ジャパンカップ予想(本命オネスト)
国内外から世界の強豪が集まる国際レースジャパンカップ。
過去はそういう時期もあったが、近年は海外からの強豪馬の参戦が極めてすくなくなり、参戦してくる馬すらもいない状況である。私を含めたオールドファンにとっては、毎年のように凱旋門賞の勝馬や海外のナンバー1と言われる名馬が参戦してくれていた時代がとても懐かしい、今や過去のことのように思えてなりません。
近年皆様がご存じのように、日本の馬場の高速化により、海外の馬の好走がより難しくなったことが大きな要因として挙げられています。また、11月初旬にはブリーダーズカップ、12月の2週目に行われる香港国際競走の谷間にあたるジャパンカップが、ローテーションの問題含め敬遠されている側面もあります。しかし今年からあるJRAの試みによって、潮目が変わりつつあります。それは、東京競馬場内の新設された”新国際厩舎”の存在です。
今まで、海外からの遠征馬は検疫の為、千葉県白井市にあるJRA競馬学校か、兵庫県三木市の三木ホースランドパークのどちらかに移動する必要がありました。これは海外のように直接競馬場に移動できる利便性とは相反するものであり、非常に面倒で馬や関係者の負担も大きかった現状がありました。しかしこの新国際厩舎の創設により、東京競馬場に直接移動可能となり検疫も受けられるようになりました。事実今年は怪我で出走が叶いませんでしたが、今年の凱旋門賞馬のアルピ二スタが参戦を表明。また、パリ大賞典覇者のオネストやバーデン大賞覇者のテュネス等バラエティに富んだメンバーが参戦してくれました。国際厩舎の創設にプラスして、来年から賞金も5億円に増額されることもあり、更なる強豪馬達の参戦に期待したいところです。
さて前置きが長くなってしましましたが、今年のジャパンカップの展望をしていきたいと思います。
上記で説明した通り、近年のジャパンカップは日本馬の独壇場でした。過去10年の勝ち馬を見ても、アーモンドアイやキタサンブラック・ジェンティルドンナ等錚々たるメンバーです。やはり能力が一枚抜けている馬が出走する大レースの位置づけで間違いないのですが、今年にいたっては様相が違います。昨年3着のシャフリヤールと一昨年3着のデアリングタクトこそ出走していますが、共に近走はやや不振。上がり馬のヴェラアズールや3歳世代で安定した能力を発揮してきたダノンベルーガと、明らかに例年と比べると小粒な日本馬の構成になっています。
馬場状態は良馬場で行われそうです。6レースではペースが遅かったとはいえ、新馬戦で33秒台の上がりタイムを出した馬が6頭もいる現状を考えれば、やや瞬発力に秀でた馬を狙うのがベター。ただ、前が止まりずらい傾向も見られるので、後ろすぎず中団より前で比較的早い上がりを出せる馬が理想です。そして内枠の方がやや有利な馬場状態と考えましょう。
ペースはユニコーンライオンが逃げると思われます。テュネスもここ2戦逃げていますが、ドイツの馬場はフランスよりも更に重い特殊馬場なので、スピード負けするでしょう。そう考えるとペースは速くならないだろうと思います。
ある程度スローから平均ペースで進み直線勝負で上り勝負と予想します。
有力馬ですが、正直不安要素があります。
シャフリヤール・ダノンベルーガ共に若干距離に不安があります。ダービー馬なのにそんなことないだろうと思われるかもしれませんが、シャフリヤールはドバイシーマクラシックの走りを見る限り距離ギリギリ。天皇賞の走りも以前のような切れが失われているように感じました。国内帰国後2戦目で変わり身があるあかもしれませんが、調教も以前ほど動いてないです。3歳時のクラシックは距離は意外と若さでこなせてしまします。過去にはジェニュインやスマイルジャック・イスラボニータ・サリオス等マイラーでも連対できますし、血統もアルアインの下ということで、年々適正距離が短くなっていく可能性が高いです。また外枠も今日の馬場ではどちらかというとマイナス。馬券圏外の可能性も十分ありえます。
ダノンベルーガもダービーの走りを見る限り距離はギリギリ。馬体も胴が詰まっているタイプでマイルから2000mがベストかなと思います。ただ1週前追切の動きは良かったので若さとハーツクライ産駒の成長力でカバー出来るかもしれません。
ヴェラアズールは調教の動きは抜群で前走はメンバーに恵まれたとは言え余裕たっぷりの圧勝で魅力十分ですが、東京コースと脚質が少し不安要素です。前走が鮮やかすぎる分過去の東京競馬場のレースぶりをみると少し物足りなさを感じますし、若干内にもたれる仕草を見せていたのが気になります。あと、やはり位置取りは最後方に近い位置での競馬になりそうで、大外を回すと恐らく勝てないので、この多頭数を内からうまく捌くことが出来るかが鍵になると思います。
見解としては上位に不安要素あり!思い切った予想をしても面白いかもしれません。
本命はオネスト。
私自身は思い切った予想を選びました。東京コースの馬場状態は内から5頭分ぐらいが伸びる馬場。内枠の馬という点と、後ろ過ぎない位置取りでレースをしてくれる馬という点を重視しました。
オネストは2番枠だけど、過去のレースいつも後方からじゃないか!と皆様から異議を申し立てられそうですが、たしかにその通りなので、最後方に近い位置での競馬になる可能性はあります。ただ賭けたのはルメールの手腕です。思い切った前付けを選択できる数少ない騎手です。中団の内ぐらいにつけることが出来たら勝機が見えてくると判断し、そこに賭けてみます。
能力に関しては、パリ大賞典もアイリッシュチャンピオンSも、直線追い出してからの反応を見る限り良馬場の切れ味勝負が向いていると確信しています。しかも軽量55キロで出られる今回は更に切れ味が増すことが予想されます。血統もフランケル産駒の日本馬場適正は、ソウルスターリングやモズアスコット等で証明済みですし、母系がスピード色が強い点も後押しします。もちろん長距離輸送や厩舎初来日と課題は多いですが、日本を知り尽くしたルメールがうまく導けば勝ち負けになると思います。
対抗はダノンベルーガ。
ダービー・天皇賞共にイクイノックスに力負けを喫した感がありますが、このメンバーなら勝負になると思います。休み明けで上り32秒台を出した脚を2400mでも発揮出来れば勝ち負けでしょう。
単穴はボッケリーニ。
当初は本命も考えていたがまさかの試練枠。調教の動きも前走からの上積みが見込める内容。タイトルホルダーやヴェラアズールと差のない競馬をしており能力差は僅か。立ち回り次第で好走は十分可能です。スタート決め手5番手以内に付けれればチャンス。
連下に、
シムカミル・ヴェルトライゼンデ・グランドグローリー・ヴェラアズール・ハーツイストワール・カラテ・シャフリヤールまで押さえる。