【スプリングS2024】中山1800mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)
スプリングSの好走傾向=先行有利
直線平均進路:6.5頭目÷大外平均:11.8頭目=馬群内直線位置:55%
4角平均位置:4.4番手÷出走平均数:14.0頭=馬群内道中位置:31%
好走馬上がり3F平均タイム=35.32秒
皐月賞へのステップレース最終戦、出走権利が必要な馬にとってはラストチャンスとなるレースである。近年は雨による馬場状態の変化を受けたレースが多く、それぞれの年の特異的なトラックバイアスがあるが、それでも全体傾向を俯瞰してみると傾向が見えてくる。
開催4週目に当たるこの週は経過による馬場の傷みが徐々に見られるものの極端なバイアスはなく「内外差無」程度。しかし、先述の通り近3年は雨の影響を直接受けているため数値が大きい年もある。
脚質は「先行有利」で4角平均は4.4頭目。しかし3角平均は5.8頭目で少し後ろになっていることから直線が短い上にコーナー角がキツくコンパクトなコース形態の中山内回りらしいポジションを押し上げるような傾向が見られている。
内回りのコンパクトなコース
中山芝1800mは直線半ばからスタートをし、205mですぐに1角を迎える。コースは内回りを使用するため小回りとなりとてもコンパクト。主場に分類される中山だが、東京/京都/阪神の芝1800mは全てワンターンでツーターンの周回コースはこの中山だけであり、これだけでも特殊な舞台であると言えるだろう。
レーススピードは「弥生賞<スプリングS」
スプリングSの過去10年平均ラップは 前3F 36.3-後3F 35.9(後0.4)と前後半のバランスが良く、スタートからゴールまで一定のラップを刻み続ける展開で平均ラップの山は小さい。まさにレーススピードが求められる展開になりやすい。
2週間前の行われる弥生賞ディープインパクト記念(以下:弥生賞)も皐月賞に向けたステップレースである。あちらは皐月賞と同じ舞台の芝2000mでこちらは1F短い1800mであるため、弥生賞の方が本番の皐月賞に近い引き締まったレースになるかと思いきや、スプリングSの方が前半5Fが0.5秒も速い。
本番と同じ舞台の弥生賞がゆったりとしたSペース・山なりラップなのに対し、スプリングSは比較的引き締まったラップである→そのためこちらのレースではよりレーススピードが求められる。
当週の馬場傾向
<トラックバイアス>
2019年 土曜:6.2/日曜:5.7
2020年 土曜:3.9/日曜:5.0/月曜:5.8
2021年 土曜:5.1/日曜:8.3
2022年 土曜:4.4/日曜:3.5
2023年 土曜:6.7/日曜:8.1
※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値
開催4週目で少しずつ馬場の傷みが出始めているものの雨などの影響がなければ「内外差無」。しかしながら先述の通り、近3年は雨の影響を受けて重や稍重が続いて、昨年日曜はかなり数値が高くなってしまった。雨が降るなど馬場状態を維持できないような条件では悪化が進んでしまうだろう。
注目馬
◎ウォーターリヒト
きさらぎ賞は直線加速に屈してハナ差の②着。勝ち馬に負けたもののレースの内容や終いの速さは実力上位の評価できるものだったと感じる。ワンターンでレーススピードを要する京都外回りで序盤-中盤-終盤とスピードに乗った走りを見せているあたりがこのレースにフィットするポイントだろう。
★ジューンテイク
前走2200mの比較的長い距離を使ったものの、本来は朝日杯FS④着(0.2秒差)のマイルのスピードにも対応ができる脚の速い馬。コンパクトな阪神内回りで4角ツーターンコースを前走クリアして「スピードを要するコーナー4つのスプリングS」を好走するためのスキルを持ち合わせていると見た。
すみれSを使っていてもここにチャレンジしてくるということは、なんとしてでも皐月賞への出走を叶えたいという思いもあるだろうから、ここでは仕上げてきているはず。