

東京芝2400mはオークス、日本ダービー、ジャパンカップと由緒正しい歴史のあって最高峰の馬が集うレースで使用されるレース。日本の競馬界において特別なコースであり、生産時点からこのコースに照準を合わせているため、この舞台で好走する事が最も名誉なことであるとも考えられる。

コース自体はぐるっと周回するためコーナーが多く、向正面や直線が広く長いことからレイアウト由来で極端な有利不利は生まれにくい。格式高いレースが行われるにふさわしいフェアなコースと言えるだろう。

内枠有利に見えるも

オークス過去10年枠順別成績(~2023)

過去10年の枠順別成績は1枠の連対率が20%、複勝率30%とずば抜けて高い。これを見る限りでは「内枠有利」に感じてしまうが、2,3枠の成績はそれに続かず。しかも、過去5年に絞ると1枠好走馬は22年②着のスタニングローズのみ。
過去には17~19年で1枠の良績が集まっていたり一時的に好走の流れがあったようにあったのだが、その理由が馬場的な要因であることは証明しづらい。偶発的なのか、展開的なのか、定かではないものの現状「内枠にターゲットを絞る」ことは馬場的観点からはできない。

距離を積むことがスタミナの証明

牝馬限定戦距離一覧

先述にもある通り、オークスは3歳牝馬にとって長距離走と言えるほどスタミナを要する。牝馬における芝2400m自体、世代限定戦に限らず全ての牝馬限定重賞でもっとの長い距離であり、この舞台まで世代限定戦しか出走してこなかった3歳牝馬にとってはほぼ未知の距離である。
実際に過去10年180頭が出走し、オークスまでに2400mを経験したことのある馬は10頭(5.6%)だけで、近3年では2頭しかいない。

距離実績だけではスタミナを図ることができないため、未知数の馬たち特別な形で炙り出してみよう。

オークス好走馬走破距離平均(14~23)
オークス過去10年好走馬一覧

競走馬の加速力は生まれ持った能力であり、デビュー当初からスキルのある馬は力を発揮する。しかし、スタミナは調教を重ねレースで距離を踏むことで培われていくと言われている。
よって、経験の浅い3歳でこれまでマイル中心に標準を合わせてきた牝馬において、レースをどのくらい使ってきたのか、そのために準備されてきたのかがスタミナを測る指標でないかと仮説を立てて考えてみる。

過去10年でオークスを好走した馬のそれまでの1レース平均距離と総走破距離をそれぞれ出してみた。全体の平均は1レースだと1699.6mでマイル以上、総走破距離は7966.7mでほぼ8000mぐらいを走っていることとなる。
注目点は過去10年を前後半に分けた数字である。14~18年よりも19~23年の方が1レース平均距離と総走破距離はともに長い。それだけ近年はしっかりと距離を踏んだ馬たちが多く好走していることがわかる。

オークス人気凡走馬(19-23)

反対に実力上位と期待されて人気を背負った馬でも、

・1Rにおける平均距離が短い(=短い距離ばかりを使ってきた)
・キャリアの総走破距離が短い(=距離を踏んでおらずスタミナを増強されていない)


という馬は人気に応えることができずに凡走してしまうケースが多い。
走破距離を見ることは、好走馬を見つけるだけでなく、危険な人気馬の取捨にも活用できそうだ。

当週の馬場傾向

<トラックバイアス>
2019年 土曜:8.5/日曜:6.8
2020年 土曜:6.1/日曜:4.0
2021年 土曜:5.2/日曜:9.1
2022年 土曜:7.7/日曜:7.8
2023年 土曜:5.4/日曜:5.4

※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

Bコースは今週がラスト。コース替わり2週目のため極端なバイアスはないものの、翌週のCコース初週で例年一気に内にバイアスが寄るため、相対的に内外差無~外有利に見えている。
馬場状態、馬場傾向としては基本的にフラットであるため、レース特有の傾向が反映されやすい。

注目馬

オークス出走馬 総走破距離/平均距離(2024年)

今年の出走馬には①2000m以上を出走した馬②総走破距離10000m超の馬 が存在しないため、極端な有力馬の抽出は難解である。
近年の歴代好走馬で、好走平均値以下(オークス好走馬走破距離平均(14~23)を参照)でも結果を残したのは、
・リバティアイランド(2023年①→23年牝馬三冠)
・ハーパー(2023年②→GⅠ2着1回3着2回)
・ナミュール(2022年③着→23年マイルCS①)
・アカイトリノムスメ(2021年②着→21年秋華賞①)
・デアリングタクト(2020年①→20年牝馬三冠)
・ラヴズオンリーユー(2019年①→GⅠ全4勝)
・アーモンドアイ(2018年①→GⅠ全9勝)
・カレンブーケドール(2018年②→GⅠ2着3回3着1回)
・クロノジェネシス(2028年③→GⅠ全4勝)

と以降トップクラスのレースで結果を残している馬ばかりであり、基準を超えて好走するためには相当な実力がないと厳しいだろう。

今回は候補馬を探すべく平均や合計、さらには長め距離への対応力を陣営サイドがデビュー前から見越している事を推測するために新馬戦の距離を並べてみた。


◎ステレンボッシュ
阪神JF②着→桜花賞①着と、世代間の実力では現在トップクラスであることに異論はなく、阪神JFで敗れたアスコリピチェーノがここにいないとなれば最有力と言えるだろう。これまでのキャリアは王道を歩んできているが、新馬戦はコーナー4つの周回コースとなる札幌芝1800mで小頭数とはいえ牡馬相手に完勝。3歳4月までマイルを最大目標としてくる牝馬戦線において、スタミナの証明もできている。
総走破距離は8000m超で距離をしっかり踏んできている。例年の傾向で総走破距離が多い馬の中には「未勝利や条件戦から抜け出せない→出走回数が多い→距離が嵩む」といった馬がほとんどの中、当馬は3勝2着2回(GⅠ含む)というエリートであるため当然ながら実力を疑うことはないだろう。
実力をしっかり発揮できればクラシック2冠は自ずと見えてくるはずだ。

◎ライトバック
1RAve.や新馬戦の距離は好走条件に当てはまるも、総走破距離では物足りない。しかしながら、前走GⅠ③着の実力、リステッド競走での実績などを考慮して今回のメンバーならば勝ち負けの当落上にあるのではないかと考えた。
直線が長い上に4角からの下り坂によって早めのスパートを演出されてしまうためにスタミナも要する新潟芝1800mでデビューをし好走しているあたりは、単純な距離以外にも内蔵するスタミナを感じる。

★アドマイヤベル
今メンバーで唯一2000m以上重賞勝ち馬。1RAve.は1950mでメンバー最長、新馬戦は1800m(ライトバックと同じスタミナを要する新潟芝1800m)を勝利してスタミナの裏付けもある。総走破距離が物足りないが、これまでキャリア4走しか使っていない事を考えると単純に分母が少ないだけだと言える。反対に1800m以上にこだわってキャリアを積んできている事はここに照準を合わせているとも感じる。

★エセルフリーダ
新馬戦から徹底して2000mを使い続け、この舞台に照準を合わせているだろうと陣営の思惑を感じる現時点での伏兵馬。一覧の総走破距離では若干見劣りをしてしまうが、出走回数が少ないことや基準が8001m以上に色付けをしているだけであって、大きく割引をするようなことではないだろう。
これまでの臨戦過程でマイルを中心してワンターンの競馬ばかりの馬が多い中、周回コースとなる中山芝2000mでも好走していることは加点材料。
単勝として狙うのには勇気がいるが、連系馬券の相手には入れておきたい馬である。

★コガネノソラ
1R平均距離、総走破距離、新馬戦距離全てメンバーの中でも上位に位置している当馬は2走目の未勝利戦以外は全て1800mを経験。結果を残すまでに時間を要している事が気がかりだが、現在の実力はリステッド競走を勝ち切るなど申し分ない。
過去に稍重で好走をしている事などから週末に水分量の多い馬場になった際、この馬の強みがさらに発揮されることもあるだろう。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。

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