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【フローラS2024】東京芝2000mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

フローラSの好走傾向=内先行有利

フローラS(東京芝2000m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:3.7頭目÷大外平均:12.2頭目=馬群内直線位置:31%
4角平均位置:4.8番手÷出走平均数:16.4頭=馬群内道中位置:29%
好走馬上がり3F平均タイム=34.71秒

桜花賞を終えて、オークスに向けた本格的なステップレース初戦となるこの舞台。これまで芝1600mを最大目標であり、そこへの適性度が世代の強さだったものの、これが終わると一気に1.5倍の距離がターゲットとなる。
もちろん桜花賞までに実力を残している、オークスに出走するための賞金的が足りている馬はこの舞台に出てこないわけで、短い距離には適性がない馬がオークスに向けた本格始動するのがこのレースの立ち位置である。
レースの傾向は好走馬は直線だとかなり内側、脚質は4角で前にいた馬が好走していて「内先行有利」が強烈なレースである。

構造上「外不利」コース

東京芝コース図

東京芝2000mは2角奥の引き込み線からスタートをし、本線とは違うコースから「偽2角」を経て本線との向正面へと進入していく。このコーナーがスタートから距離が短い上に鋭角なため、外枠の馬は距離ロスの少ない内側のコースのポジションを取ることが難しく、「外不利」になってしまう。
東京コースは円周が大きいために芝2000mでもほぼワンターンという比較的特殊な条件であり、本来コーナーが少ないコースであれば内外の差が生まれにくいはずだが、初めの特徴のせいでかえって内外にバイアスが生まれてしまっている。

秋以来のAコース

東京秋~春コーススケジュール

東京コースは最内のラチから仮柵を設置・移動させて4つのコースで運営をし、走る馬が多く傷んでしまう最内コースの養生に努める。仮柵を設置しない時期は4月終わりの第2回開催と10月の第4回開催のみ。それ以外の期間は最内から3m以上外に必ず仮柵が設置されている。
芝の生育は気温の上昇と共に良化するため、この時期は芽を出した芝が日に日に生えそろっていく。それに加えて昨年10月終わり以降全く使われていない最内コースはそれより外側よりも使用頻度が少ないために長らく養生されていることとなる。

<トラックバイアス>
2019年 土曜:7.3/日曜:6.6
2020年 土曜:6.5/日曜:5.2
2021年 土曜:5.1/日曜:5.9
2022年 土曜:4.3/日曜:3.9
2023年 土曜:7.8/日曜:4.2
※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

直線が広く長いコースが故に他場と比べると多少数値が多いように見えるが、馬群が横一線に大きく広がる東京コースにおいて数値が5~6頭目あたりで推移しているのは「内有利」と言えるだろう。

世代限定牝馬重賞の2000m

2,3歳重賞一覧(~フローラS)

前年7月から始まる世代限定重賞で牝馬限定戦に限るとフローラSは10鞍目に当たる。先述にもあるように桜花賞までは芝1600mが最大目標になるため、距離は最高で1800mのフラワーCであり、これが1鞍しかない。よって2000mを超える牝馬限定重賞は初めてになる。
もちろん、牡馬に混じって鎬を削った馬は既に2000m重賞を経験しているわけだが、確率としてはかなり低く、フローラSに出走する馬のほとんどがこのレースが芝2000m重賞を始めて経験することとなる。

フローラS過去10年平均ラップ

それにより、このレースは各馬距離を持たせるために息の入って終盤で加速する長距離戦のようなラップになりやすい。L3Fで一気に加速をしてスピードアップするあたりが特徴的だ。Sペースで余力を残した先行馬が鋭い末脚を発揮すると後方の馬たちはそれ以上のスピードを発揮しなければ計算上届かない。よって展開由来の先行有利になる確率は高くなることが、このレースの傾向を生んでいる要因になっているだろう。

エアレーション実施

第2回開催前には例年エアレーション作業を実施している。特殊な刃や装置を駆使し芝に穴や切り込みを入れて芝の生育を促すだけでなく、クッション性を高めて競争馬の安全を担保することがこの作業の狙いであるが、この作業は芝の生育状況に比例し、馬場状況が良いとその効果は絶大だ。
気温が上昇傾向で芝の生育が良化していく、その時期に2ヶ月近く養生したこの時期の東京芝はエアレーションの効果が大きい。
クッション性が高いと地面から受ける反発係数が下がるため、馬の脚が芝をしっかり掴んで加速する必要がある。よって先行馬がスピード任せにゴールに向かって雪崩込むようなことが少なくなり、上がりで加速している馬が多くなる。

フローラS(東京芝2000m) 過去5年好走馬直線進路

過去5年だけで見ても勝ち馬は上がり上位であり、これは過去に遡っても同じ傾向である。23年は上がり上位馬が1頭も馬券に絡んでいないが、メンバー上がり上位3頭の4角位置は最速から順に⑭⑮⑩と全て追い込みの馬。内先行有利のコース・レースの中、外差しの馬が速かったためにこの結果になったと解釈できる。

内先行馬でメンバーの中でも上がり上位の末脚が発揮できるのであれば「鬼に金棒」状態だろう。

当週の馬場傾向

<トラックバイアス>
2019年 土曜:7.3/日曜:6.6
2020年 土曜:6.5/日曜:5.2
2021年 土曜:5.1/日曜:5.9
2022年 土曜:4.3/日曜:3.9
2023年 土曜:7.8/日曜:4.2
※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

Aコースは昨年10月以来でいわゆる「グリーンベルト」が発生する時期。どのレースでも内有利が強く見られる時期である。開催前にエアレーションを実施しているために末脚に長けた馬の台頭が多く、レースの展開次第では外差し馬が好走するパターンもあるが、ゾーンにターゲットを置くとすれば内を走れる馬に焦点を置くべき。

注目馬

◎コガネノソラ
キャリアの4/5Rが1800mでこれまでマイルよりも長い距離を使ってきた馬。しかも脚質は出遅れた3走前を除くと必ず4角3番手以内、さらに上がり上位は80%と「先行馬+速い上がり」の要素を兼ね備えている馬である。
2走前には東京芝1800mで速い上がりを使いながら逃げ切り勝利をしていてフローラSでの好走パターンを見せているだけに期待が持てる。

○バロネッサ
これまでのキャリア3戦のうち、2つは1800mでマイル以上に期待がかかっていることがわかる。前走は先行した競馬ができたし、これまで上がり2位以内しかなく上がりスピードも確か。好走条件は揃う。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。


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