【チューリップ賞2024】阪神芝1600mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)
チューリップ賞の好走傾向=先行有利
直線平均進路:5.0頭目÷大外平均:10.2頭目=馬群内直線位置:49%
4角平均位置:4.5番手÷出走平均数:14.2頭=馬群内道中位置:32%
好走馬上がり3F平均タイム=35.08秒
春のクラシック第1戦となる桜花賞のトライアルレースとして王道の立場であるチューリップ賞。本番と舞台が一緒であり、桜花賞過去10年でチューリップ賞勝ち馬が馬券に絡まなかったのは2度しかないほどの確率。この舞台で好走できるかが桜花賞の成績を占うほどの重要なレースである。
内外はバイアスはほぼ皆無で「内外差無」。脚質は馬群の1/3前が好走している割合で「先行有利」が見られている。
緩いカーブ→長い直線
阪神芝1600mは外回りコースを使用する。向正面半ばからスタートをし、444m走ったところから始まるゆったりとした外回りのコーナー、そして直線は474mとたっぷりある。緩やかで広い大箱なコースな上に勾配も4角まではほぼ皆無、更に末脚を発揮するL3Fから下り坂になって最後に急坂登坂のため「脚を溜めて、一気に加速」という日本競馬らしい展開を演出するコースレイアウトになっている。
まさにこのコースレイアウト通り、過去10年のラップは中盤に息が入って終盤一気の加速をみせる「山なりラップ」を見せている。これはメンバー構成も影響していて、桜花賞がマイル戦のため、世代のなかではその段階までは距離がギリギリ持ちそうな短距離系グループの馬もチャレンジをしてくる舞台。しかしながら本来は距離が短くてタイトなラップを刻む競馬が得意な馬なために短距離系グループのトライアルは1400m以下のレースを使ってることが多い。
よってチューリップ賞を使ってくる馬はマイル以上への対応ができる馬が選びがちなレースで、そのメンバーがこのコースで競馬をすれば必然的にゆったりとした展開になりやすいのだろう。
本番との違いは内外の差
同じ舞台で行われるチューリップ賞と桜花賞だが、明確に違うのは内外の差。チューリップ賞は比較的内側に好走馬が偏っているが、桜花賞は真ん中から外に傾向が集まっている。
いくつかの理由があるだろうが、その中でも明確で大きな影響なのは「馬場の差」だろう。チューリップ賞は通常開催ならば開催2週目、しかも阪神は1~2月は開催がないため芝は養生されているため状態が良いことからも内から好走馬が出てくることはとても自然なことである。
反対に開催後半に行われる桜花賞は芝の傷みが増えて内外にバイアスが生まれ、さらに本番レースであることから前半ペースが速くなってコーナーでのポジション争いが激しい故に内側の馬が窮屈な競馬となってしまうことなどから外の馬に利が生まれてしまうパターンが増えてしまう。
チューリップ賞では桜花賞以上に内側にターゲットを絞ってみてもいいだろう。
当週の馬場傾向
<トラックバイアス>
2019年 土曜:5.6/日曜:5.3
2020年 土曜:4.9/日曜:5.8
2021年 土曜:4.8/日曜:5.2
2022年 土曜:4.6/日曜:3.7
2023年 土曜:4.3/日曜:5.1
※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値
開幕2週目で馬場が綺麗なために数値は低い。コース形態的に外回りだと差し馬にチャンスがあるがこの時期の馬場状態的に「先行有利」で逃げ馬の好走が多い。
注目馬
◎タガノエルピーダ
先行脚質で直線スピードも兼ね備えているこのコースで好走するべきタイプの馬。タイトなラップで差し馬にチャンスが多かった朝日杯FSで唯一先行して残ったこの馬が世代間でも実力上位なのは確か。それでいてこのレースならば元々のポテンシャルがあれば勝ち負けは必須だろう。
○スウィープフィート
前走から明確な先行脚質に転換し結果を残し収穫を得た。阪神JFでは大幅な出遅れでも最後は脚を伸ばし続けて⑦着という成績だった。今回は内枠を引いてチャンス拡大だろう。
▲ラーンザロープス
これまで末脚を生かす競馬だったものの、前走は脚を溜めずに前に行く競馬をして僅差④着。前に行く積極的な競馬も可能なのが見えた。シンザン記念は他の馬たちがそれまで重賞などで成績を残したもおがおらず相手比較が難しいものの、逆を言えばまた勝負づけがついていない立場ならば未知の可能性がある立場。内枠を引いて理想的な競馬ができれば。